【写真】前を向いて微笑む大沢たかお映画「キングダム 大将軍の帰還」(2024年公開)にて王騎将軍を演じた俳優の大沢たかお。原作で描かれるキャラクター像を忠実に再現し、圧倒的な存在感を示したことで、3月14日におこなわれた第48回日本アカデミー賞では自身初となる最優秀助演男優賞を受賞した。本記事では、これまでさまざまな役柄を演じ、多くの人の心を動かしてきた大沢の魅力に迫っていく。
■「キングダム」での役作りで20キロ増量
大学在学中にスカウトを受け、ファッション誌などでモデルとして芸能活動をスタートさせた大沢。1994年にはドラマ「君といた夏」(フジテレビ系)への出演をきっかけに、俳優としてのキャリアを築き始める。
そして、ドラマ「星の金貨」(1995年放送、日本テレビ系)で注目を集めると、主演映画「解夏」(2004年公開)では第28回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞したことで、高い演技力が世間に幅広く知れ渡った。その後も、映画「地下鉄に乗って」(2006年公開)で第30回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を、ドラマ「JIN -仁-」(2009年放送、TBS系)で第18回橋田壽賀子賞の橋田賞を受賞。
他にも映画「ストロベリーナイト」(2013年公開)や「風に立つライオン」(2015年公開)などさまざまな映画への出演が続くが、中でも原泰久の同名人気漫画を実写映画化した「キングダム」シリーズは大沢の代表作の一つとなった。
大沢が最優秀助演男優賞を受賞した「キングダム 大将軍の帰還」では、“秦”が隣国“趙”との国の存亡をかけた“馬陽の戦い”のクライマックスが描かれている。大沢は“秦”を支える王騎将軍を演じるにあたって、20キロ増量するという過酷な役づくりに挑んだ。
大沢の筋骨隆々な見た目やオーラは非常に貫禄があり、個性的な話し方や笑い方はまさに王騎将軍そのもの。大沢が魅せる抜群の演技力はもちろん、作品に真摯に向き合う姿勢も伝わってくる一作に仕上がっている。
実際、第48回日本アカデミー賞に出席した主演の山崎賢人も、「圧倒的な王騎将軍のオーラや力強さを大沢さんが演じてくださって、『キングダム』全体のレベルが大沢さんのおかげで何段階も上がった」と絶賛していた。
■さまざまな役柄を通して魅せる華麗なアクションシーン
「キングダム」シリーズでは鍛えられた身体で激しいアクションシーンに挑戦した大沢。そんな彼は、他の作品でも迫力のあるアクションを披露している。
猛吹雪に見舞われた北アルプスの山中を舞台に、米軍爆撃機・ミッドナイトイーグルをめぐって壮絶な攻防戦が繰り広げられる山岳サスペンスアクション映画「ミッドナイトイーグル」(2007年公開)。本作で大沢は、北アルプスを登る最中にミッドナイトイーグルと思われる赤い光を発見した主人公のカメラマン・西崎を熱演。パラグライダーを使ったダイナミックな空撮映像とともに、身体を張ったアクションを魅せている。
また映画「藁の楯」(2013年公開)では、凶悪殺人犯を出頭先から警視庁に移送するミッションを背負わされたSP・銘苅を演じた大沢。SPという役柄から全編を通してさまざまなアクションシーンに挑んでおり、特にクライマックスシーンでの犯人との壮絶な戦いや演技合戦は、息を呑むほどの迫力だった。
ちなみにこの2作品には、“大沢演じる主人公が大切な家族を亡くしている”という共通点がある。大沢は家族を亡くしくすぶっていた主人公を、何かを諦めたような荒んだ表情とどこか覇気のない佇まいで心情を表現し、その一方で、作中を通して徐々に前を向いていく様子も見事に表現していた。
そして、近未来を舞台に医療AI“のぞみ”が暴走する様子を描いたサスペンス映画「AI崩壊」(2020年公開)でも、大沢は過酷なアクションに挑戦している。大沢が演じたAI開発者の桐生は、作中で“テロリスト”として警察に追われる身となってしまう。真冬におこなわれた極寒の撮影の中、大沢はスタントマンなしで3週間もの間走っていたそうだ。
「キングダム 大将軍の帰還」で大沢が迫力のあるアクションをいかんなく発揮していたのは、こうしたさまざまな作品でのアクション経験が活かされているのかもしれない。


■自然な演技で感動的なシーンを生み出す大沢の魅力
アクションのみならず、ヒューマンドラマでは力強い演技で多くの人を感動させてきた大沢。中でも、村上もとかの同名コミックを映像化した医療ドラマ「JIN -仁-」シリーズは、「キングダム」に並ぶ彼の代表作の一つと言えるだろう。
恋人の手術をきっかけに臆病になってしまった脳外科医・南方(大沢)が、ある日江戸時代へタイムスリップしてしまう本作。医療器具や薬がない時代で、自身の腕1本で生き抜く姿を描いている。
現代では頼りない脳外科医を演じていた大沢だったが、タイムスリップして自分しか救うことのできない命に直面した際に、自分自身の知識と技術を駆使し、医師としての使命を全力で全うする。その懸命な姿は、大沢の迫真の演技と相まって非常に感動的なシーンに仕上がっており、思わず本当の医師だと錯覚してしまうほどのリアル感を味わわせてくれる。
また、大沢が主演を務めた映画「風に立つライオン」も、彼の胸を打つ演技を堪能できる一作だ。1987年に歌手・さだまさしが発表した楽曲の映画化を大沢が熱望し、企画段階から携わったという本作。大沢は、紛争地の現実に衝撃を受け、物資も乏しい環境で医療活動に励む主人公を熱演した。
三池崇史監督による重厚な演出や、さだの楽曲などは感動を呼ぶ重要な要素だが、中でも大沢の渾身の演技は目を見張るものがある。それは“お涙頂戴”といった過剰な演技ではなく、あくまでも自然な表情とセリフ回しによって、より心に残るようなシーンが生み出されている。
どのような役柄であっても、安定感のある演技で存在感を示す大沢。映画やドラマの魅力を高める俳優として、今後の活躍にも期待したい。
なお動画配信サービス・Huluでは、大沢が出演する「キングダム」シリーズ、「JIN -仁-」シリーズ、「風に立つライオン」「ミッドナイトイーグル」「AI崩壊」などの作品を見放題配信中。(※「キングダム 大将軍の帰還」はレンタル配信)
※山崎賢人の崎は、正しくは「たつさき」
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