2月15日(土) 19:40
床暖房とホットカーペットの光熱費を比較する前に、床暖房の種類について確認しておきましょう。床暖房には大きく分けて「電気式」と「温水式」の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。
まず、電気式床暖房には熱源によって「電熱線式」「蓄熱式」「PTCヒーター式」があります。電気式は初期費用は比較的安く済む傾向にありますが、ランニングコストが高くなりやすいという特徴があります。
一方の温水式床暖房には「ガス式」「ヒートポンプ式」「灯油式」などの種類があり、電気式に比べて初期費用はかかるものの、ランニングコストはおさえやすいでしょう。特に、広い面積に設置するのであれば、温水式の方がコストメリットが大きくなります。
自宅の床暖房がどちらのタイプなのか、確認してみるとよいでしょう。
今回の事例では「床暖房をやめてホットカーペットにした場合、コストはどれくらい安くなるのか?」ということなので、電気式・温水式それぞれの床暖房にかかる光熱費と、ホットカーペットにかかる電気代を計算してみましょう。
あるメーカーの電気式床暖房と温水式床暖房の10畳間用を1日8時間使用した場合で計算すると、1時間あたりのコストは電気式床暖房(PTCヒーター式)が約35円、温水式床暖房(ヒートポンプ式)が約19円になります(電気料金単価は公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が目安としている31円/キロワットアワーを使用)。1ヶ月(30日)換算すると以下の通りです。
【電気式床暖房】
・床温30度の場合:約8400円/月
【温水式床暖房】
・床温30度の場合:約4500円/月
同じメーカーの3畳用ホットカーペットを「高」で使用した場合の1時間の標準電気料金は約14.3円なので、1日8時間使用した場合の1ヶ月の電気料金は約3400円になると想定でできます。
そのため、電気式床暖房と比較すると月に5000円ほど、温水式床暖房と比較すると月に1100円ほどコストをおさえられる可能性があります。ただし、ホットカーペットの方が暖められる面積が少ないため、ほかの暖房器具も併用する必要があるかもしれません。
床暖房とホットカーペットを費用面以外のポイントで比較してみましょう。
まず、床暖房は部屋全体をじんわりと暖めるのに適しています。一方、ホットカーペットは触れている部分は暖かくなりますが、部屋全体を暖めることはできません。そのため、ほかの暖房器具と併用することになると考えた方がよいでしょう。
また、安全性でいうと温水式床暖房は低温やけどの心配がありませんが、電気式床暖房やホットカーペットは設定温度に注意しなければ低温やけどを起こす可能性があります。特に、小さな子どもがいる家庭などでは気をつけなければなりません。
そのほか、ホットカーペットは床材を乾燥させたり変形・変色させたりする可能性があるため、長時間敷きっぱなしにしないなどの対策を考える必要があるでしょう。
「床暖房だと電気代が高くなるのでホットカーペットにしたい」と考える人もいるでしょう。
床暖房の種類にもよりますが、ホットカーペットにすることで1時間あたりの電気代が5~20円ほど安くなる場合もあるようです。ただし、ホットカーペットの方が暖められる面積が小さかったり、部屋全体を暖められなかったりするため、ほかの暖房器具を併用する必要があるかもしれません。
床暖房とホットカーペットのメリット・デメリットを踏まえたうえで、よく検討してみることをおすすめします。
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A Q カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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