4月4日(金) 16:50
国や地方自治体の職員として、公のために働く仕事を公務員といいます。公務員の種類は、国家公務員と地方公務員に大別できるといわれています。
国家公務員は、立法、司法、行政など国の中枢となる業務を担い、地方公務員は、地方自治体に所属して業務に就くとされています。国家公務員と地方公務員は、さらに職種が複数に分かれ年収もそれぞれ異なるようです。
国家公務員の給与は、法律に基づいて決まり、俸給と諸手当から成り立つとされています。俸給は、俸給表を基に支給され、さらに諸手当として、地域手当や管理職手当、扶養手当、住居手当、単身赴任手当などが支給されるようです。
表1は、内閣官房内閣人事局「国家公務員の給与(令和5年版)」による国家公務員のモデル給与例(令和4年度)になります。
表1
係員(25歳) | 321万3000円 |
係長 (35歳) | 454万1000円 |
地方機関課長( 50歳 ) | 670万2000円 |
本府省課長補佐(35歳) | 719万2000円 |
本府省課長(50歳) | 1260万1000円 |
本府省局長(-) | 1769万8000円 |
事務次官(-) | 2323万5000円 |
※内閣官房内閣人事局「国家公務員の給与(令和5年版)」を基に筆者作成
国家公務員の職種の中で最も年収が高いのは、事務次官、次いで本府省局長、本府省課長の順です。
国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、一般企業の平均年収「460万円」となっています。これを国家公務員、事務次官の年収と比較すると1863万5000円となり、その差は大きいことが分かります。
学歴別の初任給については次の通りです。
総合職:大学院卒26万8000円/大卒程度23万6440円
一般職:大卒程度22万9440円/高卒19万2720円
なお、国家公務員の人事制度は、年功序列が根付いているため、勤続年数によって年収が上がる傾向にあります。しかし近年、キャリア若手官僚が毎年100人超、大量に退職するという状況が起きており、年功序列制度の見直しや働き方改革が検討されているようです。
地方公務員の平均月給と年収を、以下の表2にまとめました。
表2
職種 | 月給 | 年収 |
---|---|---|
一般職 | 31万1495円 | 約374万円 |
教育公務員 | 35万6684円 | 約428万円 |
警察職 | 32万5987円 | 約391万円 |
臨時職員 | 27万8268円 | 約334万円 |
特定地方独立行政法人職員 | 31万2600円 | 約375万円 |
特定地方独立行政法人臨時職員 | ― | ― |
普通会計関係 | 32万7754円 | 約393万円 |
※総務省「令和4年地方公務員給与の実態」を基に筆者作成
地方公務員でもっとも年収が高いのは教育公務員です。中でも「大学(短期大学)教育職」の月給が43万5880円、年収にすると約523万となっています。
以下の表3に、都道府県別の平均基本給月額の一例をまとめました。
表3
都道府県 | 月給 |
---|---|
北海道 | 32万9666円 |
山形 | 34万129円 |
東京 | 38万6564円 |
大阪 | 35万9808円 |
福岡 | 34万2903円 |
沖縄 | 32万3073円 |
※総務省「令和4年地方公務員給与の実態」を基に筆者作成
地方公務員で同じ一般職でも、都道府県別に年収が異なります。
公務員の年収は、対象者の条件によって異なり、大きく分けて国家公務員、地方公務員、さらに職種や学歴、年齢が反映されます。特に事務次官や本府省局長、本府省課長の年収は高く、数千万円が支給されています。
公務員は雇用が保障されており、基本的には定年まで働き続けられるメリットがありますが、社会全体の責任を担う仕事であるため、年収も高く設定されている傾向があると考えられます。
内閣官房内閣人事局国家公務員の給与(令和5年版)
国税庁令和5年分民間給与実態統計調査
総務省令和4年地方公務員給与の実態
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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