退職後の父が毎日「10時間以上テレビ」を見ています。テレビだけで、月々どれくらいの電気代がかかっているのでしょうか?

退職後の父が毎日「10時間以上テレビ」を見ています。テレビだけで、月々どれくらいの電気代がかかっているのでしょうか?

4月7日(月) 21:00

定年退職をして時間に余裕ができたお父さんが、毎日長時間テレビを見て過ごすようになったというご家庭も多いのではないでしょうか。健康面を心配と同時に、「これだけテレビをつけっぱなしにしていたら、電気代は大丈夫?」と気になる方もいると思われます。 そこで本記事では、テレビを1日10時間以上見た場合にかかる月々の電気代について、テレビの種類やサイズごとにご紹介します。

テレビの消費電力は種類やサイズで異なる

テレビの電気代を知るには、まず「消費電力」と「年間消費電力量」を確認する必要があります。消費電力は、テレビを使用する瞬間的な電力(ワット:W)を示し、「年間消費電力量」は1年間の平均的な使用状況に基づいて算出された総消費電力量(キロワット時:kWh)で表されます。
 
消費電力は、主に以下の要素で変わります。
 

・画面サイズが大きいほど消費電力が高くなる
・4Kや8Kなど高解像度のテレビは、フルHD(2K)より消費電力が高い
・有機ELテレビは液晶テレビより電力を使う傾向がある(製品によって異なる)
・古いテレビは最新モデルに比べて省エネ性能が低く、電気代が高くなりやすい

 
例えば、液晶テレビ(32インチ・フルHD)の消費電力は約60ワット、有機ELテレビ(55インチ・4K)であれば350ワットを超えることが一般的です。ただし、製品によって異なり、一部の製品では350ワット近くに達する場合もあります。
 

テレビの電気代はどうやって計算する?

電気代は、次の計算式で求めることができます。
 
消費電力(W) ÷ 1000 × 使用時間(h) × 電気料金単価(円/kWh)
 
例えば、消費電力150Wのテレビを毎日10時間使い、電気料金単価を(公社)全国家庭電気製品 公正取引協議会で定められた31円/kWhで計算すると、1ヶ月あたりの電気代は以下の通りです。
 
150W ÷ 1000 × 10時間 × 30日 × 31円 = 約1395円
 
このように、テレビの消費電力と使用時間、電気料金単価が分かれば、おおよその月額電気代を簡単に計算できます。ご自宅のテレビが何ワットかを確認してみると、より正確な金額が分かります。
 
ただし、実際の電気代は契約している電力会社や料金プランによって異なるため、詳細な計算には自身の契約内容を確認する必要があります。
 

テレビの種類別 月々の電気代目安

テレビのサイズや種類によって、実際の電気代はどのくらい違うのでしょうか? 図表1に代表的なモデルの1時間あたりにかかる電気代と、1日10時間使った場合の月々の電気代をまとめました。
 
図表1:1日10時間使用した場合の電気代

テレビの種類・サイズ 消費電力 1時間あたりの電気代 月々(10時間×30日)
液晶テレビ(32インチ・2K) 60ワット 1.86円 558円
液晶テレビ(50インチ・4K) 140ワット 4.34円 1302円
有機ELテレビ(55インチ・4K) 350ワット 10.85円 3255円

※(公社)全国家庭電気製品 公正取引協議会で定められた31円/kWhを目安単価として計算
筆者作成
 
例えば、お父さんが見ているテレビが大きめの有機ELだとしたら、月に3000円以上がテレビの電気代としてかかっている可能性があるということになります。図表1の月々を年間に計算すると、3万9000円程度です。
 
ただし、電気代はテレビの製品によって異なるため、これはあくまで目安です。最近のテレビは省エネ性能も高くなってきているので、実際にはもう少し安く済む可能性もあります。
 

電気代を少しでも抑える方法

お父さんにテレビの使用を控えてもらうのは難しいかもしれませんが、設定や使用方法を工夫することで電気代を抑えることが可能です。以下で、主なポイントを見ていきましょう。
 
1. 明るさ設定を見直す
テレビの明るさを最大にしていると、それだけで消費電力が増えます。無理なく見える程度の明るさにすることで、電気代が抑えられる可能性があります。また、多くの最新モデルには、部屋の明るさに応じて画面輝度を自動調整する機能が搭載されています。
 
2. 省エネモードを活用する
多くの最近のテレビには「省エネモード」が搭載されています。自動で明るさを調整したり、音量を抑えたりしてくれるので、電気代の節約につながります。また、無信号時に自動で電源がオフになる「オートオフ機能」や操作がない場合に電源が切れる「無操作自動オフ機能」も節電効果があります。
 
3. 長時間見ないときは電源を切る
視聴していない時間にテレビがつけっぱなしになっている場合、こまめに電源を切ることで無駄な電気の消費を防ぐことができます。また、待機時消費電力も節約したい場合は、主電源からオフにすることも有効です。
 
4. テレビを買い替えるなら省エネタイプを選ぶ
古いテレビを長く使用している場合、思い切って省エネ性能の高い最新モデルに買い替えるのも一つの手です。初期費用はかかりますが、長期的な目で見ると電気代の節約になります。
 

10時間テレビでも、意外と電気代は抑えられる

定年退職後の生活で、テレビを見る時間が増える人は多くいます。1日10時間テレビを見ても、機種によっては月々数百〜3000円程度の電気代に収まるものの、年間にしたら3~4万程度かかります。
 
しかし、少しの工夫で電気代を抑えることができます。テレビの明るさ設定や省エネモードの活用など、今すぐできることから始めてみましょう。大きな節約にはならなくても、電気を「上手に使う」ことが、家計にも環境にも優しい選択になります。
 
電気代は気になるところですが、それ以上に健康面や生活リズムのほうが気になる方も多いかもしれません。テレビを見る時間を短くして、散歩などで外出をすれば、健康的に節約することができるでしょう。
 

出典

公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会 よくある質問 Q&A
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ 家庭用 2024年版
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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