2月28日(金) 2:00
「美穂さんが亡くなった後、妹の忍さんが定期的に都内の自宅を訪れて、遺品整理を行っています。家具などの生活必需品は、すでにほとんど片付けられており、段ボールがいくつも積み重なっていたそうです。ただ、部屋には家族葬で使用された祭壇がそのまま運ばれたままだと聞きました。位牌や遺骨も置かれていたといいます」(美穂さんの知人)
昨年12月6日に都内のマンションの一室で急逝した中山美穂さん(享年54)。それから約2カ月半が経過したが、美穂さんを偲ぶ声は尽きない。
「3月7日には、NHK BSの名物番組『伝説のコンサート』で美穂さんが’89年と’93年に開催した2度のライブ映像が放送されます。多くの視聴者から“美穂さんの歌声をもう一度聴きたい”という声が相次いだことが背景にあったと聞きました」(NHK関係者)
そして4月22日には、美穂さんが度々コンサートを開いていた「東京国際フォーラム」で「お別れの会」が開かれることが決まっている。音楽関係者は言う。
「仕事関係者や友人たちとのお別れの場というよりも、基本的にはできるだけ多くのファンの方々が最後のお別れをできるような舞台を考えていると聞いています」
本来なら美穂さんは香取慎吾(48)の主演ドラマ『日本一の最低男※私の家族はニセモノだった』(フジテレビ系)に保育園の園長役として3月まで出演する予定だった。第1話と第3話を撮り終えていたが、急逝。その代役となったのが、妹の忍(52)だった。
忍は、代役発表時のコメントでこう綴っていた。
《姉の“園長先生”を引き継ぐ形で作品に携わらせていただけたことは、本当に幸せでした。1シーン、1カットずつ“お姉ちゃん、どう演じたい?”と心の中で話しかけながら、作品の世界観を壊さないように、姉の気持ちに添うように、姉の面影を感じてもらえるように、そして皆さまのお心に残りますように、願いを込めて大切に演じました》
制作関係者はこう語る。
「美穂さんが亡くなった後、制作側は新たな園長役として無理を承知で忍さんにオファーをしたところ、彼女は『ぜひやらせてください!』と即決でした。ドラマのエンディングでは、出演者の名前が紹介されていますが、忍さんから“私の名前とお姉さんの名前を並べることはできませんか?”との要請があり、姉妹のクレジット表記に――。“美穂さんを忘れてほしくない”という忍さんの思いがとても強いと感じました」
■美穂さんの葬儀で妹が「2つの要望」
前出の知人は、美穂さんの葬儀で忍が周囲に2点、要望していたことがあったと語る。
「1つはパリにいる息子さんと美穂さんを“再会”させること。そしてもう1つは、美穂さんを“自宅に帰す”ことでした」
辻仁成(65)との間に誕生した長男(21)と“最後の対面”を果たした場は、取材陣の目に触れる可能性の高い葬儀・告別式ではなく、美穂さんの自宅だった。本誌が報じたように、遺族が“長男を守る”ゆえの選択だったという。葬儀では妹・忍が喪主を務めた。前出の知人は続ける。
「葬儀にはお母さんも出席して、遺族席で泣き崩れていましたが、美穂さんも忍さんも、お母さんとは長らく疎遠な関係にあったと聞いています」
美穂さんの著書『なぜならやさしいまちがあったから』や、過去のインタビューによれば、実母は忍を出産後、実父と別れ、姉妹は一時期、親戚や祖母の家などに預けられていたという。
「母親の苦労を知る美穂さんは“家を建ててあげたい”と決意し芸能界入り。’88年には母親が代表取締役を務める個人会社を設立して、収入の管理を完全に母親に一任していました。ところが、’02年に中山さんは辻さんと結婚してパリへ移住。そのころには、姉妹と母親の関係にヒビが入り始めていたようです。
あるとき、個人会社の残金が少なくなっていることに気づいた美穂さんは自らの資金管理を母親に任せることをあきらめ、’12年に個人会社を閉鎖。美穂さんが代表取締役を務め、忍さんが役員を務める新会社に合併したのです。以来、姉妹と母親とは断絶関係にあったといいます。その代わり、姉妹の絆はいっそう強固になっていきました」(前出・知人)
そのため、美穂さんの死後も忍が中心となって、さまざまな手続きを行っているという。
「先日、忍さんが仕事関係者からお墓のことを聞かれたとき、『まだ決まっていなくて……』と答えていたそうです。基本的に忍さんは、美穂さんを母方の墓に入れることは考えていないのでしょう。忍さん一人で、新たなお墓を探していると聞いています」(前出・知人)
祭壇を美穂さんの自宅に移設し、遺骨をそのまま置いているという忍。終活カウンセラー協会代表理事の武藤頼胡さんは言う。
「若くして亡くなった方のご遺族は、四十九日後も遺骨を手元に置くことは少なくありません。特にお姉さんに先立たれ、お母さんにも頼れない状況であれば、遺品整理はつらい作業で、心の整理はそう簡単につかないことでしょう。お墓の多様化により、最近ではご兄弟、姉妹でお墓に入る例も実際にあります」
前出の知人はこう語る。
「美穂さんの自宅は、3月末の退去が決まっているといいます。祭壇もそれまでに片付けなければなりません。そのため忍さんは、ドラマの撮影のかたわら、遺骨やお墓をどうすべきか焦燥にかられているようです」
お別れの会では、美穂さんの“今後”に関して、忍から何らかの発表があるのだろうか――。