Ken Okuyama Carsのモデルが一堂に集う|KEN OKUYAMA CARS REUNION 2024

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Ken Okuyama Carsのモデルが一堂に集う|KEN OKUYAMA CARS REUNION 2024

12月21日(土) 3:11

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早朝、代官山蔦屋書店のパーキングエリア。その一角は寒空の下にも関わらず不思議な熱気に溢れていた。そう、Ken Okuyama Cars Reunion 2024と称すシークレットイベントが開催されていたのだ。ライトウェイトモデルのKode9から、Kode57、Kode61という大排気量モデルまでの計8台が整然と並ぶ姿はなかなかの圧巻であった。

【画像】Ken Okuyama Carsのオーナーだけが参加できるシークレット・オーナーズ・ミーティング(写真7点)


奥山清行率いるKenOkuyamaCarsの起源は2007年に遡るが、高いクオリティを追求できる生産体制作りへの試行錯誤を経て、ひと通りの結論を出したのが2013年のことだ。同年には3台を東京モーターショーへ出展し、そのスポーツカー創りの理念を広くアピールすることとなった。スポーツカーの少量生産を可能とするサプライチェーンが存在しない日本において、その体制作りの確立は茨の道であった。しかし今やKenOkuyamaCarsはペブルビーチ・コンクール・デレガンスの常連であり、世界最古の自動車コンクール・デレガンスであるイタリアのコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステにも正式招待されるほどの存在感を持つまでになっている。日本唯一のカロッツェリア(コーチビルダー)としてコンスタントにデリバリーを進めているのだ。

「今までの苦労も吹き飛びます。まさに自分の”子供達”を前に、車作りをやってきて良かったと思いました。そして、なによりそれを応援してくれたオーナーの皆さんの情熱あってのことと、深く御礼申し上げます」奥山のスピーチでミーティングはスタートした。

このKen Okuyama Cars ReunionはKen Okuyama Carsのオーナーだけが参加できるオーナーズ・ミーティングであり、皆が車を愛でながら語り合うという素敵な空間だ。こういったオーダーメイドの少量生産モデルであるから、二台と同じ車両は存在しない。今回、3台が集結したKode57はバルケッタ、ベルリネッタという2つのボディ形状があるし、左ハンドル・右ハンドル、2ペダル・マニュアルシフト、など内外装のカラーリングだけでなく多くの異なった仕様を見比べることができる。

はじまりはKode7
Ken Okuyama Carsのヒストリーはサイクルフェンダーを持つライトウェイトモデルのKode7でスタートした。フォーミュラカーのようなスタイリッシュなバルケッタはエンジンをミッドに搭載し機敏な運動性能を誇る。その進化形たるKode9のクーペとスパイダー計3台が今回のミーティングに参加している。パールホワイトの美しいクーペは、前述の東京モーターショーに展示されたプロトタイプの個体そのもの。いずれにしても量産モデルでは見ることのできない大胆なスタイリングが魅力の”小さな宝”だ。Kode9スパイダーは、高回転指向のツインカムエンジンとスーパーチャージャーでチューンしたライトウェイトマシン。公式の”ガルフカラー”が映える。

前述のKode57は2016年モントレーカーウィークの「ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング」にてデビューを飾った。”57”とはレースシーンが世界的に盛りあがり、不朽の名車が多く誕生したアイコニック・イヤーである1957年へのオマージュであり、「現代に蘇った57フェラーリ250TR」と奥山は語る。このKode57から顧客のニーズに応えて大排気量パワートレインの採用へと方向性をシフトした。

フロントミドに6リッターの自然吸気V12エンジンを搭載し、トランスアクスル・レイアウトをもつ。複数のボディバリエーションを持つKode57であるが、特徴的なポンツーンフェンダーや、前後の造形がボディ中央で交錯するメインテーマの輝きはいつ見ても新鮮だ。開発から数えれば既に10年を超えているにも関わらず、Kode57の佇まいは、全く時間の経過を感じさせない。

これは今回のミーティング参加オーナーが口をそろえて力説するポイントでもある。奥山のデザインのテーマである”Modern、Simple、Timeless”がそこにあるのだ。

最新モデル、Kode61
内外装もほぼ同じ仕様の2台が並ぶのはKode61 Birdcage。バードケージのサブネームが付くことからも解るように、1961年製マセラティバードケージTipo61へのオマージュたるKen Okuyama Cars の最新モデルだ。

そもそも奥山はピニンファリーナ在籍時の2005年、マセラティとピニンファリーナのコラボレーションモデルであるバードケージ75thを手掛けていることもあり、最新の技術を用いてこのテーマを完成させたいという想いを持っていたこともKode61誕生の大きな要因だ。ちなみに、このモデルを現行マセラティMC20が、オマージュしているというのも興味深い。今年のコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステにおいても、コンパクトなボディを自然吸気V12とマニュアルシフトで楽しめるというコンセプトも含めて、Kode61は大人気であったようだ。

「こういう集まりを待っていたんですよ。オーナーのみなさんと話したり、車を走らせたり。車も一台だけで居たら寂しがるからね(笑)」とはKode57 のオーナーW氏。Kode7 、Kode9のオーナーでもある熱心なサポーターだ。氏のKode57はバルケッタボディを持つ初期仕様であるが、眺めるだけでなくガンガンと長距離ランも楽しまれる。そこで早速、Ken Okuyama Cars のスタッフと(屋根付きの)ベルリネッタ仕様へのアップデートのハナシで盛り上がっている。小回りの利く小規模カロッツェリアだからこその興味深いフォローである。

来年にはニューモデル発表も
「2025年のペブルビーチでニューモデルを発表します。今回はより走りに拘ります。日常使用でもストレスない仕様で、発注して頂くプロセスも解りやすいものにするための改革も進めています」と奥山。

次回の開催を約束しつつ、参加車両達は神宮外苑のいちょう並木を目指してパレードランへと向かう。先導するのは奥山がステアリングを握るKode9スパイダーだ。車は、やはり走っている姿が映える。神宮外苑に”子供達”を引き連れて走ってくる彼の姿が現れた。爽快な笑顔と共に。


文:越湖信一写真:柳田由人
Words:ShinichiEKKOPhotography:YoshitoYANAGIDA
協力:代官山蔦屋書店、Ken Okuyama Cars ( https://www.kenokuyamadesign.com/oneoff/ )
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