2月27日(木) 19:40
空き家を駐車場にすると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは2点紹介します。
空き家のままでは収益はなく出費だけがかさみますが、駐車場にすればそこから収益が得られます。収益から固定資産税を払えるようになるだけでなく、プラスアルファの収益が得られる可能性もあるでしょう。また建物を壊すことで、それまで必要だったメンテナンス費用も不要になります。
空き家をそのまま放置すると固定資産税がかかり続けます。誰も住んでいない、何にも利用していないのに税金を払い続けなければならないデメリットは大きいでしょう。老朽化を防ぐためにはメンテナンス費用も必要です。
また、空き家の手入れをしていなければ、草木が生い茂り周辺の景観を悪くするほか、害虫などの発生源になることもあります。さらに、老朽化した空き家を放置すると、倒壊などにより周囲に被害をおよぼす可能性もあるでしょう。
空き家を放置していると「特定空家」に指定される可能性もあります。特定空家になると、固定資産税の軽減措置が適用されなくなることが大きな痛手です。それどころか、行政の指導に従わないと強制撤去(費用は所有者から徴収)される可能性もあります。
このように空き家をそのまま放置するとさまざまなデメリットが生じるため、空き家を処分できるのは大きなメリットです。
空き家をつぶすと、場合によっては固定資産税が最大6倍になると聞いたことはないでしょうか。住宅用の土地は固定資産税が以下のように1/3または1/6に軽減される措置がとられています。
・200平方メートルまでの土地:固定資産税が1/6に減額
・200平方メートル超の土地:固定資産税が1/3に減額
建物を壊して住宅用ではなくなると、この軽減措置がなくなってしまうのです。実際は6倍になることは少ないものの、空き家を解体すると固定資産税が高くなることは確実です。なお、更地と駐車場では基本的に固定資産税の額は変わりません。
自分の土地の固定資産税が建物の有無でどのように変わるのか、実際に計算してみることをおすすめします。
空き家がある状態よりも駐車場にしたほうが固定資産税は上がるため、駐車場にするのであれば、固定資産税を支払える程度の収益が見込まれるかを判断する必要があります。
駐車場は立地が重要で、需要がない場所を駐車場にしても収益は見込めないでしょう。例えば、駅や商業施設の近くにあり人や車の往来が激しい場所であれば良いですが、周りに人家が少ない地域では、駐車場にしても収益は得られにくいでしょう。
また、周辺に駐車場がいくつもあるからといって、需要のある地域だと判断するのは早計です。稼働率が低く収益の上がっていない駐車場ばかりの可能性もあるからです。そのため、普段の駐車状況も確認しておく必要があるでしょう。
空き家を放置すると周囲に迷惑がかかるだけでなく、特定空家に指定されて固定資産税の軽減措置が受けられなくなる可能性もあります。したがって、空き家に誰も住まないのであれば、売却したり駐車場などで利用したりする必要があるでしょう。
一方で、無計画に駐車場にしても、想定より利用が少なく収益が上がらない可能性もあります。事前によく検討することが大切です。
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士
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