定年後に「再就職」を考えている人はどのくらい? 定年後の働き方について解説

定年後に「再就職」を考えている人はどのくらい? 定年後の働き方について解説

2月22日(土) 18:10

多くの人が定年後もなんらかの形で働き続けていると耳にしますが、実際にはどのくらいの人が働いているのでしょうか。本記事では、定年後に働いている人の割合や多様化する働き方、再就職したときにもらえる手当などを解説します。

定年後の再就職と就業率

総務省の「令和6年版高齢者の就業状況」によると、65歳以上の就業者と就業率は年々増加傾向にあり、定年後も働き続けたいと考える人が多いことが分かります。定年後である65歳以上の労働力人口(働く意思や能力のある人)と就業率を表1でまとめました。
 
表1

労働力人口比率 就業率
65~69歳 53.5% 52.0%
70~74歳 34.5% 34.0%
75歳以上 11.5% 11.4%

出典:令和6年版高齢社会白書(第2節高齢期の暮らしの動向(1))より筆者作成
 
厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果」においても、男性の転職入職率は60~64歳が13.5%、65歳以上で12.6%と高い傾向です。
 
この背景には、年金制度の改正や健康寿命の延伸、生活費の増大など、さまざまな要因が考えられます。
 

定年後の働き方の実態

定年後の働き方は、継続雇用や再就職、起業など、多様化しています。厚生労働省の「令和6年高年齢者雇用状況等報告」によると、70歳まで雇用する「高年齢者就業確保措置」の実施企業は31.9%と増加傾向です。
 
実態として、定年まで働いていた企業で嘱託などで継続雇用されるケースが多いようです。
 
一方、今まで働いてきた会社を辞めて、別の会社で働く「再就職」という方法もあります。厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果」においても、一般労働者として転職した65歳以上の男性は6.7%であるのに対し、パートなど非正規雇用は19.7%と高い水準でした。
 
または、自分のスキルや経験を活かして、独立・開業する「起業」を選ぶ方もいます。近年、定年退職後に起業するシニア起業家が増えており、自分のペースで働けるのも特徴です。
 
そのほかにも、シルバー人材センターを利用したり、ボランティア活動に参加したりするなど、さまざまな形で社会との関わりを持つ高齢者が増えています。
 

定年後に再就職するともらえるお金

60歳で定年退職して再就職する場合、求職活動期間中は、失業給付(基本手当)を受け取ることができます。定年退職の場合は、最高で被保険者期間20年以上の150日分です。
 
所定給付日数を残して再就職できた場合、「高年齢再就職給付金」や「再就職手当」を受け取れます。
 
高年齢再就職給付金は、基本手当の基礎の賃金日額(30日分)の75%未満である場合、再就職先の賃金月額から最大15%まで給付されます。ただし、離職前の被保険者期間が5年以上で、所定給付日数を100日以上残して再就職した場合のみです。
 
所定給付日数の3分の1以上の基本手当を残して再就職し、かつ再就職後に雇用保険に加入すれば「再就職手当」を受け取れます。基本手当を3分の1以上残して再就職したら残った基本手当の60%分、3分の2以上残して再就職したら残った基本手当の70%が給付されます。
 
以上のことから、再就職する場合には、できるだけ早い段階で再就職先を見つけるのがよいでしょう。
 

定年後の働き方を選ぶポイント

定年後の働き方を選ぶ際には、老後の生活費を試算し、必要な収入を確保できる働き方を選ぶ必要があります。そして、仕事とプライベートのバランスを保てる「ワークライフバランス」も考慮し、老後を楽しむことも重要です。
 
例えばシルバー人材センターには、地域貢献や健康のために仕事を求める高齢者が集まるため、気の合う仲間を見つけられる場所としても有効です。また、技能講習なども開催しており、新しいことに挑戦する楽しみも体感できます。
 
仕事にやりがいを感じることは、精神面での健康にもつながるため、自分に合った働き方を選びましょう。
 

自分らしい働き方を見つけよう

定年後の働き方は、再就職や継続雇用など、多様化しています。自分に合った働き方を選ぶためには、健康状態、生活費、やりがい、ワークライフバランスなどを考慮することが重要です。
 
定年後の再就職を目指す場合、早めに行動することで、再就職手当をより多く受け取れます。無理なく働けるセカンドライフを実現しましょう。
 

出典

内閣府令和6年版高齢社会白書
厚生労働省令和6年高年齢者雇用状況等報告
厚生労働省令和5年雇用動向調査結果
厚生労働省Q&A~高年齢雇用継続給付~
厚生労働省高年齢再就職給付金とは
ハローワークインターネットサービス基本手当の所定給付日数
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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