12月26日(木) 17:20
国は原油価格高騰による消費者の負担を低減するために、2022年からガソリン価格緩和措置をとっており、現在まで続いています。2024年12月1日時点の緩和措置の具体的な内容は、ガソリンの全国平均価格を指標として、1リットルあたり185円を超える分については全額補助、168円から185円以下の部分に対しては、60%を補助金として支給するというものです。
例えば、補助がないときのガソリン代が190円だった場合、1リットルあたり15.2円が補助金の支給額となります。計算式は次の通りです。
(190円-185円)×100%+(185円-168円)×60%=15.2円
この補助金は直接ガソリン代から差し引かれるのではなく、石油元売り会社に補助金が支給されます。その結果、ガソリンスタンドなどへの卸売価格が抑制され、最終的にガソリン代の抑制につながっています。
2024年12月からガソリン価格緩和措置を段階的に縮小していくことが、11月の「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」の中で閣議決定されました。
具体的には、先ほど紹介した現在の緩和措置の内容が次の通り変更されます。
・12月19日から1月15日までは、168円から185円以下の部分に対する補助率を30%とする。
・1月16日からは、同補助率を0%とする。
先ほどと同じく、補助がないときのガソリン代が190円だった場合で計算すると次の通りです。
・12月19日から1月15日まで:(190円-185円)×100%+(185円-168円)×30%=10.1円
・1月16日から:(190円-185円)×100%+(185円-168円)×0%=5.0円
また、185円を超える部分に対する補助率が現在100%となっていますが、今後はこちらも段階的に見直されることになっています。月の価格変動が1リットルあたり5円程度となるよう、原則として月に3分の1ずつ見直される見込みです。
ガソリン価格緩和措置が縮小されることで、一般的な家庭ではどの程度ガソリン代に影響するのでしょうか。以下の条件で影響額を計算してみましょう。
(条件)
・車種:フィットe:HEV HOME
・燃費:1リットルあたり29.0キロメートル
・1ヶ月あたりの走行距離:362キロメートル
12月19日から1月15日まで:362キロメートル÷29.0キロメートル/リットル×(15.2円-10.1円)≒64円
1月16日から:362キロメートル÷29.0キロメートル/リットル×(15.2円-5.0円)≒127円
車種や燃費性能、走行距離などによって変わりますが、今回のケースでは12月19日から1月15日までは1ヶ月あたり約64円、1月16日からは約127円の影響があります。
2024年12月からガソリン価格緩和措置が縮小され、車種や燃費性能にもよりますが、1ヶ月あたり約64~127円、段階的にガソリン代が増えていく見込みです。
車をよく利用する人はその分影響額も大きくなりますので、家計の状況に合わせて車の使い方を見直し、ガソリン代を節約できると良いですね。
経済産業省消費エネルギー庁 コロナにおける燃料油価格激変緩和対策事業の発動について
経済産業省消費エネルギー庁 燃料油価格激変緩和対策事業について
本田技研工業株式会社 FIT主要諸元
一般社団法人日本自動車工業会 2023年度乗用車市場動向調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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