2月13日(木) 17:00
独立行政法人日本学生支援機構の「令和4年度学生生活調査結果」によると、大学学部・昼間部における大学生への「家庭からの給付」の平均額は年間109万6900円です。月平均にすると9万1410円程度送金していることが分かります。そのため、仕送り額「月10万円」は、平均的な金額とほぼ変わらないといえるでしょう。
しかし、「家庭からの給付」には学費なども含まれている可能性があるため、生活費(仕送り額)だけではないと考えられます。また、居住形態や通っている大学の区分によっても、金額には大きな差があります。
同調査による、居住形態別の「家庭からの給付額」は表1の通りです。(かっこ内は、月額に換算したもの)
表1
国立 | 公立 | 私立 | 平均 | |
---|---|---|---|---|
自宅 |
53万2200円
(4万4350円) |
47万3500円
(約3万9460円) |
99万2000円
(約8万2670円) |
92万9000円
(約7万7420円) |
学寮 |
65万900円
(約5万4240円) |
89万2600円
(約7万4380円) |
130万9900円
(約10万9160円) |
115万300円
(約9万5860円) |
下宿・アパート・その他 |
106万7300円
(約8万8940円) |
88万7900円
(約7万3990円) |
157万2400円
(約13万1030円) |
136万6900円
(約11万3910円) |
平均 |
86万4200円
(約7万2020円) |
71万8000円
(約5万9830円) |
117万5200円
(約9万7930円) |
109万6900円
(約9万1410円) |
出典:独立行政法人日本学生支援機構「令和4年度学生生活調査結果」を基に筆者作成
表1の結果から、次のことが分かります。
●自宅から大学に通っている学生は「家庭からの給付」が平均よりも少ない
●自宅外で生活する私立大学の学生は、平均の給付額よりも多めにもらっている
●自宅外でも寮か下宿・アパートかによって給付額に差が出る
大学ごとにみても、「家庭からの給付」の平均が最大で約50万円変わるため、親からの送金額は家庭によって差があるでしょう。
同調査によると、大学学部(昼間部)に通う学生(下宿・アパートなどに居住)の「学生生活費」(学費と生活費の合計)の平均は、年間で212万4000円です。そのうち、学費平均が105万2000円、生活費平均が107万2000円です。
上記より、1ヶ月あたりの平均生活費は約8万9330円となります。この数値だけみると、月10万円の仕送りで生活できるといえます。しかし、一人暮らしをする地域などによっても家賃や物価などが異なるため、実際にかかっている生活費を確認することが重要でしょう。
生活費が不足している大学生は仕送り以外に、アルバイトや奨学金で生活費を補っていると考えられます。同調査によると、学生のアルバイト収入の平均額は、年間37万5900円で月に換算すると約3万円です。
そのため、奨学金を借りずに、仕送りとアルバイト代で大学生活を送っている場合は、少し生活に余裕がない方もいるかもしれません。また、アルバイトもしていないとなると、さらに生活が苦しい場合も考えられるでしょう。
大学生への「家庭からの給付」の平均額は年間109万6900円、月9万円程度です。そのため、月「10万円」の仕送りは平均より1万円ほど多い金額になります。とはいえ、「家庭からの給付」には学費なども含まれる可能性があるため、一概に毎月9万円の生活費を渡されているとは限らないでしょう。
あわせて、下宿やアパートなどに居住している大学生の生活費の平均は月に約8万9330円です。仕送り10万円で足りると考えられますが、居住している地域の家賃や物価によって生活費が異なる可能性もあるでしょう。
また、部活やサークルに入っている学生は、平均よりも費用がかさむ可能性もあります。部費や遠征費などが必要になる場合があるためです。費用は月数千円、場合によっては1万円以上かかることもあるかもしれません。
そのため、「仕送りの額を増やしてほしい」と子どもに言われた場合は、現在の収入と支出を確認して、本当に必要な額についてしっかり話し合うとよいでしょう。
独立行政法人日本学生支援機構 令和4年度学生生活調査結果 3.居住形態別の学生生活費(7ページ)、4.学生の収入状況(8ページ)、IV.集計表 1-1表 居住形態別・収入平均額及び学生生活費の内訳(大学学部・昼間部)(49ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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