落合陽一が考える「生成AIを使いこなせない人」がまず最初にやるべきこと

落合陽一『猫でもわかる生成AIー落合陽一に100のプロンプトを入力してみたー』(扶桑社)

落合陽一が考える「生成AIを使いこなせない人」がまず最初にやるべきこと

4月13日(日) 23:45

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昨今、世界中で導入が始まっている生成AI。「一度くらいは使ってみたものの、いまだ有効な使い方がわからない」という人も、案外多いのではないでしょうか。とはいえ、職場をはじめ、様々な場所で導入が始まりつつあるため、周囲に乗り遅れないためにも、いち早く使い方をマスターしておきたいもの。

そこで、生成AIのエキスパートで、『猫でもわかる生成AI ―落合陽一に100のプロンプトを入力してみた―』を出版された筑波大学図書館情報メディア系准教授・落合陽一氏に教えてもらいました。

(本記事は、『猫でもわかる生成AI ―落合陽一に100のプロンプトを入力してみた―』より一部を抜粋し、再編集しています)

生成AIの使い方がわからないとき、一番の解決策とは?



生成AIは便利そうだけれども、自分では使いこなせるかわからない……。

そんな疑問を抱えたとき、落合陽一さんが「とにかくやってみてほしい」と語るのが、「わからないことは全部AIに質問すること」です。

「『AIの使い方がわからない』という方が、AIを上手に使いこなす一番簡単な方法。それは、生成AIのことは生成AIに聞くことです。

従来の家電やコンピュータには取扱説明書が付いているのが当たり前ですが、生成AIの場合は、わからないことを生成AIに質問すれば自分の使い方を教えてくれます。では、実際にChatGPTを使ってやってみましょう」

実際に落合さんが「生成AIの使い方がわからないのですが、どうやって使ったらいいですか」というプロンプトを作成し、ChatGPTに打ち込むと、返ってきたのが以下のような内容でした。

【回答】
こんにちは! 生成AI(生成的人工知能)は、多様なコンテンツを自動的に作り出す技術です。具体的には、以下のようなことができます:

① 文章の生成
物語、小説、記事、詩などのテキストを作成します。質問に答えたり、要約を作成することも可能です。

② 画像の生成
新しい絵やデザイン、写真風の画像を生成します。たとえば、指定したスタイルやテーマに沿った絵を描くことができます。

③ 音楽・音声の生成
メロディや楽曲、さらには人間の声に近い音声を作成します。特定の感情やスタイルを持つ音楽を生成することもできます。

④ プログラムコードの生成
指定した機能を持つコードや、コードの補完、バグの修正などを行います。

⑤ 翻訳と言語理解
異なる言語間の翻訳や、文章の意味解析、感情分析などが可能です。

⑥ デザインとアート
ロゴやウェブデザイン、アート作品のアイデアを生成します。

⑦ 対話型エージェント
チャットボットとして、人間と自然な対話を行います。

もし特定の分野や興味があれば、さらに詳しくご説明できますよ。

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※AIが生成する情報には誤りが含まれている可能性があります。

このように、最初は「どうやって使ったらいいですか?」と質問してみて、回答の中から気になることを深めていくのがおすすめだと落合さんは語ります。

「あと音声認識機能を使うと、対話のようにテンポよく会話できます。できるだけたくさんしゃべってみると、感覚がつかめるのでおすすめです」

生成AIにもっと伝わりやすいプロンプトを書くコツとは



生成AIをマスターする上で欠かせないのが、プロンプト(指示)を打ち込むこと。では、はたしてプロンプトとはどんなものなのでしょうか?

「プロンプトとは、AIに『どういう情報を出してほしいか』を伝える言葉みたいなものです。プロンプトを入力するときのコツは、できるだけ正確に『自分がどういう情報をほしいか』を伝えることに尽きます。抽象的な言葉では伝わりません。答えがわかりづらい場合は、『もう少し簡単に説明してくれる?』『これを別の例で教えてくれる?』などと重ねて質問していきましょう。一発で『これだ!』と思える回答に出会えることはほとんどないので、トライ&エラーを重ねていくことが大切です」

また、プロンプト次第では、アウトプットの難易度等も調整可能です。

「たとえば『アカデミックな論文を読むために必要なことを教えて』『この情報を小学生に向けて伝える上で適切な情報をちょうだい』『自分は初心者だからわかりやすい言葉で教えて』などと入力すると、AIは理解度に合わせた言葉を使って答えてくれますよ」

答えに満足できないときは、生成AIにインタビューしてもらおう



また、生成AIにどんなお願いをしていいのかわからないときは、生成AIに自分自身をインタビューしてもらうのも手です。

「生成AIが作り出したアウトプットが、自分がほしいアウトプットと異なる場合は、生成AIに『私にインタビューして情報を引き出してください』と、ストレートに伝えましょう。プロンプトとしては、たとえば、『生成AIを使って何をしていいかわからないので、私がしたいことを私から聞き出すため、私にインタビューしてください』などと打ち込むのがいいでしょう」

そこで、早速落合さんの言うようにプロンプトを打ってみると、下記のような返答が。

【回答例】
こんにちは。まず、あなたのことをもう少し知るためにいくつか質問させてください。
・ 普段はどのようなお仕事や活動をされていますか?
・ ご趣味や興味のある分野は何ですか?
・ 最近、特に関心を持っている話題やトピックはありますか?
・ お答えいただける範囲で大丈夫ですので、よろしくお願いします。

「もしも、インタビューを重ねても、生成AIからもらえる回答が、自分のほしい回答とはズレている場合、そんなときは『こういう方向性で回答がほしいです。もう一度インタビューしなおしてください』と伝えてみてくださいね」

生成AIで使えるエージェント機能とは?



そのほか、AI初心者の人にとって、ぜひ使ってみたいのがAIの「エージェント機能」です。これは、生成AIに入力した特定のタスクや目的を達成するために、AIが自分で考えて行動する機能のこと。人間の指示を達成するために最適なアクションを、AI自らが選択して実行してくれるからとても便利なのだとか。

「エージェント機能を使いたいときは、『エージェント機能を実行したいです』と冒頭に一言入れ込んでみてください。また、それに続く相談内容はできるだけ明確な目的を伝えるように意識すると、より精度の高い回答が返ってきますよ」

【落合陽一】
筑波大学でメディア芸術を学び、2015年東京大学大学院学際情報学府にて博士(学際情報学)取得。現在、メディアアーティスト・筑波大学デジタルネイチャー開発研究センター・センター長/ 図書館情報メディア系准教授・ピクシーダストテクノロジーズ(株)CEO。応用物理、計算機科学を専門とし、研究論文は難関国際会議SIGGRAPHなどに複数採択される。令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰、若手科学者賞、「『現代用語の基礎知識』選2023 ユーキャン新語・流行語大賞」(生成A I)を受賞。内閣府、厚労省、経産省の委員、2025 年大阪・関西万博のプロデューサーとして活躍中。 計算機と自然の融合を目指すデジタルネイチャー(計算機自然)を提唱し、コンピュータと非コンピュータリソースが親和することで再構築される新しい自然環境の実現や社会実装に向けた技術開発などに貢献することを目指す

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