2月27日(木) 20:00
S&P500は、米国の代表的な500銘柄で構成される株価指数であり、これに投資することで米国経済全体に分散投資することができます。その主なメリットは以下の通りです。
1.長期的に高いリターンを期待できる
過去30年間でS&P500の平均年間リターンは約7~10%と安定して成長しています。また、GAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)と呼ばれる、世界をリードする大企業が指数の中に多く含まれています。
2.分散効果がある
S&P500には500社が組み入れられており、1つの企業の業績が悪化しても、ほかの企業が補うことでリスクが分散されます。セクター(産業)ごとのバランスも比較的良く、テクノロジー、ヘルスケア、金融など幅広い業種に分散投資することができます。
3.手間がかからず、初心者向け
投資初心者でも「アメリカ全体の成長を信じる」だけで手軽に投資できます。投資信託やETFなら、構成銘柄の投資比率が自動的に調整されるため、個別株投資よりも管理が容易です。
しかし、S&P500「だけ」に投資することにはいくつかのリスクもあります。
1.米国経済が低迷した場合の影響が大きい
S&P500は米国市場に依存しているため、米国経済が停滞すれば、パフォーマンスも悪化する可能性が高いです。過去には、リーマン・ショック(2008年)やITバブル崩壊(2000年)では、S&P500も大きく下落しました。リーマン・ショック時には、下落からもとの指数水準に戻るまでに約2年間かかりました。
2.為替リスクがある
日本の投資家がS&P500に投資する場合、間接的に米ドルで投資することになります。将来的に、もし円高が進むと、たとえ米国株が成長していても、円換算でのリターンが減少する可能性があります。
3.一部の大企業(GAFAM)依存のリスク
現在のS&P500は、GAFAMの構成比率が高く、その影響を大きく受けています。これらの企業の株価が下落すると指数全体も大きく影響を受ける可能性があります。
S&P500への投資を検討するうえで、米国市場全体の今後の見通しを理解することは重要です。米国は、人口増加や技術革新が進んでいるため、長期的に見れば米国経済は成長を続ける可能性が高いといわれています。
また、AIや再生エネルギー分野など、新たな成長産業が生まれており、今後の株価上昇をけん引する可能性も期待できます。一方、短期的には、米国の政局や米中対立などの地政学的リスクが高まると、米国市場にも悪影響が及ぶ可能性があるため注視する必要があります。
S&P500は過去の実績から見ても、長期的な資産形成に有効な投資先の1つです。しかし、「S&P500だけ」に投資することにはリスクも伴います。
米国市場が今後も成長する可能性は高いものの、短期的なリスク要因にも注意が必要です。リスクを分散し、より安定した資産形成を行うためには、S&P500に加えてほかの資産クラスへの投資も検討するとよいでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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