左から)和田琢磨、和田雅成
12月17日(火) 3:00
撮影中、フォトグラファーから「じゃあ、ちょっとカーテンにくるまってください」とオーダーが。すると、和田雅成が「これだけカーテンにくるまっているのは、俺らかFRUITS ZIPPERくらいや」とひとボケ。しかし、FRUITS ZIPPERを知らない和田琢磨は思わずハテナ顔。そんな和田琢磨を和田雅成が「FRUITS ZIPPER知らないのはやばいですよ!」とイジリ倒すことで、現場は一気になごやかな空気に包まれていく。
長年、同じ戦場を駆け抜けてきた二人だから生まれる信頼と、親愛と、笑顔。彼ら俳優を愛する多くのファンは、そんな青春感にいとしさと安らぎを覚え、その道のりを追いかけたくなるのだろう。
2025年1月8日開幕の舞台「花郎〜ファラン〜」もまた青春を感じさせる作品だ。原作は、韓国の大ヒットドラマ。王を守るための精鋭集団・花郎に選ばれた麗しき男たちの友情と対立が舞台上で華やかに描かれていく。
賤民の村で育ち、親友の命を奪った者への復讐心から花郎となる“名もなき男”・ソヌ / ムミョン役に和田雅成。その正体を誰にも知られず、王の身分を隠して花郎となる“顔なき王”・ジディ / チヌン王 / サムメクチョン役に和田琢磨。これまでいくつも作品で共演を重ねてきた“W和田”が愛憎渦巻く人間模様の中心に立つ。
時代も、国も、異なる物語。だがそこにあるのは、まぎれもない青春の日々だ。
たっくんが相手だからこそ、好きも憎いも100:100でやれる――多彩な登場人物と、キャラクター同士が紡ぐ関係性が本作の魅力です。お二人の好きな登場人物や関係性を聞かせていただけますか。
雅成 今回の舞台には登場しないですけど、スホの妹のスヨンとパンリュの関係性が好きでしたね。スヨンが可愛いんですよ!他人と馴れ合わない孤高のパンリュがスヨンと関わることで、どんどん変わっていくところがいいなと思いました。
琢磨 僕はソヌとジディの関係性が好きですね。最初は犬猿の仲だけど、最後は共闘する、みたいな。王道の設定ですけど、ちゃんとお互いの葛藤やドラマが描かれているので観ている方もグッとくる。舞台でもそこを表現できれば、お客さんにもこの関係性を納得して楽しんでいただけるんじゃないかと思っています。
――育った環境の異なるソヌとジディが反発から共闘へ関係性が変わったのは、二人の間に何があったからだと思いますか。
琢磨 確かに育った環境は違うんですけど、生まれ持った資質は似ているところがあって。血は争えないというか、そこはやっぱり共鳴する部分があったんじゃないでしょうか。
雅成 そこで言うと、ソヌは家族同然の存在だったマンムンが、ジディのせいで命を落としているんですよね。その憎しみがあったからソヌはずっとジディに敵対心を持っていた。それがどのタイミングでジディを許し認めていったのか。もっとちゃんと詰めていって、自分の中で咀嚼しないといけないなというのは、今言われて改めて気づきました。
――そんな因縁の間柄を、この二人で演じられるというのは大きいですよね。
雅成 そうですね。たっくん(琢磨)と初めて共演したのは、「ダイヤのA The LIVE Ⅱ」という作品で。それから何度もご一緒している分、安心感があるというか。遠慮をしないでいいところは大きいですね。たっくんが相手だからこそ、好きも憎いも100:100でやっていこうと思います!
琢磨 「ダイヤのA」のときに、僕の演じる御幸一也と、雅成くん演じる楊舜臣が対峙する場面があって。そのときの雅成くんの内側から出るキラキラ感がすごくいいなと思ったんですね。そしたらあれよあれよという間にヒット作品にいっぱい出ている存在になって。年齢は少し離れているんですけど、長年一緒にやっている同士みたいな感覚がある。だから頼もしいです、雅成くんがいてくれることが。
雅成 たっくんは品があるんですよね。何も喋らずとも、そこにいるだけで存在感を放ってしまう。そこがジディに通じるというか。
琢磨 ありがとう。品があるかは自分ではわからないですけど、そこはもう両親に感謝ですね。と言ってもうちは別に皇族でもなんでもない、山形の庶民ですけど(笑)。雅成くんは一度決めたらやり抜く執念みたいなものがすごくあって。その辛抱強さというか我慢強さはソヌっぽいですよね。
雅成 何でも突きつめたくなるタイプではあります。だから、僕は復讐すると決めたらマジでやり遂げますよ(笑)。自分がそういう人間だからこそソヌがどうジディを受け入れていったのか、その落としどころはちゃんと探りたいなと。
ミュージカル『薄桜鬼』で自分の意識が180度変わった――脚本を拝見して感じたのですが、仙門で切磋琢磨しながら過ごす花郎の日々は、稽古場で本番を目指し稽古に励む舞台俳優と重なるところがある気がします。お二人にとっても、あの作品と過ごした日々が青春だったと感じることってありますか。
雅成 僕は舞台『弱虫ペダル』とミュージカル『薄桜鬼』がそうですね。やっぱり男たちばっかりで汗を流すような作品は自然と青春を感じます。
琢磨 そうですね。僕も男同士の青春群像劇に出させてもらったことはいっぱいあるので、自分にとっても青春だったなと思います。そういう作品って、初日と千秋楽でガラッと変わるような成長ぶりを見せる人がいたりして。そこがまた青春らしいというか。
雅成 特に僕は『薄桜鬼』で自分の意識が180度変わったなと思っていて。ありがたいことに初めて座長を務めさせていただいて。現場も年下の子たちが多くて。この作品を一緒にやっていく中で、この子たちに幸せになってほしい、そのために自分はどうしたらいいんだろうと初めて考えたのが『薄桜鬼』でした。それまでの僕は結構尖っていて、人の好き嫌いがはっきりした人間だったんですけど、そのあたりから自分が嫌だなと感じるところもその人の魅力だと考えられるようになったというか、そこすらも愛しちゃえば、その人のことをもっと好きになれると考えるようになった。自分でも大人になったなと思います。
琢磨 相手のいいところを探すというのは大事だよね。それは僕もミュージカル『テニスの王子様』をやっているときに学んだことで。嫌いなところを探すのって簡単なんですよ。特に僕らの仕事は一期一会。どれだけ嫌いでも、現場が終わればもう一生会わなくてすむ。その中で共演させていただいくということは、その時点で何かしら縁があるということ。なので、なるべくその人のいいところを1つでも見つけられるよう心がけています。
雅成 そこはたっくんを見ていて感じますね。あと、鈴木拡樹くんも。二人とも絶対に人を否定しない。この間まで、舞台「あいつが上手で下手が僕で」という作品で一緒にやっていたんですけど、そのときも袖で他の人のシーンを耳で聞きながら「アイツのここ、本当にいよな」みたいなことを言うんですよ。人のいいところを嘘偽りなく探せるのが、たっくんの素敵なところです。
琢磨 ベタ褒めだね。ありがとう(笑)。今回も年下の共演者が多い分、どうしても上に見られてしまうんだけど、だからこそ肩肘張らずにいい環境をつくっていきたい。この舞台『花郎~ファラン~』も、言ってみれば男子校の寮生活を覗き見てしいるような感覚があると思うので、女性のみなさんが「も〜、男子たち〜!」と思うようなイチャイチャした感じを、可愛らしく、男らしく演じられたら。
――普段の稽古場の過ごし方ってどういう感じなんですか。共演者同士、イチャイチャすることもあるんですか。
琢磨 (雅成の裾を掴んで)「ね〜、その靴、どこで買ったの〜?」みたいなことですか(笑)。
――はい(笑)。「も〜、男子たち〜!」みたいな瞬間があるのかなって。
琢磨 そんなスンッとしていることはないと思いますよ。人が好きなので。
雅成 たっくんとはありがたいことに最近作品をご一緒する機会が多くて。僕にも心を開いてくれているのかなって感じる瞬間が増えたんですよね。昨日の本読みでも、横でずっと小さいボケをしてるんですよ。それに僕がツッコんでたら、自分の出番なのに全然喋らないみたいなことがあって(笑)。
琢磨 あったね(笑)。
雅成 そういう「たっくん今楽しいんだろうな」って感じられる瞬間が好きで。たっくんが楽しそうにしてくれることで、現場が楽になることもあると思うし。だから、昨日は一緒にやってて幸せを感じる本読みでしたね。
上に立つ人間に必要なものとは?――花郎として過ごす日々を通して、ジディは真の王に必要なものは何かを見つけていきます。座長経験も豊富なお二人が考える、上に立つ者に必要なものを教えてください。
雅成 人間性じゃないですかね。今までの役者生活で指針となる人が、さっきも名前を挙げた鈴木拡樹くんなんですけど。拡樹くんと話していたときに「人にはそれぞれの良さがある。だから、誰かを真似するんじゃなく、雅成は雅成のままでいてほしい」と言ってもらって。その言葉もうれしかったし、そう言える拡樹くんのことがすごいなと思ったんですよね。拡樹くんは唯一無二であって、唯一無二じゃない。そこが素晴らしいところですね。
――唯一無二じゃない、というのはどういうことでしょう。
雅成 たぶん拡樹くんみたいな人って、僕たちの業界以外だとわりといる気がするんです。芸能をやっている人で、ああいう人が少ないだけで。逆に言うと、芸能をやっていて、あの人間性を持ち続けられるのって本当にすごいこと。僕の中で上に立つ人というと、やっぱり拡樹くんがパッと浮かびますね。
琢磨 僕は人が思わずついていきたくなるようなカリスマ性があるタイプではないので。座長をやらせていただくときも、引っ張るというよりは、みんなによいしょって担がれるタイプ。だから、自分がやるより、周りにやってもらうために自分は今どうすればいいだろうということをなるべく考えるようにしていました。
――自分は担がれるタイプ、という境地に行き着くまでには、やっぱり葛藤もあったのではないでしょうか。
琢磨 自分がやらなきゃとか、自分が持っていないものを無理して出そうとあがいていた時期はありました。でも、それをしても結局あまりうまくいかないんです。だったら自然体でいた方が周りにも理解してもらえるし、自分もやりやすいなって、経験を重ねていく中で少しずつわかるようになっていきましたね。
――ソヌとジディもそうですが、男の友情は、時にライバル心と背中合わせです。自分にとって友でありライバルというと、お二人は誰が思い浮かびますか。
雅成 僕で言うと、やっぱり荒牧慶彦ですかね。同じ作品で対になることも多かったので、共に戦ってきたという気持ちもあるし、周りもそう見ているところがあるだろうし。今でこそ彼はプロデューサーや社長という道を歩みはじめて、お互いの方向性は変わってきましたけど、役者一本でやっていた頃は特に意識するところはありました。
――荒牧さんのお仕事を見て、どんなことを感じていたんですか。
雅成 生き方もスタイルも違うので比べることはないですけど、彼は2.5次元のトップを走ってきた人なので、やっぱり刺激にはなりましたね。それこそ僕は2.5次元という世界も好きですし、他のジャンルも頑張っていきたいなと思っているので、彼が道を切り開いているのを見ると、自分も「もっともっと」という気持ちになります。
琢磨 僕は拡樹くんですね。彼の出演作は、お、次はこういうのをやるんだって、やっぱり気になります。拡樹くんは、2.5次元の先頭を走ってきた人。憧れる後輩も多かったですしね。しかも彼は絶対に驕らない。ただひたすら自分のスタイルを背中で見せていく人です。その静かな闘志みたいなものは見ていてカッコいいなと思う。最近なかなか共演できていないですけど、またいつか一緒に作品をやりたいですね。
余計な情報を入れないことも、自分を守る上で必要な技術――では最後に、「道をつくる」が本作のキーワードの一つです。しかし、道なきところに己の道をつくることほど難しいことはありません。2.5次元舞台という世界を一つの演劇のジャンルに高めたのがお二人の世代だと思いますが、お二人の感じた道なき道をつくる苦労や厳しさについてお話しいただけますか。
雅成 やっぱり初めて舞台化する作品に対するさまざまな意見というのはありますよね。特にファンの方の中で強い理想がある作品ほどあります。それを受け止めて頑張ろうと思うこともあれば、挫けそうになることもあって。そういう声に心が疲弊して、1回辞めようと考えた時期もありました。
琢磨 そうだったんだ。
雅成 ありましたね。この作品が終わったら辞めようって。でも結局それも愛があるかどうかだなと。芝居が上手かろうが下手であろうが、作品と役への愛は持つことができるし、そこで勝負ができる。愛さえ忘れなければ、どんな険しい道も切り開いていけるよなって考えられるようになってからは、人の声に惑わされないようになりました。
琢磨 僕はどうだろうな…。もともとまったく演技ができないところから始まって。こんなにできないことがあるんだという衝撃が、お芝居にハマるきっかけだったんです。だから、瞬間瞬間で苦しいことはもちろんあったと思いますが、こうして振り返ってみると大変だったなと思うことはあまりないんですよね。
――お話を聞いていると、琢磨さんはネガティブを引きずらない精神構造をしているんですね。
琢磨 うちの父親が結構鈍感な人で(笑)。でも、時々鈍感なふりをしているだけだなと思う瞬間もあるんです。それって僕は大事なことだと思っていて。父親は鈍感力という言葉を使っていましたけど、必要以上のものを自分の中に入れない。余計な情報を入れないというのは、自分を守る上で必要な技術のような気がします。
雅成 昔はSNSに書かれたことに対してネガティブな感情になることもありましたけど、結局そうやってわざわざ書き込むということはそれだけ気になっているということだから、それも愛だなと思うようになりました。むしろそうやって目を向けてもらえること自体が、僕らのような職業にはありがたいこと。だから、今はもっと書いてもらえる存在にならなきゃなって気持ちです。
取材・文:横川良明撮影:映美
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<公演情報>
舞台「花郎~ファラン~」
【出演】
和田雅成 / 和田琢磨 / 笹森裕貴 / 田中涼星 / 磯野亨 / 松井健太 / 岩田陽葵 / 大鳥れい / 中村まこと / 長谷川かすみ / 富田翔 / 高田晃宏 / 内田岳志 / 中土井俊允 / 大谷秀一郎 / 柊木智貴 / 他
【東京公演】
2025年1月8日(水)~1月13日(月・祝)
会場:THEATER MILANO-Za
【大阪公演】
2025年1月17日(金)~19日(日)
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2454451
公式サイト:
https://stage-hwarang.jp/