12月28日(土) 17:20
マイナンバーカードは、2016年1月に交付が開始された、個人番号(マイナンバー)を基にした顔写真付きの身分証明書です。
このカードを使えば、転出届の提出や児童手当の申請などさまざまな行政手続きがオンラインで行えるほか、住民票や印鑑証明の取得もコンビニでできます。
このマイナンバーカードを健康保険証として利用できるように登録したものが「マイナ保険証」で、2021年10月から本格運用が開始されています。
これまでは、現行の健康保険証も従来通り発行されていて、必ずしもマイナ保険証を使う必要はありませんでした。
しかし2024年12月2日以降、現行の健康保険証の新規発行がなくなり、現在使えている健康保険証の有効期限は最長で2025年12月1日までとなります。それ以降は使うことができなくなるため、それまでにマイナ保険証に移行することが推奨されています。
有効期限内にマイナ保険証に移行していない場合は、事前に「資格確認書」が交付されます。「資格確認書」でも医療機関での診療や薬局での処方など基本的な医療サービスはこれまで通り受けられます。
資格確認書の有効期限は、5年以内で保険者が設定することになっています。
では、マイナ保険証を使うメリットは何でしょうか。厚生労働省で案内されているメリットのうち、主な3つを紹介します。
マイナ保険証には、これまで受診した医療機関での診療情報が登録されています。
マイナ保険証を使って医療機関を受診する場合、受付時に「過去の医療情報の提供」に同意するかどうかを選択できます。同意すると、これら過去の医療情報を医師などが確認できるようになるため、本人がこれまでの病歴などを細かく伝える必要がなくなります。
例えば、引越しなどで初めての医療機関を受診する際も、過去のかかりつけ医での情報をより正確に伝えられ、よりより医療を受けることが可能になります。
また、40歳以上の場合は検診履歴や結果についても、医師に情報を提供するか選択できます。さらに、マイナ保険証には過去に処方された薬の情報も登録されるため、お薬手帳を持ち歩く必要もありません。
1ヶ月間にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額を超えた分が後から払い戻される制度があります。
従来は限度額適用認定書制度を利用しない場合、いったん自分で支払ったあとに申請をする必要がありました。しかしマイナ保険証を利用すると、医療機関での受付時に「高度医療費制度を利用する」と選択するだけ。一定の金額を超える自己負担額は支払う必要がなく、事後の申請も不要です。
年間で医療費が一定額を超えた場合に受けられる医療費控除についても、従来は領収書を保管しておく必要がありました。
一方、マイナ保険証では医療費や薬剤費の情報が自動集計され、マイナポータルでいつでも確認できます。そのため、マイナポータルとe-Taxを連携して確定申告を行えば、医療費の領収書を保管しておく必要がなくなります。
マイナンバーカードをすでに持っている人は、次の3つの方法で簡単に「マイナ保険証」として登録・利用できます。
●医療機関や薬局の受付に設置された、顔認証付きカードリーダーから申請
●マイナポータルにログインしてオンライン申請
●セブン銀行のATMから申請(利用者証明用パスワードが必要)
マイナンバーカードを持っていない人は、まずはマイナンバーカードの申請が必要です。申請から発行まで時間がかかることもあるため、マイナ保険証を利用したい場合は早めに申請しましょう。
マイナ保険証を使用する場合は、医療機関の受付でカードリーダーに差し込み、顔認証か暗証番号で本人確認をするだけで終わりです。
2024年12月2日以降、健康保険証はマイナ保険証へと一本化され、切り替えが推奨されています。マイナ保険証を利用することで、過去の診療情報を医師が確認でき、より適切な医療サービスが受けやすくなります。
また、高額療養費制度の手続き簡略化や、医療費控除での領収書保管が不要になるなど、利便性も向上します。早めにマイナ保険証へ移行し、スムーズな医療手続きと安心の医療サービスが受けられる環境を整えておきましょう。
厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用について
厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用のメリット
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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