山奥で看板を掲げるだけで“時給1万円”の謎バイト。歯の少ない老人に「車に乗れ」と言われ…――仰天ニュース傑作選

山奥で看板を掲げるだけで“時給1万円”の謎バイト。歯の少ない老人に「車に乗れ」と言われ…――仰天ニュース傑作選

2月1日(土) 23:45

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世の中に数多存在する“怪しげなアルバイト”。それらは得てして求人サイトには掲載されず、人づてに紹介されるケースが多いはずだ。だからこそなのか、一般常識が通用しない世界に足を踏み入れることにもなる。今回は、特殊なアルバイトを経験した2名に当時の特殊な労働環境を振り返ってもらった。(※初公開2024年3月29日記事は取材時の状況)

「まともなバイトじゃない」という前提だった

倉田荘太さん(仮名・30代)は、20代前半のときに高校の同級生から奇妙なアルバイトに誘われた。

「最初から怪しかったんだよね。 『金は良いけど、正直まともなバイトじゃない』 って言われたし。それで1人はちょっと怖いなと思って、友達を誘ってやることにしたんだ」

早朝、集合場所に指定されていたコインパーキングに着くと、歯がまばらにしかない老人に声を掛けられた。「車に乗れ」と言われ、倉田さんと友人がハイエースに乗り込むと、同じくバイトとして参加していた他のメンバーの姿もあった。

「車に乗ったら、 携帯電話を没収された上で目隠しされたんだよね。 『拉致ったりしないから安心して』とも聞いていたけど、正直かなりビビった。2時間くらいそのままだったのかな……急に車が止まって」

仕事内容は「矢印が書いてある看板を掲げる」だけ

降りてみると、そこは山奥の獣道。手配役の老人から、持ち手付きの大きな看板とトランシーバーを渡される。看板に書かれているのは赤い矢印だけだった。

「これは何なのか聞いてみたけど、 『いいから言われた通りにやれ。2度と聞くな』 ってすごまれてさ。T字路で、山奥の方に矢印が向くようにして立ってろって。そこに立つのは自分1人だけで、友達は車でまた別の場所に連れて行かれた」

すると、なぜかその場所には頻繁にワゴン車が通過していく。運転手にはある共通点があったという。

「どの運転手も帽子にマスク姿だった。コロナが流行るだいぶ前のことだったし、異様な感じがしたな。それで、やってくる車は山奥に入って行くんだけど、行く時は何人も乗ってるのに、 戻ってくる時には運転手だけでさ。 そんな感じで何台も何台も行き来してた」

そうして看板を掲げていると、トランシーバーで連絡が入ってくる。

『看板下ろせ!』 って怒鳴られるんだよ。それで、すぐに下ろすんだけど、別に警察の車とかが来るわけでもなくて、何で下ろしたのかよくわからなかった。結局、3〜4時間だったかな? それだけで3万ももらえた。 相当金の良いバイトだったけど、何のためにやったのかは一切教えてもらえなかった。 いまだに何かヤバイことをやらされてたんじゃないかって怖くなる時があるんだよね

「留守番をするだけ」のバイトをやることに

もう1つはさらに謎の多い話だ。高坂正弘さん(仮名・40代)は、学生時代によく通っていたバーで常連のお客さんに不思議な勧誘を受けたそうだ。

「その常連さんは不動産関連の仕事をしている人だったんですけど、 なんでも知り合いの家でただ留守番をするだけで良いという話でした。 楽でいいなと思ってやることにしたんですが、事前にいくつか変なことを言われて。『物音は出さないように』とか『窓や玄関のドアは開けないように』とか言われて」

バイトの当日、行くことになった家は何の変哲もないごく普通の2階建ての一軒家。普段は誰かが住んでいることを思わせる生活感があったが、誰もいない状態だったという。

「夏の暑い日で、アイスコーヒーを飲みながら持ってきていた本を読んで過ごすことに。ふと気になって窓の方を見てみると、 誰かが家の外で窓のすぐそばに立っていることに気づきました

その人物は微動だにしない。高坂さんは興味本位で近づいてみることにした。

「薄いレースのカーテン越しに、 年齢も性別もよくわからない細い人物がいて、カッと見開いた目で家の中をじっと見つめているんです

怖くなり、奥の部屋に引っ込むことにしたが……。

「でも、どうしても気になるんです。やっぱりリビングに戻って窓の方を見ると、 その人物は変わらず微動だにせずに、窓の外に立っていました。 あまりにも動かないのが不気味で。怖くなって、奥の部屋に戻ったんですが、再度気になって戻る。その繰り返しでした」

家主はなぜか終始ニコニコしていた

その人物はただ立っているだけなのだが、異様なのは何時間もそこに居続けていることだった。

「別に何をしてくるわけでもないんですが、あまりにも動かないのが怖くて。それに真夏の暑い日なのに、 汗ひとつかかずにそこにいて……。 気づいてから、ずっと鳥肌が立ちっぱなしの状態でした」

バイトを終えて、家主と話した時にも気になることがあったという。

「旦那さんの方と話したんですが、終始ニコニコしていたんですよね。例の窓の外にいたやつの話をしたら色々とされて……そいつのことを知っているみたいで。『その人とは目が合いましたか?』と聞かれたので、『合ったと思いますけど』と答えたんですが、 その時が一番うれしそうな顔をしていたんです

自宅でも頻繁に怪異が起こるようになり…

それから高坂さんは、あることに悩まされるようになる。

「一人暮らしをしていたマンションにいると、窓のほうが気になって仕方なくなって……。ある日、前日に遅くまで飲んでいたかなんかで、昼過ぎまで寝ていたことがあったんです。で、 起きた時にふと窓の方を見たら、細い何かがいたんです。 その後のことは覚えておらず、 気づくと夜で暗い部屋の中で、ベッドではなく床の上に倒れていました。 バイトの時に見たやつよりももっと細くて、人なのかどうかもわかりませんでした」

それから、 たびたび同じようなことが起きるようになった。 窓の外に普通ではありえないほど細い人物が立つようになり、気絶したような状態で目が覚める。そんなことを繰り返すうちに、心底恐ろしくなった高坂さんは、お盆の頃を予定していた実家への帰省を早めることにした。

「神様とかそういうのはまるで信じないタイプだったんですが、 実家の仏壇に手を合わせたり、お墓参りに行ったり、神社でお参りしたり、そういうことを何度もやりました

その後マンションに戻ったところ、もう窓は気にならなくなり、変なものを見ることもなくなった。報酬は高額だったが、とてもわりに合わないバイトだったという。

<TEXT/和泉太郎>

【和泉太郎】
込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め

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