2月21日(金) 14:20
A子さんは、ご自身やご家族を守るための保険はしっかり整えていらっしゃいます。ここで学資保険に加入する目的を確認しましょう。
学資保険は、主に、子どもの教育費を計画的に準備することが目的で、貯蓄性がある保険で、契約者に万が一のことがあった場合でも、満期保険金が保証される仕組みが特徴です。
学資保険には、以下のようなメリットがあります。
1.計画的な教育資金の準備
毎月一定額を積み立てることで、無理なく大学や高校進学時のまとまった資金を準備できます。
2.契約者の死亡保障
契約者(親)に万が一のことがあった場合、それ以降の保険料支払いは免除されます。一方で満期保険金や祝い金は契約どおり支払われるため、教育資金が確保できます。
3.比較的安定した資産形成
金利変動リスクがなく、リスクを抑えた貯蓄が実現できます。
加入にあたって、以下のポイントに注意する必要があります。
1.リターンは控えめ
現在の低金利環境では、学資保険のリターンは大きく期待することはできないといえるでしょう。満期保険金が支払った保険料と同程度になることもあるというイメージです。
2.途中解約の場合は元本割れのリスクがぬぐえない
学資保険を途中で解約すると、元本割れ(解約返戻金は支払った保険料を下回る)となる可能性があります。
3.柔軟性に欠ける
一度契約すると、積立額やタイミングを柔軟に変更することは基本的にできません。
まず、A子さんがすでに死亡保険、医療保険、就労不能保険に加入されていて、家族を守るためのリスクヘッジがカバーできていることを勘案します。そのため、学資保険以外の方法も含めて検討してみてはいかがでしょうか。その際に重視するポイントは以下のとおりです。
1.教育資金として準備したい金額と期間を明確にする
大学進学時にいくら必要かを具体的に試算します。
2.学資保険と他の選択肢(つみたてNISAや預貯金)を比較する
「保障が必要か」「リターンを重視するか」によって選択肢が変わります。安全性を重視するなら、学資保険を選ぶのは良い選択肢です。特に「万が一の保障」を何より優先したい場合に適しています。
これに対して、つみたてNISAは、毎月積立で運用する制度で、リターンを重視するならば学資保険よりもこちらを選択するのがよいでしょう。
リスクを取りたくない場合は、預貯金を活用して堅実に教育費を積み立てる方法を採用しましょう。既存の死亡保険に「教育資金特約」を追加することで、学資保険と同様の効果を得られる場合がありますので確認してみてください。
A子さんのご両親が現役時代の時は、NISAというシステムはありませんでしたし、保険商品も現在ほどバリエーションは豊かではありませんでした。
現在は、さまざまな金融商品が導入されているので、親御さんの提案は多くの選択肢の中の1つとして、何を優先するべきかを中心に決めていきましょう。
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者
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