娘と夫、3人暮らしの私。11歳の娘は、年齢の割に大人びていて、とてもしっかりしています。一方、私はおっちょこちょいで、いつも娘に助けられてばかり。わが家は共働きですが、夫はまったく家事育児に関与しません。そのため、ひとりで家のことすべてをこなす私は、いつも疲れていて……。
家事を積極的に手伝ってくれる娘には本当に感謝です。娘がこんなに助けてくれるのに、まるで役に立たない夫。仕事が忙しいと言って、毎晩遅くに帰宅します。休日出勤も多く、最後に家族そろって夕飯を食べたのはいつだったか……。
家族のために頑張っていると言われると、文句も言えないのですが、たまには家族で過ごす時間を作ってほしいです。
娘には、パパは家族のために一生懸命働いてくれているから、一緒に過ごす時間が減ってしまっていると説明しています。ある日も、そう言ってなぐさめていると、娘が言い返してきました。
「パパ忙しいって言ってるけどさ、激務の割には疲れた顔はしていないし、給料も上がっていないんでしょ?」と言われ、私はドキリ。娘の鋭いツッコミと確かな観察眼に、返す言葉がありませんでした。
こんなに残業や休日出勤が続いたら、普通は疲労がたまるはずなのに、夫はストレスすら感じていない様子。顔色も良く、深夜に上機嫌で帰ってくることも……。
深く考えると不安になるので、私はできるだけ考えないようにしていたのです。
夫として、父親として、最低の言動
まもなく、娘のピアノの演奏会があります。今まで一度も来てくれたことはありませんが、今回も一応誘ってみました。案の定、パスと言われてしまいましたが……。
興味のないことで休日を無駄にしたくないし、その日は予定が入っているそう。その後も何度か誘うと、夫はキレ出して「養ってやっているだけで十分だろう」「それ以上のことを俺に求めるな」「うっとうしい!」と怒鳴られたのです。
翌日、夫が来れないことを伝えると、娘は「わかった」とあっけらかんとしていました。
当日、娘の演奏は本当に素晴らしいものでした! 私は、頑張って練習したご褒美に、娘の好きなものを食べて帰ろうと提案。娘のリクエストは、回らないお寿司でした。
そして、お店に着くと、私は目に入ってきた光景にがく然としました。なんとそこには、夫と若い女性が2人で楽しそうに食事している姿が……。
すっかり2人だけの世界に浸っていて、私たちにまったく気づきません。とても親密そうで、娘の目を覆いたくなるような様子でした。
「あなたの家から近いお店なのに大丈夫なの?」と聞く不倫相手に、「今日は娘の演奏会だから安心だ。2人きりで夜までゆっくり過ごそう」と甘い声で囁く夫。家では見せない表情でやさしくほほ笑む夫に、めまいがしました。
そんな私とは対照的に、娘はズカズカと夫に近づいていき、話しかけたのです。夫はとても驚いていましたが、不倫相手は私に気づくと宣戦布告。私に離婚を迫ってきたのです。
すると、夫も覚悟ができたようで、不倫相手の肩を抱き寄せ、結婚を前提に付き合っていると悪びれることなく告げてきました。娘の前で、よくそんなことを……。
娘が考えたまさかの作戦とは…!?
その場にぼう然と立ち尽くしていた私は、娘に帰ろうと促されてお店を出ました。変なところを見せてしまって、申し訳ない……。私が謝ると、「なんでママが謝るの? 悪いのはパパでしょ」と、娘はやさしい言葉をかけてくれました。
さらに、私は何も悪いことをしていないから気にすることはないし、もう離婚しかないから手加減なしに徹底的に闘おうと、励まして背中を押してくれたのです。そして、「作戦がある!」と、娘が自信満々に言うので、私は娘の力を借りることにしました。
その日の夜も、夜遅くに帰宅した夫。帰ってくるなり夫は、不倫相手と再婚するので子どもを連れて出ていけと言ってきました。
本当は娘を連れて今すぐにでも出ていきたいところですが、私の答えはノー。私の稼ぎでは育てられないので、ひとりで実家に戻ると伝えました。そう聞くと、「何を言ってるんだお前が連れて行け」と怒鳴り出した夫。
しかし、娘が「私はパパについて行くよ」と言うと、夫は急に態度を変え「そうか、俺を選ぶのか」と勝ち誇ったように笑って、今度は私ひとりに今すぐ出て行けと言い放ったのです。「子どもにまで捨てられたのか」と私をバカにして大笑いしていました。
その後、すぐに私たちは離婚。私と入れ替わりでやってきた不倫相手は、娘がいることに難色を示したようですが、娘が実の母親よりも自分を選んだと知ると、悪い気はしなかったようで、娘との同居を承諾。
しかし、すぐにそれを後悔することになったのです……。
娘は、不倫相手に私の代わりを要求。町内で行なわれるバザーの当番や、PTA役員の仕事、学校でやるレク手芸の見本づくりを引き継いだと聞きます。手縫いのトートバッグとぬいぐるみ、パッチワークのフロアマットを来週までに製作しなければならないと知らされ、パニックになる不倫相手。
その上、娘は難しい内容ばかりを質問したそうです。学校で習うこと以外にも興味を持ったことについては、独自で学習するほど勉強が好きな娘。大人でもわからないような問題も解いてしまうのです。私もいつも娘からの難しい質問には、困っていました。
さらに、娘はピアノ教室の保護者会の出席もお願いしたそうです。これがまた大変で、クラシック好きの保護者ばかりで、会での会話は難易度が高く、毎回テーマを決めてみんなで意見を交換し合うのです。前回は、ショパンについてでした……。
私に代わって娘が最高のお仕置きを♡
慣れない手芸に苦戦し、そのまま朝を迎えた不倫相手。
朝食を菓子パンとジュースで済ませようとすると、今度は朝食メニューの栄養バランスを調べる宿題があると娘が言い出し、「こんなメニューでは、恥ずかしくて宿題を出せない」と文句。
そして、娘は不倫相手に本気で訴えたのです。「母親になるなら、ちゃんとやってほしい」「いい加減な気持ちなら困る」「元のママみたいになってほしい」それをしてくれないのなら、学校カウンセラーに相談すると伝えたそうです。
そこに、のんびり起きてきて「早く朝食を作れ。朝は米を食わないと……」などと要求した夫。娘に責められパニックになっていた不倫相手は、夫の発言をきっかけに大爆発。そして、「こんな生活は嫌だ!」と言って、出ていってしまったのです。
離婚後、私が実家に戻ってからの数週間に起こった出来事を、私はすべて把握していました。実は、ずっと娘がメッセージで実況中継してくれていたのです。
娘が考えた作戦というのは、自分が夫についていき夫と不倫相手をこらしめるというものでした。見事、賢い娘の作戦は成功。結局、夫と不倫相手はすぐに破局しました。
私は弁護士を通して慰謝料を請求し、正式に娘も取り戻して、今は実家で幸せに暮らしています。頼りになる娘と力を合わせて、仲良く生きていこうと思います。
◇ ◇ ◇
裏切られた妻と娘の気持ちも、考えると胸が痛みますね。しかし、大人びた娘の冷静な反応には感心しました。小学校高学年ともなると、大人顔負けの思考力があり、自ら行動して問題を解決する力もあるのですね。今回のように、頼りになる反面、思わぬ苦労をさせてしまうこともあるかもしれません。その辺りに気を配りながら、母と娘で協力して幸せに生活していってほしいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班
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