社用車で“あおり運転”した上司の末路。警察から会社に連絡がきて…

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社用車で“あおり運転”した上司の末路。警察から会社に連絡がきて…

4月7日(月) 23:52

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ニュースなどで頻繁に取り上げられる「あおり運転」。被害者の精神的苦痛は深刻であり、トラウマにもなりかねない。

自動車損害保険を扱うチューリッヒ保険の『2024年あおり運転実態調査』によれば、あおり運転をされたことがあるドライバーは72.5%であった。2023年の53.5%よりも大幅に上昇し、半年間でも24.1%と多くのドライバーがあおり運転に遭遇していることがわかった。

今回は、悪質な“あおり運転”にハッとしたという2人のエピソードを紹介する。

十八番の“ラルク”を歌いながらドライブテクを自慢する上司

伊藤隆さん(仮名・30代)は、上司Aが運転する車で取引先に向かっていた。

「通常は部下である私が運転するものですが、『自分が運転するよー』と、上司が自ら運転席に乗り込んだんです。『気にしないで』と譲らなかったので、お願いすることにしました」

すると、高速道路に入った瞬間、Aは車を加速させたという。伊藤さんが速度のメーターをのぞくと、“150キロ”を超えていた。

「そして、Aは十八番であるラルク(L'Arc〜en〜Ciel)の『Driver's High』を歌い出しました」

Aはカラオケが好きで、よくこの曲を歌っているそうだ。あまりのスピードに危機感を覚えた伊藤さんは、「車酔いしてしまったので、速度を落としてほしい」と伝え、速度は落としてくれたというが……。

「Aの『Driver's High』は止まりませんでした」

さらには、前の車をあおりはじめたそうだ。前の車は、道を譲ろうと車線変更をしたのだが、Aはその車を追いかけ続けた。

「私が制止しても聞いてもらえないどころか、Aは自分の運転を得意げに語っていて、呆れましたね」

ドラレコのSDカードを踏みつぶしたが…

取引先との打ち合わせが終わり、会社に帰ろうとしたとき、伊藤さんの携帯電話に会社から着信があった。

「どんな運転してんだ! 警察から危険運転で通報があったとの連絡があったぞ!」

会社は部下である伊藤さんが運転していると勘違いし、伊藤さんに連絡をしたのだ。

「おそらく、社用車の後方に記載された社名やナンバープレートを見て、誰かが通報したんだと思います。私は経緯を説明しました」

会社からの連絡をAに伝えると、AはドライブレコーダーのSDカードを取り出して踏みつぶしたという。

「もちろん、証拠となる動画を消すためです。これでは私も疑われてしまうので絶望しました」

その後、会社の大会議室に呼ばれた伊藤さんとA。そこには重役たちや、警察沙汰に対処するための緊急チームが集められていた。そこで、事実確認のためドライブレコーダーの確認が行われることになった。

「私とAの報告が真逆の内容だったみたいです。ドライブレコーダーからはAの歌う『Driver's High』が流れました」

車に搭載されていたドライブレコーダーは、SDカードだけではなく本体にもデータが残る仕組みだったため、Aの歌声とあおり運転の様子がしっかりと残っていた。

「Aの起こしたこの出来事は、“ラルク事件”として語り継がれることになりました」

会社と警察から処分を受けたAは、居づらくなり退職を余儀なくされたという。

追い越し禁止の車線を無視する悪質ドライバー

「発端は、おそらく私の鳴らした1回のクラクションでした」

内田直之さん(仮名・30代)は、片道一車線で信号の少ない海沿いを走っていた。いつものように、慎重に運転をしながら大学から自宅に向かっていたという。

「追い越し禁止を示す黄色のセンターラインを無視して、1台のハイエースが私の車を強引に抜きました。危険な運転に驚いて、とっさにクラクションを鳴らしてしまったんです」

ハイエースは、法定速度を余裕でオーバーしていた。運転手は40代くらいで悪そうな風貌の男性だったようだ。

「これはまずいかもしれない……」と思った瞬間、ハイエースのテールランプが灯り、急に減速したという。内田さんは急ブレーキを踏み、衝突を避けようと必死になった。

「もしかすると、前方に動物や落下物があるのかもしれない……。一瞬そう思いましたが、私の抱いた一縷の望みも虚しく、ハイエースは急ブレーキを繰り返したんです」

内田さんは車間距離を取っていたため、危害はなかった。そして、しびれを切らした男性は車を止め、息まいた様子で車外へと降りてきたという。

改めて身の危険を感じた内田さんは、停車しているハイエースの横をすり抜けるようにして走り去った。しかし……。

脳裏をよぎった“最悪のシナリオ”

「追いかけてくるハイエースが見えました。ヘッドライトが異様な頻度で点滅し、クラクションがけたたましく鳴り響きました。怒りに満ちた執拗な“あおり運転”に、背筋が凍りました」

男性は5キロ以上もあおり続けてきたが、振り切れる気配はない。内田さんの脳裏には“最悪のシナリオ”がよぎる。

“もし、自宅までついてきたらどうしよう”

「“冷静になれ”と自分に言い聞かせながら、回り道をすれば“警察署”があることを思い出しました」

数分後、警察署の前に差しかかると、内田さんは迷わず敷地内に入った。するとハイエースも後をついてきたのだとか。

「鼓動は早いままでしたが、待ち構えていた警察官の存在に安心して、ようやく息を整えることができました。男の怒鳴り声は聞こえましたが、もう気にする必要はありませんでした」

松田さんは警察官に状況を説明し、無事に帰路につくことができた。

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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