2月6日(木) 18:40
お風呂の残り湯は、使用状態によっても異なりますが、一般家庭では約180リットルとされています。この半分を洗濯に利用すると約90リットルの節水が可能です。
1リットル当たりの単価を0.24円とし、毎日残り湯を使用したとすると、毎月約650円の節約となります。
・90リットル×0.24円/リットル×30日≒650円
これを1年間続けると650円×12ヶ月で、年間約7800円もの節約が可能です。
残り湯の細菌数は入浴する人数や、お湯を放置した時間によって異なります。表1は風呂水中の細菌数を表したものです。
表1
入浴人数 | 入浴前 | 入浴直後 | 一晩放置後 |
---|---|---|---|
2名 | 40 | 110 | 25万 |
3名 | 40 | 360 | 29万 |
5名 | 80 | 2700 | 120万 |
出典:株式会社衛生微生物研究センター「風呂水中の細菌数」を基に筆者作成
表1の数値は一例であり、以下の要因により細菌の増殖は変動します。
●入浴後の風呂水の温度変化
●体に付着していた汚れの量
特に夏場の室温が高い状態では、上記のような増加傾向が顕著になります。
1ミリリットルあたり細菌の数を見てみると、お湯を張った直後は、数十個程度ですが、入浴直後になると数百個から数千個に増加することが分かります。さらに、一晩放置すると、細菌数が25万〜120万個にまで急増します。
残り湯の細菌は人の身体に由来するものであることから、病気の心配はいりません。しかし、衛生面の観点から、残り湯を長時間放置することは好ましくないといえるでしょう。残り湯を使用する際は、その日のうちに使用することが大切です。
洗濯の本来の目的は、汚れの除去であることから、必ずしも完全な除菌を求めるものではありません。そのため、細菌の数を過剰に心配する必要はないといえるでしょう。ただし、洗濯後の衣類に大量の細菌が残ったまま乾燥が不十分の状態だと、生乾き臭の原因となります。
残り湯には菌が多く含まれる傾向が高いといえますが、洗剤を使用する「洗い」の工程では、残り湯を使用して問題ないでしょう。一方で「すすぎ」の工程では、残り湯ではなく水道水を使用することを推奨します。水道水を使うことで、衣類に残る細菌を減らし、生乾き臭を軽減できるでしょう。
お風呂の残り湯を長時間放置すると、細菌の数が急増するため、その日のうちに使用することをおすすめします。残り湯で洗濯した場合にタオルがにおうのは、急増した細菌が関係しているかもしれません。
基本的に細菌が人体に影響を与える心配はないとされていますが、残り湯は「洗い」の工程で使用し、「すすぎ」では水道水を使用することで、衛生面の不安を軽減できるでしょう。
ただし、お風呂の残り湯を洗濯で使うと、コストダウンにつながる可能性もあります。今回の条件下では年間で約7800円の節約につなげられるため、正しい方法で効果的に活用することが大切です。
東京都水道局よくある質問節水について
株式会社衛生微生物研究センターお風呂の残り湯は使ってもよい?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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