中村勘九郎がプロレスラー小島聡との初対面に感激歌舞伎座で上演中『きらら浮世伝』でプロレス愛炸裂

歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」昼の部『きらら浮世伝』終演後に対面した新日本プロレスリングの小島聡(左)と中村勘九郎

中村勘九郎がプロレスラー小島聡との初対面に感激歌舞伎座で上演中『きらら浮世伝』でプロレス愛炸裂

2月17日(月) 11:00

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歌舞伎座で上演中の松竹創業百三十周年「猿若祭二月大歌舞伎」昼の部『きらら浮世伝』に出演する中村勘九郎が、2月16日昼の部終演後に、新日本プロレスリングの小島聡とともに囲み取材を行った。初代中村勘三郎が寛永元(1624)年に猿若座の櫓を上げ、初めて江戸で歌舞伎を上演したことを記念しての「猿若祭」において、1988年に父・十八世中村勘三郎(当時五代目勘九郎)がセゾン劇場で演じた蔦屋重三郎の物語をあらためて歌舞伎として上演。その意欲作で展開されるのが、なんと、勘九郎が大好きだというプロレス技満載の喧嘩のシーン。小島の合言葉「いっちゃうぞ、バカヤロー!!」の雄叫びまで上げる。そんなことから実現した異色のツーショット。心から敬愛し、ずっと追いかけてきた選手との初対面に感激もひとしおの勘九郎が、『きらら浮世伝』の舞台裏、プロレスへの熱い思いを語った。

歌舞伎座『きらら浮世伝』中村勘九郎(蔦屋重三郎)が中村隼人(喜多川歌麿)へコブラツイスト(C)松竹

「中村屋の熱き魂、中村勘九郎選手の入場です〜!」のアナウンスで登場した勘九郎は、蔦屋重三郎の扮装。その後、自身の入場曲とともに現れた小島選手を前に恐縮しきりの様子で、「子供のころからずっと拝見しています」と、目をキラキラとさせる。「いや〜、嬉しい!」と身体をよじらせながら喜びを表現、「学生時代からずっと見させていただいておりまして、新日本時代、nWoからTEAM 2000、全日本プロレスに行かれたのも全部追いかけてきたので、本当に光栄でございます。劇中で勝手にやらせていただいて、ありがとうございます」と感謝の言葉を送る。小島も、「こんなに大きな劇場で、私が普段やっているプロレスのパフォーマンスを見せていただいて、本当に嬉しくて、全身の毛穴が開くくらい興奮しています」と満面の笑顔だ。

歌舞伎座『きらら浮世伝』を客席から観劇する小島聡選手(C)松竹

それにしても一体なぜ、歌舞伎の舞台でプロレスなのか──?
「まず蔦屋重三郎と鉄蔵(葛飾北斎)が喧嘩をし、その後蔦屋重三郎と喜多川歌麿が喧嘩をするシーンがありまして、立師は中村いてうですが、江戸の若者の立廻りをどうしようかと悩んだ末に、『プロレスを入れてみたのですが、どうでしょうか』となりまして。そこで “逆水平チョップ”の応酬があり、小島選手の『いっちゃうぞ、バカヤロー!!』を絶対に入れたいとアドリブでやってみたところ、ここにもプロレス好きがいて、皆一緒にやってくれまして、その場面が成立したんです」と語る勘九郎だが、歌麿役の中村隼人の反応は、「ポカーンとしていました(笑)」。

この日の公演では、小島選手のトレードマーク、黒のサポーターを外して投げるパフォーマンスも取り入れた。勘九郎は、「プロレス好きの(中村)橋之助が楽屋に来て、『いいんですか?サポーター、やらなくて』と言うので、『……そうだね』と。(歌舞伎座の)目の前の薬局でサポーターを買ってきて、やらせていただきました」。小島選手は、「このような歴史ある舞台で、私のパフォーマンスまでしていただいて、こんなに恐縮することはありません。34年間、プロレスをやっているのですが、一番嬉しかったくらいです。もともとすごくハンサムな方ですが、もう完璧で、かっこいいですね」と嬉しそうだ。

歌舞伎座『きらら浮世伝』中村勘九郎(蔦屋重三郎)が黒いサポーターを外して中村隼人(喜多川歌麿)へラリアット(C)松竹

プロレスシーンに盛り込まれた技の数々を、勘九郎はこう説明する。「最初、延髄斬りをしてからの、ジーンブラスターを止められて、ダブルクロスでノックアウト。で、次はチョップの応酬からのラリアットで最後はコブラツイスト。結構入っているんですよ」と、門外漢の記者には「?」な内容。プロレスへのオマージュたっぷりのこのシーンについて、小島選手も「めちゃめちゃ詳しすぎて、私もいま、ちょっとどうしていいか(笑)」と面食らっている様子。「こんなにお詳しいと思いませんでした。もう完璧、すぐにプロレスラーデビューできるくらい完璧な流れです」と太鼓判を押した。

『きらら浮世伝』囲み取材より左から)小島聡と中村勘九郎 (C)松竹

勘九郎のプロレス愛好歴は長く、その愛は深い。「橋之助のお父さまの芝翫のおじがプロレス好きで、三沢(光晴)選手と懇意にされていて、それがきっかけでした。全日本プロレスを観に行って、若い選手が試合をしている際に、ジャイアント馬場さんが外のブースでファンにサインをされている姿を見て、自分もこういう大人になりたい、自分が成長して年を重ねた時には、若手をサポートして、ファンの心を掴みたい、と思った。それが最初ですね。その後新日本プロレスを追いかけるようになり、先日も『1.4』、『1.5』(ともに東京ドーム)に両日とも行きました」と告白。『1.4』で中村獅童がスペシャルパフォーマーとして登場した際には、「ものすごく嫉妬しましたね。嘘でしょう!?と(笑)。いつかやりたいです」と告白した。

子供の頃はどちらかというと技をかけられてばかりだったという勘九郎。「うちの七之助は女方で本当に綺麗ですけれど、裏では本当に凶暴な男で──」と、リビングで寝そべってくつろぐ勘九郎めがけて、七之助がニー・ドロップで落ちてきた事件を振り返る。

もちろん、『きらら浮世伝』のアピールも忘れない。「 “質素倹約”を進める寛政の改革で政府から弾圧され、こういうエンターテインメントは不要不急だと言われる。その悔しさを爆発させる作品です。私たちもコロナ禍で不要不急とされ、プロレスもそうでしたね。本当に悔しい思いをしていたので、ぜひ、エンターテインメントを愛する人たちにも観ていただきたいなと思います」(勘九郎)。最後はふたりでともに「いっちゃうぞ、バカヤロー!!」を絶叫。プロレス技が登場する舞台は歌舞伎史上初、歴史に残る舞台だ。公演は2月25日(火) まで。

『きらら浮世伝』囲み取材より左から)小島聡と中村勘九郎 (C)松竹

<公演情報>
松竹創業百三十周年 「猿若祭二月大歌舞伎」

【昼の部】11:00〜
一、 鞘當
二、 醍醐の花見
三、きらら浮世伝

【夜の部】16:30〜
一、壇浦兜軍記 阿古屋
二、江島生島
三、人情噺文七元結

2025年2月2日(日)〜2月25日(火)
※休演:18日(火)
会場:東京・歌舞伎座

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2557191

公式サイト:
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/926

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