高橋大輔と浅田真央が見つめ合う『スターズ・オン・アイス』でのコラボ 「うまくいっている、よね?」

能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

高橋大輔と浅田真央が見つめ合う『スターズ・オン・アイス』でのコラボ 「うまくいっている、よね?」

4月5日(土) 8:15

提供:
『スターズ・オン・アイス2025』中編(全3回)

『スターズ・オン・アイス』でコラボした浅田真央と高橋大輔(4月5日撮影)

『スターズ・オン・アイス』でコラボした浅田真央と高橋大輔(4月5日撮影)





【高橋大輔が担う"導く使命"】4月4日、大阪。東和薬品RACTABドームで開催されるアイスショー『スターズ・オン・アイス』(4月5、6日)の前日練習だった。

サブリンクで高橋大輔は、浅田真央、村元哉中、友野一希と4人でのコラボナンバー『Silhouette(シルエット)』の仕上げに臨んでいた。メインリンクでは男女8人のグループナンバー、B'zの『ultra soul(ウルトラ・ソウル)』が何度も繰り返し鳴り響く。4人は手元のスマートフォンから出る音を拾って、一つひとつの動きを確認しながら滑っていた。

高橋の滑りには、ほのかな色気が漂った。重心の低いスケーティングで、力強く氷を押し、エッジを最大限まで倒す。彼はシルエットだけで違いを見せられる。優れた感性をスケーティングに落とし込み、全身をくねらせながら表情も恍惚とさせ、伸ばした指先まで艶めかしく動かした。

高橋の赤い色を入れた髪は長めで、黒いヘアバンド姿だった。体が温まり、汗がにじんできたのか。黒っぽい上着を脱ぐと、下は蛍光イエローのトレーナーだった。子どもの頃から周りが驚くほど、「服装の合わせ方にはこだわりがあった」と言うだけに、彼だけの着こなしだろう。センスは独自で天才的に見えるが、それは生きるなかで研鑽を積んだものだ。

氷上に立った時、高橋は何者かになり代われる。それは競技者だった過去も、表現者である今も変わらない。あるいは『氷艶』『滑走屋』などの舞台を経た現在、別格の空気を醸しだしつつある。

「こんなに長く氷の上に立っていたことはない」「プロフェッショナルを感じました」「ここまでこだわるんだなって」

高橋と一緒に過ごしたスケーターたちはそう言って、劇的な成長を遂げている。今は、「導く」という唯一無二の使命を果たしているのだ。

今回の『スターズ・オン・アイス』、高橋はどんな姿を示すのか?

【うまくいっている、よね?】高橋はシングルスケーターとしてあらゆる栄光に浴し、一度引退したあと、復帰して全日本選手権で準優勝している。引退と同時にアイスダンサーへ転向し、再び全日本王者となり、新たな境地を切り拓いた。そのキャリアは説明がつかない。誰もなしえない快挙だ。

その彼がリンクに立つ時、妥協はない。

「ここに来るまで、3日間のリハーサルを重ねてきて。(村元と)ふたりでいろいろと考えながら詰めてきました。今日一日、哉中ちゃんの振り付けを一緒に考えながら、みんなで練習すれば、いいナンバーに仕上がっているはずで......頑張ります!」

高橋はいつもの調子で、少しおどけて言った。彼にとっては、氷の上の姿がすべてなのだろう。報道陣から「浅田さんとのコラボはうまくいっていますか?」と聞かれると、彼らしくおずおずと「うまくいっている、よね?」と、浅田に確認していた。

「うまくいってます!」

浅田は明朗な声で答えている。

【浅田真央を堂々とリード】その日、高橋のスケートが特別に映った理由はもうひとつあった。それは、コラボナンバーを浅田と滑っていた点だろう。ふたりはフィギュアスケートの歴史にその名を刻み、「彼らの前後にフィギュアスケートが存在している」と言っても過言ではない。

アイスダンスでも日本のトップに立った高橋は浅田の手を取ると、たおやかに肩を抱き寄せ、堂々とリードしていた。そのスケーティングの優雅さはシングル時代から代名詞だったが、アイスダンスを経て異境に入っている。今回はふたりが見つめ合う一瞬、「永遠の今」をファンは感じられるかもしれない。

もっとも、高橋が村元と滑るパートは、誰も入る余地のない濃密さだった。"かなだい"として、たった3年で世界選手権トップ10まであと一歩に迫った挑戦は、今や伝説的である。カップル競技を活性化させ、フィギュアスケート人気を新たに開拓した。

今回、高橋と振り付けをつくってきた村元は『スターズ・オン・アイス』の会見でこう説明している。

「今回のコラボはスペシャルで。ちょうどさっき、(友野)一希と一緒に合流してできたばかり。このあとも練習があるんですけど、いい流れではあるので。完成度としては、もうちょっとクオリティを上げていかないと、ですが。一日で仕上げたいと思います!」

その言葉どおり、サブリンクの練習ではディテールまでこだわっていた。4人が調和したナンバーは、「フィギュアスケートのひとつの時代」の叙情を感じられるかもしれない。

「現役を引退して、久しぶりに『スターズ・オン・アイス』に参加させてもらうことになりました。大阪は住んでいたことがあるので、久しぶりに楽しみながら!」

高橋が言う「楽しむ」は、「楽しませる」と同義である。大阪公演のあと、『スターズ・オン・アイス』は4月12、13日に札幌でも行なわれる。

後編につづく>>4月6日午前公開予定

【関連記事】
<前編>【フィギュア】浅田真央と島田麻央がアイスショー初共演18歳下の「まお」からの質問に金言
<新着・写真>浅田真央、高橋大輔、村元哉中...「スターズ・オン・アイス2025」フォトギャラリー
【フィギュア】落ち込んだ鍵山優真を励まさなかったカロリーナ・コストナー「失望の時間のあとに学びの時間が来る」背景に自身の苦悩
【フィギュア】復帰1年で世界女王のアリサ・リュウが語る「16歳での引退」「人生の優先順位」「恋しかった疾走感」
【フィギュア】復帰の可能性は? 五輪王者ネイサン・チェンに直撃「医学部出願へ向け本当に忙しい」 現世界王者・女王への思いも明かす
Sportiva

新着ニュース

エンタメ アクセスランキング

急上昇ランキング

注目トピックス

Ameba News

注目の芸能人ブログ