3.24スタート!「マイナ免許証」のメリット・デメリットを超速解説

3.24スタート!「マイナ免許証」のメリット・デメリットを超速解説

3月24日(月) 3:00

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手続き方法は?セキュリティ対策は大丈夫?使い始めるタイミングの最適解は? 3月24日からマイナンバーカードと運転免許証の一体化がスタート。このマイナ免許証のメリット、デメリットを解説します! *** ■いよいよスタート!マイナ免許証 マイナンバーカードと運転免許証を一体化させた「マイナ免許証」の運用が3月24日からスタート。免許証に記載されている各種情報をマイナンバーカードのICチップに記録するもので、全国で運用される。 そんなマイナ免許証にはどのようなメリットやデメリットがあるのか?ITジャーナリストの 三上 洋 さんに解説してもらいます。 ――マイナ免許証の運用が開始されると、運転免許証は3種類の所持形態になるとのこと。これは、どのような区分になっているのでしょうか? 三上 これまでと同様に「免許証のみ」を所持、「マイナ免許証のみ」を所持、そして「免許証、マイナ免許証の両方」を所持という3種類の形態です。 マイナ免許証内に記録される情報はマイナ免許証番号、免許の取得年月日、有効期間の末日、免許の種類、眼鏡の使用などの免許の条件、そして顔写真データがあります。 これらがマイナンバーカードのICチップに記録されることで、マイナンバーカードを免許証として利用することができるようになります。なおデータの閲覧は、マイナポータル、もしくはマイナ免許証専用読み取りアプリで行ないます。 ――マイナ免許証はどこで手続きを行なうのですか? 三上 運転免許センター、警察署です。ただし警察署に関しては、すべての署で手続きに対応しているわけではなく、都道府県によっては予約が必要な場合もあります。なので、事前に近隣の警察署へ確認するのがよいでしょう。 ――では、気になるマイナ免許証のメリットは? 三上 所持形態や免許証の区分によって異なります。まず、マイナ免許証のみを所持する場合は氏名・住所の変更手続きが簡略化され、自治体への届け出だけで完了します。マイナ免許証を所持し、免許証の区分が優良運転者・一般運転者の場合には、免許証更新時にオンライン講習が受講可能です。 オンライン講習は24時間、スマホからも受講することができ、混雑時の免許センターのように受講の順番待ちをすることもありません。そして、免許証の更新を住所地以外の都道府県で行なう場合、これまでは手続きに3週間程度かかっていましたが、これも即日で完了します。 ――各種更新手続きの手数料も変わるとか? 三上 これまで免許証の更新料金は2850円。これがマイナ免許証のみの所有だと2100円。免許証とマイナ免許証の両方を所有する場合は、2950円となります。そして、免許証更新時の講習料金は優良運転者なら500円、一般運転者は800円でしたが、オンライン受講 (※1) の場合は200円となっています。 (※1) 適性検査や写真撮影は運転免許センターなどで行なう必要があります。 ――免許更新時のオンライン講習は、順番待ち行列を回避できるメリットがありますが、各種料金に関しては〝メリット大!〟と言い切れない気が......。 三上 そうなんです(笑)。正直、料金面でのメリットは小さく、〝マイナ免許証のみ所持〟の場合は要注意事項となるデメリットが大きいのです。 例えば、人気のカーシェアリングの新規登録・更新などは、マイナ免許証のみ所持だと手続きを行なえません。どの事業者も、この手続きにはオンラインから〝免許証の画像アップロード〟が必要だからです。事業者側がマイナ免許証のICチップ読み取りに未対応なのが原因です。 また、現状では海外旅行などでレンタカーを利用する場合も、マイナ免許証のみでは手続き不可です (※2) 。 (※2) 原則として国際免許証も必要です。 カーシェアリングはサービス契約時に免許証のアップロードが必要となり、マイナ免許証のみを所有している場合、現状では契約や更新ができないことを各事業者が発表している マイナンバーカードと一体化した各種免許証情報を確認するための専用アプリも配信予定。iOS、Android、Windows版が用意される ――これらの対応策は? 三上 現状では「免許証、マイナ免許証の両方」を所持するしかありません。 ――ここまで聞くと、マイナ免許証のみを所持して、それを紛失した場合も大きなデメリットがあったり? 三上 マイナ免許証を紛失するということは、マイナンバーカードそのものを紛失することです。なので、まずは市区町村でのマイナンバーカードの再交付。従来型の免許証も必要なら、その後に警察署や運転免許センターでの免許証の再交付、再びマイナ免許証のみの所持を希望する場合は、マイナンバーカードへの一本化を行なう必要があります。 手続きに時間がかかりますし、もともとマイナ免許証のみを所持していた運転者は、手続き完了まで運転できません。 こういった事情もあり、私としては今すぐマイナ免許証に切り替えるのではなく、使用中の免許証の更新時に〝免許証、マイナ免許証の両方〟を所持する形態が、現状の最適解かと考えています。 ■マイナ免許証の一番のメリットとは? ――免許所持者にとってのメリットは微妙な一方、警察や企業視点に立った場合、マイナ免許証が有能な部分とは? 三上 現在、闇バイトをはじめとする事件に使用されているのが不正に開設・契約された銀行口座や携帯電話です。これらの開設や契約には偽造免許証が使われることが多く、今後〝マイナ免許証一本化〟という施策になれば、偽造免許証は意味のないものになります。 犯罪対策としては大きなメリットとなり、アメリカや韓国では、より偽造しにくいスマホ内蔵型のモバイル免許証が導入され始めています。 ――心配なのはマイナ免許証のセキュリティ面です。これは? 三上 マイナ免許証はマイナンバーカードのICチップ内に、その情報が記録されます。これまでICチップ内のデータが流出した事件はなく、セキュリティは万全です。 ただ、マイナ免許証の運用直後は、マイナ保険証のような〝人的ミス〟による混乱はあるでしょうが、それは致命的なものではないと思っています。 ――最後にマイナ免許証に期待することは? 三上 個人的にはマイナ保険証の運用開始時のような、ポイント付与キャンペーンに期待します(笑)。 ――それ、一番重要です! 取材・文/直井裕太イラスト/イメージマート 【関連記事】 【図】マイナ免許証のポイントはここ! ■Suica離れで「交通系ICカード」のオワコン化が加速する!? ■マイナ保険証のあえて"メリットだけ"超速解説! ■「マイナンバーカードの偽造対策」への違和感 ■2026年導入予定の「新マイナンバーカード」は何が変わるの?

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