楽しいだけではない ランニングコミュニティ事情

5月2日(土) 15:59

 健康志向の高まりと東京マラソン2007をきっかけにスタートし、いまだにブームが続いているランニング。昔は、ランニングは1人で気軽にできるものというイメージだったが、今は各地でリレー大会が行われ、スポーツメーカーが運営するランニングステーションでは、団体で受けられるランニングイベントやレッスンが開催されている。1人で黙々と行うだけではなく、大人数で楽しむこともできるスポーツとしての魅力も持っているようだ。

 しかも、SNSを検索すれば数多くのランニングコミュニティがヒット。初心者でも簡単に一緒に走る仲間を探すことができる。

ただ、コミュニティが大きくなりすぎた場合には問題も起きるそう。ランニングコミュニティを立ち上げ、数が多くなりすぎてしまった経験を持つ管理人Sさんは「走るよりもその後の飲み会のほうが目当ての人は困る。私はお酒を飲まなかったので、いつも介抱する立場に回っていました。もちろん飲み会は楽しいので、大人として適量をわきまえてもらえれば何の問題もないのですが……」と話す。ランニングだけで繋がって仕事やプライベートにほとんど関係ない仲間の前だとタガが外れやすいのかもしれない。

 また自分が1番年下になってしまった管理人・ランニング初心者のUさんは「私は5キロ走るのが精いっぱい。軽い気持ちで一緒に走る相手を探していましたが、年上でフルマラソンをガンガン走るようなメンバーが集まってしまいました。ときどき“なんでこれしか走れないんだよ”という小さく文句を言う声が聞こえてきたり、コミュニティ内でのイベントの計画を押し付けられたり……。数カ月で我慢できなくて辞めました」という。

 団体で走る楽しさはもちろんあるが、自分に本当にあったコミュニティを見つけるのは大変かもしれない。また、コミュニティに所属したいと思う場合は管理人や責任者の人間に寄り添う思いやりも大切なようだ。

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