3月5日(水) 0:30
不正利用の発見経路について、三井住友カードが運営する「ヒトトキ」が、被害にあったことがある500人を対象に調査した結果から見ていきましょう。不正利用被害にあった人々の具体的な発見パターンを分析することで、私たちが日常的に気をつけるべきポイントが見えてきます。
表1
発見のきっかけ | 割合 |
---|---|
カード会社からの連絡 | 35.4% |
利用明細を確認したとき | 24.8% |
口座から引き落とされたとき | 13.6% |
利用通知サービスを確認したとき | 13.4% |
クレジットカード決済をしようとして利用停止になっていたとき | 4.8% |
警察からの連絡 | 2.2% |
その他 | 5.8% |
三井住友カード「クレジットカードの不正利用に関する調査」より筆者作成
表1によると、最も多い発見のきっかけは「カード会社からの連絡」で全体の35.4%を占めており、これは、カード会社が導入している不正利用検知システムが異常な利用パターンを検知し、利用者へ確認の連絡が入るケースを指します。
次いで多いのが「利用明細を確認したとき」で24.8%となっており、日頃の確認する習慣が被害発見に重要な役割を果たしていることが分かります。
同調査で明らかになった被害額は、最小980円から最大160万円まで実に幅広く、平均すると約10万円でした。特に警戒が必要なのは、月額500円程度の少額決済による被害です。
ある被害者は、月額500円の不正利用が5ヶ月も続いていたにもかかわらず、金額が小さすぎて気づくのが遅れたと報告しています。このように、少額決済は被害に気づきにくい特徴があるため、慎重な確認が求められます。
同調査では、不正利用の手口として以下のような実態も明らかになっています。被害にあった500人の体験から、犯罪者たちが使う手口の傾向が浮き彫りになりました。これらの手口を知ることは、私たちの身を守ることにつながるでしょう。
表2
手口 | 割合 |
---|---|
フィッシング詐欺 | 23.1% |
なりすまし | 20.0% |
ネットショッピング詐欺 | 19.0% |
カードの盗難・紛失 | 15.4% |
EC事業者による情報漏えい | 12.3% |
スキミング | 6.2% |
悪質出会い系サイト | 4.1% |
三井住友カード「クレジットカードの不正利用に関する調査」より筆者作成
最も多いのがフィッシング詐欺で、全体の23.1%を占めています。これは、カード会社を装った偽メールや偽サイトを通じて個人情報を詐取する手口です。
次いで、他人へのなりすましが20.0%、ネットショッピング詐欺が19.0%と続きます。従来のカード盗難や紛失による被害は15.4%にとどまっており、サイバー空間での犯罪が主流となっていることが分かります。
不正利用の被害者のうち、83.6%の人がカード会社やECサイトから補償を受けています。しかし、警察へ被害の届出を怠った場合や、カード会社への連絡が遅れた場合、さらにカード裏面への署名がなかった場合は、補償を受けられない可能性があり、被害を発見した際には迅速な対応が不可欠となります。
ここまで見てきたように、クレジットカードの不正利用による被害は年々増加傾向にあり、その手口も巧妙化しています。被害の早期発見には、カード会社からの通知に注意を払うことはもちろん、利用明細の定期的な確認が重要な役割を果たします。
月額500円といった少額の不正利用は見逃しやすいため、些細な金額でも注意深く確認する習慣が大切です。また、フィッシング詐欺やなりすまし、ネットショッピング詐欺など、サイバー空間での犯罪が主流となっている現状を理解し、適切な対策を講じることが必要です。
万が一、被害にあった場合は、警察への被害届の提出やカード会社への迅速な連絡が補償を受けるための要件となります。カード裏面への署名をいま一度確認し、不正利用への備えを万全にしておくことをお勧めします。
三井住友カード株式会社 ヒトトキ クレジットカードの不正利用に関する調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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