2月27日(木) 17:20
結婚式の実施内容は年々変化しています。
株式会社リクルートが調査した「ブライダル産業の構造転換に向けた調査・分析 報告書(令和4年)」を基に、近年の結婚式の開催規模について解説します。
まずは、結婚のイベント実施状況の変化を表1にまとめました。
表1
イベント | 2017年 | 2020年 |
---|---|---|
披露宴・披露パーティー | 55.3% | 51.5% |
挙式 | 9.9% | 3.4% |
親族中心の食事会 | 15.5% | 18.7% |
写真撮影 | 4.3% | 6.3% |
その他 | 0.2% | 0.1% |
全くの非実施 | 14.8% | 19.9% |
出典:株式会社リクルート「ブライダル産業の構造転換に向けた調査・分析 報告書(令和4年)」を基に筆者作成
2017年と2020年を比較すると、「披露宴・披露パーティー」の割合が約4%減少しています。また、「挙式」が減少し「親族中心の食事会」が増加しました。「全くの非実施」も増加しています。
披露宴・ウエディングパーティーの招待客数にも変化が見られます。
招待客数の全国平均は、2015年で72.5人ですが、年々減少し2020年では66.3人と、約6人減少しています。
背景には、職場の人との付き合い方の変化や、兄弟人数が減っていることなどがあるようです。また、価値観の多様化もあり、ごく身近な親しい人たちと過ごせるイベントを実施したいと考える人も増えています。
同調査より、挙式や披露宴・ウエディングパーティーの総額の変化を表2にまとめました。
表2
2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | |
---|---|---|---|---|---|---|
全国平均 | 352万7000円 | 359万7000円 | 354万8000円 | 357万5000円 | 354万9000円 | 362万3000円 |
出典:株式会社リクルート「ブライダル産業の構造転換に向けた調査・分析 報告書(令和4年)」を基に筆者作成
挙式や披露宴などの総額は、2015年と比較して増加しています。6年間の調査結果の中では最も高い総額です。招待客数は減少するなかで、おもてなし志向の高まりが結婚式単価上昇につながっていると見られます。
一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会の「祝儀(結婚祝い)等に関するアンケート調査(令和5年度)」による、ご祝儀の平均額を表3にまとめました。
表3
新郎新婦との関係 | ご祝儀の平均額 |
---|---|
兄弟・姉妹 | 6万52円 |
叔父・叔母 | 8万1629円 |
従兄弟・従姉妹 | 3万4635円 |
友人 | 3万960円 |
出典:一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会「祝儀(結婚祝い)等に関するアンケート調査(令和5年度)」を基に筆者作成
友人は平均約3万円ですが、親族は約3万円~8万円となっています。親族を中心に招待する挙式や披露宴・ウエディングパーティーであれば、ご祝儀の総額は多くなることが予想されます。
また、結婚式の費用を親などから援助してもらえる可能性もあるかもしれません。ご祝儀や親の援助などで、結婚式費用の自己負担額を少しでも減らせることが理想ですが、ある程度の自己負担は想定しておいた方がいいでしょう。
アンケート結果によると、挙式や披露宴・ウエディングパーティーを実施する割合は減少していますが、親族を中心とした食事会は増加しています。また、招待客数も減っており、小規模で実施する傾向にあります。
ご祝儀の平均相場は友人で約3万円、親族で約3万円〜8万円となっているため、親族中心の招待客であれば、結婚式の自己負担額は多少減るかもしれません。ただし、ご祝儀で費用をすべてまかなえる可能性は低いため、ある程度の自己負担は想定して実施しているといえるでしょう。
株式会社リクルート Division統括本部 マリッジ&ファミリーメディア・ソリューションDivision ブライダル産業の構造転換に向けた調査・分析報告書 令和4年
一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会 祝儀(結婚祝い)等に関するアンケート調査(令和5年度)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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