【漫画】本作を読む
スマホにかまけて、ビラ配りをはじめ道行く人の声かけを聞きもせず「いらない」とあしらっていた男性。けれど、不穏な「…いりますか?」という問いにも「いらないから」と答えてしまったことが仇となり――。不用意な反応がよからぬものを招いてしまうのはホラーの常道。そんな恐怖展開と予想外のオチを描いた短編漫画に、X(旧Twitter)上で1.7万件の「いいね」とともに「怖いけど怖くない」「ホラー&コミカルの落差がすごい」と反響が集まっている。
同作は、ネブクロ(@nebukuro41)さんがくらげバンチ(新潮社)で連載する漫画「訳アリ心霊マンション」(※単行本第4巻は2024年9月9日発売)の一篇。エピソードの紹介とともに、作者のネブクロさんに作品制作の舞台裏を訊いた。
■テッシュやビラ配りに対するような同じ口調で「いらない」と答えた結果が…
本作は、もともと個人制作としてSNS上で発表され、多くの反響を呼んだことがきっかけで大賞を受賞し、本格的なストーリー漫画としてリスタートした作品だ。そのユニークな作風と独自の視点が評価され、読者の間で話題となっている。
本作を描くことになったきっかけについて、作者のネブクロさんは、ツッコミたくなる怪談話の矛盾にあったそうで、「『気絶して目が覚めたら運よく霊が消えていた』とか『意地でも危険区域の説明をしない老人』とか、自分がホラー物を描くなら他との差別化も含めてそういった点を突いていこう」と、従来のホラー作品との差別化を意識していることを明かしてくれた。
ネブクロさんの狙い通り、本作はホラーでありながら、随所にギャグ要素が織り交ぜられている。また、本作を描くうえで特に意識している点について、ネブクロさんは「『訳アリ心霊マンション』“ホラー漫画”じゃなく、“コメディ漫画”でもない。その2つがミックスして成り立つホラーコメディです」と語る。単に怖い話を描くのではなく、読者が楽しめるような工夫を随所に施し、独自のホラー表現を追求しているのが伺える。
さらに、「目指すところは読みやすさ。今後とも好きなときに好きに読んでって」と、フランクな姿勢で読者と向き合うスタイルも、多くの支持を集める理由の一つだろう。
本作は、一話完結のエピソードが多く、気軽に読み進められる点も魅力だ。ホラーとコメディが絶妙に融合した唯一無二の作品をぜひ楽しんでほしい!
取材協力:ネブクロ / くらげバンチ(新潮社)
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