“プリンス・オブ・ハリウッド”ティモシー・シャラメとは?20代で2度目のオスカー候補に「名もなき者」で若き日のボブ・ディラン快演

ティモシー・シャラメ/「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」PRでの来日時※2023年ザテレビジョン撮影

“プリンス・オブ・ハリウッド”ティモシー・シャラメとは?20代で2度目のオスカー候補に「名もなき者」で若き日のボブ・ディラン快演

3月2日(日) 3:27

ティモシー・シャラメ
【写真】イメージがらり!「名もなき者」では退廃的な雰囲気と色気をまとうシャラメ

1960年代初頭のニューヨークの音楽シーンを舞台に、当時19歳で無名のミュージシャンだったボブ・ディランがスターダムを駆け上がっていく姿を描いたサクセスストーリー「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」が2月28日に日本でも公開された。同作でティモシー・シャラメがディランのキャリアの初期に当たる1961年から1965年までを見事に演じ切り、新たな彼の代表作誕生を予感させている。主演男優賞にノミネート中の「第97回アカデミー賞」授賞式が日本時間の3月3日(月)に開催されるということで、あらためて“プリンス・オブ・ハリウッド”とも称される若きハリウッドスター・シャラメのキャリアを振り返る。

■芸能一家で育った29歳のハリウッドスター
ティモシー・シャラメ


シャラメは1995年12月27日、アメリカ・ニューヨーク生まれの29歳。母親がブロードウェーの元ダンサーで、祖父が脚本家で叔父が監督、そして姉のポーリーヌも現在女優として活躍している。シャラメ自身も幼い頃から子役として活動しており、2009年放送のドラマ「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」や2012年放送の「HOMELAND/ホームランド」などに出演。2014年には映画「インターステラー」でケイシー・アフレックが演じたトム・クーパーの幼少期を演じた。

シャラメの名前を一気に広めたのは2017年公開の映画「君の名前で僕を呼んで」だろう。アンドレ・アシマンの小説を、「ミラノ、愛に生きる」(2009年)や「サスペリア」(2018年)を手掛けたルカ・グァダニーノ監督が実写化。

17歳と24歳の青年のひと夏の恋を描いた作品で、アーミー・ハマーとW主演を務めた。この作品の演技で高い評価を得て、「第90回アカデミー賞」にて主演男優賞にノミネートされた。他にも、「ゴールデングローブ賞」「英国アカデミー賞」「全米映画俳優組合賞(SAGアワード)」「クリティクス・チョイス・アワード」などで主演男優賞にノミネートされ、「ニューヨーク映画批評家協会賞」「ロサンゼルス映画批評家協会賞」「インディペンデント・スピリット賞」では主演男優賞を受賞している。

同じ2017年公開のシアーシャ・ローナン主演の「レディ・バード」ではうそつきな青年カイル役で存在感を示し、2018年公開の「ビューティフル・ボーイ」は実話が基になった作品で、薬物依存症になって苦悩する青年ニックを演じ、9kg減量するなど役づくりも徹底。「ゴールデングローブ賞」と「英国アカデミー賞」で助演男優賞にノミネートされた。


■超大作「DUNE/デューン 砂の惑星」に主演

シアーシャ・ローナンやエマ・ワトソンらが出演した「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」(2019年)といった話題作にも出演し、2021年公開のSF映画の超大作「DUNE/デューン 砂の惑星」に主演。過酷な運命を背負う主人公ポール・アトレイデスを演じ、2024年には続編となる「DUNE/デューン 砂の惑星PART2」も公開された。

2022年公開の「ボーンズ アンド オール」でも主演を務めたシャラメ。この作品はアメリカとイタリアの合作で、恋愛とホラー要素が融合した物語が展開する。監督は「君の名前で僕を呼んで」のグァダニーノで、テイラー・ラッセルとW主演を務めた。生きるために本能的に人を食べてしまうという秘密を持つマレン(ラッセル)が、同じ秘密を抱える青年リー(シャラメ)と出会い、その謎を解くために2人は逃避行する。それまでとは違うタイプの作品で、新たな一面を垣間見せた。

2023年に公開された「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」のウィリー・ウォンカもシャラメのハマり役の一つ。ロアルド・ダールの小説「チョコレート工場の秘密」に登場するチョコレート工場の工場主であるウォンカの若き日の冒険が描かれている。VFXやミュージカル要素をふんだんに取り入れて、エンターテインメント性の高いファンタジー作品に仕上げ、世界中で大ヒットを記録した。


■スクリーンに映る姿はまさに若き日のディラン

そんな流れからの最新主演作「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」だ。まだ準備段階だった2019年頃からクランクインする2024年までのおよそ5年間、シャラメはギターの練習を続け、劇中で実際にディランの曲を歌唱し演奏。スクリーンに映るその姿は、まさしく若き日のディランだった。20代で2度目の「アカデミー賞」主演男優賞候補になるという、大変な快挙もうなずける。

気になる「第97回アカデミー賞」授賞式は3月3日(日本時間)に開催。「名もなき者」関連ではシャラメの主演男優賞をはじめ、作品賞、監督賞(ジェームズ・マンゴールド)、助演男優賞(エドワード・ノートン)、助演女優賞(モニカ・バルバロ)、脚色賞(マンゴールド、ジェイ・コックス)、音響賞、衣装デザイン賞の8部門にノミネートされており、何部門獲得するのか、注目度が高まっている。

2月に来日した際、シャラメはディランについて「やはり本当に自分の人生を変えてくれたアーティスト」とした上で、「ボブ・ディランが自分にどんなインパクトを与えたかは言葉に尽くせないぐらいのものがあります。自分としては、この作品に関わることは一つのミッションというふうにも感じていました」と語っていた。

そんな若き日のディランを演じたシャラメに対し、ディラン本人も称賛の言葉を自身のXでつづっており、“太鼓判”を押している。徹底した役作りを経て見事にディランを体現した今作は、間違いなくシャラメの代表作の一つになるだろう。

なお、シャラメは今後もジョシュ・サフディ監督×A24による映画「マーティ・シュプリーム」への出演が決まっており、ますますの活躍を楽しみにしたい。

◆文=田中隆信




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