遠藤航がチャンピオンズリーグ(CL)で初のフル出場 日本人選手8人に16強入りのチャンス

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遠藤航がチャンピオンズリーグ(CL)で初のフル出場 日本人選手8人に16強入りのチャンス

1月30日(木) 9:05

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リバプール、バルセロナに続き、ベスト16にストレートインする8チームはどこか。プレーオフ進出を果たす16チーム(9~24位)はどこか。そして日本人選手が所属するチームはどうなるか。チャンピオンズリーグ(CL)リーグフェーズ最終第8節。注目は大きく上記の3点に絞られた。

チャンピオンズリーグPSV戦にフル出場した遠藤航(リバプール) photo by ANP Photo/AFLO

チャンピオンズリーグPSV戦にフル出場した遠藤航(リバプール) photo by ANP Photo/AFLO



第7節を終わって25位とプレーオフ圏内からはみ出していたマンチェスター・シティは、ホームで20位のクラブ・ブルージュと対戦した。勝利が義務づけられている一昨季の覇者、マンチェスター・シティだが、前半終了間際、ブルージュにカウンターを食い先制点を奪われる、絶体絶命のピンチに陥った。

それでも後半の45分間で3ゴールを奪って逆転勝利を収めたマンチェスター・シティは、リーグフェーズ22位となり、無事、プレーオフ進出を決めた。薄氷を踏む勝利ではあるものの、CLはこれからが本番だ。2月以降の調子がものを言う。国内リーグでは首位リバプールと勝ち点12差の4位に沈むがマンチェスター・シティだが、結果的にタイトルをCL一本に照準を絞ることができる分だけ楽、という見方もできる。

ベスト16にストレートインを決めた上位8チームは以下の通りだ。

1)リバプール、2)バルセロナ、3)アーセナル、4)インテル、5)アトレティコ・マドリード、6)レバークーゼン、7)リール、8)アストン・ビラ

また、プレーオフ進出を決めたチームは以下の16チームになる。

9)アタランタ、10)ドルトムント、11)レアル・マドリード、12)バイエルン、13)ミラン、14)PSV、15)パリ・サンジェルマン、16)ベンフィカ、17)モナコ、18)ブレスト、19)フェイエノールト、20)ユベントス、21)セルティック、22)マンチェスター・シティ、23位)スポルティング、24位)クラブ・ブルージュ

大きな番狂わせはなかった。上位候補と目されたチームは、順当に24位以内に収まった。

ブックメーカー、ウィリアムヒルなどの優勝予想は、1)リバプール、2)レアル・マドリード、3)バルセロナ、アーセナル、5)バイエルン、6)マンチェスター・シティ、7)インテル、8)PSG、9)アトレティコ・マドリード、10)レバークーゼンの順で並ぶ。本命の座から6番手に人気を落としたマンチェスター・シティに、逆に筆者は博打的な妙味を感じるのだが。

【"これぞ旗手"と言うべき抜け目ない動き】

それはともかく、リーグフェーズで敗退となった日本人選手は川村拓夢(ザルツブルク)とチェイス・アンリ(シュツットガルト)だった。ケガで戦列を離れている冨安健洋(アーセナル)と伊藤洋輝(バイエルン)を含めると、今冬の移籍がない限り、プレーオフ以降の戦いには8人の日本人選手が進むことになる。

この最終第8節。先発を飾ったのは旗手怜央(セルティック)、遠藤航(リバプール)、南野拓実(モナコ)で、交代出場は上田綺世(フェイエノールト)、川村、チェイス・アンリだった。

故障でベンチ外の冨安と伊藤以外では、前田大然(セルティック)は前節の退場処分で出場停止。守田英正(スポルティング)はベンチ入りしたものの出場機会はなかった。

活躍選手をあえて挙げるなら、アストン・ビラ戦にインサイドハーフとして先発し、83分間プレーした旗手だろう。

セルティックが0-2から1-2へと1点差に追い上げた直後の前半38分だった。右サイドで、MFカラム・マクレガー(スコットランド代表)がMFアルネ・エンゲルス(ベルギー代表)にパスを送った瞬間、旗手は3人目の動きをしてアストン・ビラの最終ラインの裏に走った。そこにエンゲルスからクイックパスが送られてきた。

旗手は中央をよく見ながら、グラウンダーのクロスを流し込んだ。これぞ旗手と言うべき抜け目のない動きで、同点弾となるアダム・アイダ(アイルランド代表)のゴールをアシストした。

旗手同様、先発を飾った南野は、インテル相手に68分間プレーした。だが、前半早々、自軍に退場者が出て10人での戦いを強いられたのが痛かった。守備に追われ、これといった見せ場を作ることはできなかった。

【貴重な経験を積んだ川村】一方、遠藤は日本人選手で唯一、フルタイム出場を果たした。PSV戦のリバプールは、すでにベスト16へのストレートインを決めていたこともあり、メンバーを大きく入れ替えて臨んだ。遠藤はその恩恵にあずかった格好だ。

国内のカップ戦以外では今季初スタメン。今冬での移籍はあるのか。その背景を探りたくなるが、この試合では、2-1とリードした状況から同点弾を浴びるプレーに関与することになった。前半終了間際の45分、こぼれたボールを処理しようと、駆け寄ったときだった。その進路を主審にふさがれて体勢を崩してしまう。確保できたはずのボールをヨエイ・フェールマン(オランダ代表)に奪われ、イスマエル・サイバリ(モロッコ代表)の同点ゴールにつながるアシストを許してしまったのだ。

遠藤は後半の途中からCBにコンバートされた。178センチと、けっして大柄ではない日本人選手がCBを務める姿、新鮮に映る。日本代表にも十分に活かせるアイデアだと見た。

森保ジャパンでは遠藤以上に存在感を発揮している守田は、25日の国内リーグ、ナシオナル戦で負ったケガの影響だろうか、ベンチ入りしながら出場には至らなかった。昨年10月の日本代表戦以降、守田はコンスタントにプレーすることができていない。

遠藤も心配だが、守田も心配になってきた。現在29歳。W杯本大会時には31歳になっている。年齢を考えれば欧州市場における上りの階段はそろそろ終わろうとしている。栄転を図ろうとするなら今季が最後のチャンスと言っても過言ではない。ここは欧州に向けアピールしておきたかったはずである。

スポルティングは終盤までボローニャに0-1でリードされる展開だった。このまま終わればプレーオフ圏外の25位以下に沈む。同点弾が生まれたのは後半33分で、チームを救ったのは19歳のデンマーク人ストライカー、コンラッド・ハーダーだった。守田にとっても喜ばしい一撃となった。

守田はプレーオフ(2月)に間に合うのか。日本代表の中心選手でもあるだけに注視したい。

ザルツブルクの川村は、ケガで大きく出遅れたが、CLにはパリ・サンジェルマン戦、レアル・マドリード戦、そしてこの日のアトレティコ・マドリード戦と、ここにきて3戦連続出場を果たしている。出場時間も試合毎に延ばしている。アトレティコ戦は後半13分というタイミングでの出場だった。結果は1-4。チームはリーグフェーズで敗退したが、川村は落ち着いたプレーを見せた。

欧州1年目の川村にとって、貴重な経験となったはずだ。3月に行なわれるW杯アジア3次予選(バーレーン戦、サウジアラビア戦)で、日本代表に復帰する可能性は高まったと見る。

プレーオフの抽選が行なわれるのは、現地時間1月31日の20時。有力チーム同士の対戦はあるのか。レアル・マドリード、マンチェスター・シティと対戦するのはどこなのか。CLはここから佳境に入る。楽しみである。

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