【写真】“世界の浅野忠信”がメガホンをとった「男と鳥」独自の世界観が光る

クリエーターの発掘・育成を目的に、映画製作のきっかけや魅力を届けるために生まれた短編映画制作プロジェクト「MIRRORLIAR FILMS」のSeason6が、1月24日よりLeminoで配信中。2月14日には俳優・浅野忠信が15年ぶりに監督に挑戦した短編映画「男と鳥」が配信された。浅野といえば自身が出演したドラマ「SHOGUN 将軍」(2024年)の演技が評価され、「第82回ゴールデングローブ賞」の助演男優賞を受賞したばかり。そんな世界から注目される俳優の一人である浅野がメガホンをとった短編作品の魅力を紹介する。

■不思議なキャラクターたちが繰り広げる“箱”の物語

「MIRRORLIAR FILMS」は俳優としても活躍する山田孝之、阿部進之介、and picturesの伊藤主税らのプロデュースにより「誰でも映画を撮れる時代の幕が開く」を合言葉に2020年より発足した短編映画製作プロジェクト。年齢や性別、職業やジャンルに関係なく、メジャーとインディーズが融合した自由で新しい映画製作に挑戦している。,,

浅野が監督を務めたショートフィルム「男と鳥」は、ある屋敷に入り込んだゾンビ侍(田中一平)が、神(大原海輝)から「この箱を5分後に届けなさい」と頼まれたことから始まる摩訶不思議な物語。コマ撮りの手法を用いて製作された約10分間の物語には、ほうきに乗った飛べない奇妙な鳥(阿部進之介)も加わり、箱を巡った独特な世界観が次々と展開されていく――。

劇中に登場するゾンビ侍、神、鳥といった個性的なキャラクターたちが繰り広げる掛け合いからは「何をやっているのだろう」「この後、どんな展開が待っているんだろう」と、不思議と引き寄せられるような魅力を感じた。ブリッジで動き回るゾンビ侍や彼が鳥と一緒にトンカチ型のほうきで飛行する場面など、子ども心をくすぐられるような瞬間が多く詰まっている。

撮影時のメイキングインタビューで、浅野は「映画とかドラマもそうだけど、今ってパターン化している時代だと思うんですよね。でも、何だか分からないものが目の前に来た時には、(人は)たぶんずっとじっと見てしまうんだと思う。そういう時代が本当に来たんだと思うんです」と話しており、「子ども心がくすぐられるそんな作品を作りたい」と明かしていた。

まさに彼の言葉の通り、展開が気になってじっと見てしまうような演出が至るところで表現されており、心がワクワクとする印象が強く残った。

■国内のみならず世界からも注目される名俳優へ

15年ぶりに務めた監督作で非凡なセンスを光らせた浅野だが、昨今のエンタメ界の話題を席巻したドラマ「SHOGUN 将軍」で見せた演技力も忘れることはできない。浅野は、米・テレビ界のアカデミー賞ともいわれる「第78回エミー賞」で最多18部門を受賞した同作に樫木藪重役で出演。

主人公にとって敵か味方か分からないような“くせ者”を体現し、国内外の視聴者を魅了した。その演技が評価され、2025年1月5日に発表された「第82回ゴールデングローブ賞」のテレビ部門で見事、助演男優賞を獲得。世界に名をとどろかせた。

ちなみに同作は主演でありプロデューサーを務めた真田広之が主演男優賞、アンナ・サワイが主演女優賞に輝き、日本人俳優3人が受賞するというゴールデングローブ史上初の快挙も成し遂げている。

世界をとりこにする名優が手掛けたショートフィルム「男と鳥」は、役者として長年この世界に携わってきた浅野だからこそ表現できる独創的な世界観を存分に体感できる新感覚な作品となっている。

「MIRRORLIAR FILMS」Season6はLeminoにて配信中。

◆文=suzuki




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