サッカー日本代表を進化させたドリブラーベスト5 「なぜ取られない」「緩急が独特すぎる」

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サッカー日本代表を進化させたドリブラーベスト5 「なぜ取られない」「緩急が独特すぎる」

2月11日(火) 22:10

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元サッカー日本代表のレジェンド・水沼貴史氏が選ぶ「シン・ドリブラーランキング」。後編のベスト5は現役の代表選手たちが登場。現在の日本人ナンバーワンドリブラーは誰だ?

前編「Jリーグで輝く! ドリブラーランキング6位~10位」>>

レアル・ソシエダの久保建英(左)とブライトンの三笘薫(右)photo by Getty Images

レアル・ソシエダの久保建英(左)とブライトンの三笘薫(右)photo by Getty Images



【動画で見る】水沼貴史が選ぶ『日本人シン・ドリブラー10選』↓↓↓

5位斉藤光毅(クイーンズ・パーク・レンジャーズ)

斉藤はU-16日本代表の頃から見てきましたが、独特なステップから緩急でえぐっていくタイプのドリブラーですよね。カットインからのシュートというより、縦にえぐっていく突破力が魅力で、ゴールラインの深いところまで入って、さらにラインを平行に使うのがうまいんですよ。

縦に仕掛けて、そこからもう一回ゴールラインに沿って中に入って、味方に合わせてアシストしたり、角度のないところからシュートもできてフィニッシュがうまい。今はウイングをやることが多いけど、トップやシャドーをやっていた時は、相手の背後を取るものうまかったんですよ。

ドリブラーで、なおかつ相手の背後も取れるというのが一番魅力的なんです。突破する手段としては、まず相手の背後を取ってパスを受けるのが一番いいわけで、それができない時にワイドに開いてボールを受けてドリブルで仕掛ける。このふたつができるのが斉藤光毅だと思います。

4位中村敬斗(スタッド・ランス)

彼は一度インタビューをしたことがあるんですけど、本来はドリブラーではないらしいですね。でもなんでドリブルがいいのかというと、ゴールに近づくためには何をしたらいいかを逆算しているんですよ。

相手がいるなら、そこをドリブルでかわしていなかければいけないと考えが変わっていったのだと思います。彼はとにかくシュートがうまいので、その自分のテクニックを生かすための判断や逆算ができる選手ですよね。

彼のドリブルはステップを細かく踏めて、そのなかでボールも細かく触りながらシュートまで持ち込める。ただ強引にゴールに迫るというより、ある程度視野を持ちながらやれるのも特長で、スタッド・ランスでどんどん成長していますね。

また、日本代表で三笘薫のようなライバルを追い越していくためには、やっぱりゴールやチャンスクリエイトが必要だし、そこで結果を出すためにドリブルを有効活用している。それが中村だなと思います。

3位堂安律(フライブルク)

堂安もドリブラーと言っていいのかというほど、プレーの幅の広がった選手だと思いますが、ドリブルも武器のひとつだと思います。以前よりもドリブルでこねるような時間は少なくなりましたよね。

フライブルクではあまり仕掛ける選手がいなくて、右サイドの堂安の仕掛けというのは主な戦術になっています。ボールロストはしないし、ドリブルを使いながら味方にボールを渡してさらにゴール前に入っていける。

パスを出して終わりではない選手になってきているので、ゴール前に顔を出すシーンも多くなっていると思います。ドリブルをうまく活用しているタイプではありますが、"ドリブラー" と呼んでいいのかはちょっと迷うところ。でも彼にとってドリブルというのも欠かせない要素だと思うので、3位に選びました。

2位久保建英(レアル・ソシエダ)

久保のドリブルですごいのは、体が立っているので前傾姿勢にならない。いろんなことが見えながらドリブルができるところですね。彼のドリブルがなぜあれだけ取られないかというと、それに加えてタッチが細かく、ステップワークが速い。そこからクロスやシュートができる。

最終的な局面で何をするかの部分で、どうやって相手をかわして、どうやってシュートをするかというのがほぼ備わっていて、なおかつ判断もプレースピードも速い。

そのなかで一番すごいなと思うのは、ドリブルをしているそのままのステップでシュートモーションに入るところ。つまりシュートを打つために足を振り上げるといったモーションがないんですよ。

だから、ちょっとした隙や時間があればシュートが打てる。ただ、あれだけ小さな振りで、あれだけ強いシュートが打てるのは普通ではない。それにアイデアもあるし、視野もある。ちょっと他の選手とは備わっているものが違うなと感じる選手ですね。

1位三笘薫(ブライトン)

三笘薫を最初に見たのはコロナ禍でしたよね。その時のインパクトは半端じゃなかった。ハーフウェーラインくらいからボールを持って、ドリブルで一気にゴール前に持っていくとか、最後の3分の1だけじゃない推進力。あれは強烈でしたね。

プレミアリーグに渡って、今季日本人最多ゴール記録を抜き、ゴールという結果を取りつつ、アシストもできる。さらに守備力もつけてきていて、凄まじい成長度だと思います。

彼のドリブルの緩急も独特すぎますよね。ボールを運びながら相手の重心をずらして一回で抜き去ることができる初速の爆発力は、相当なパワーがあります。

ただ、彼のドリブルの映像を見て、理屈はいくらでもつけやすいと思うんですけど、本当に止められない理由は理屈じゃないと思うんですよね。その理由は実際に対峙して抜かれてみないとわからない。でもサッカーはその理屈じゃないところが面白いと思います。

三笘のような日本人のドリブラーがプレミアリーグでこれだけ活躍できる時代が来るなんて想像もしていなかったし、プレミアに日本人がいること自体も想像はしていなかった。だけどそれが日本のサッカーの進化だし、さまざまな方の尽力があってレベルアップした結果だと思います。

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