4月4日(金) 0:50
飛行機が遅延する主な原因には、天候不良、機材トラブル、機材繰りの3つがあげられます。ここでは、国土交通省の「特定本邦に関する航空輸送サービスに係る情報公開のポイント」を基に、各原因の詳細を解説します。
天候は飛行機の運航に大きな影響を与える可能性がある要素の一つです。特に台風や大雪、豪雨、霧、雷といった気象条件が発生すると、安全のために遅延や欠航が発生する場合があります。天候による影響は、遅延だけではなく欠航の原因にもなることも多いため、特に長距離便では代替便の手配が必要になることもあるでしょう。
機材の不調や整備も遅延原因の一つだと考えられます。飛行機は厳格な整備基準の基で運航されているとされています。しかし、不具合や故障が発生すると、整備や点検のために遅延が生じるケースがあるようです。安全基準を満たせない場合や修理が間に合わない場合には、欠航になるケースもあるでしょう。
飛行機の遅延原因として最も多いものは機材繰りだといわれています。機材繰りとは、前の便で発生した遅延が、後の便にも影響を及ぼす状態を指すようです。航空機は1日に複数のフライトをするため、1つの便が遅れると、その後の便にも影響の及ぶことがあります。
例えば、午前中に成田空港と新千歳空港の往復があり、午後には福岡空港への便が控えているとしましょう。このとき新千歳空港で何らかのトラブルにより遅延が発生すると、その影響が午後の便に波及し、その日のスケジュール全体に影響する可能性があるのです。
航空会社側に起因する理由で遅延が生じた場合、一定の補償が受けられる可能性があります。ただし、補償内容は航空会社の種類によって異なります。
ANA・JALといった大手航空会社の場合、会社責任での遅延の際には、便の変更・ほかの交通機関への変更などといった対応を受けられるようです。払い戻しを受けることも可能とされており、手数料に関しては両社ともに免除されるとしています。
また、遅延により予約便や振替便が翌日以降となる場合には、宿泊先への移動にかかるタクシー料金や宿泊費も補償される場合があります。なお、会社によってはお見舞い金として一人1万円が支払われるケースもあるようです。
LCC(ローコストキャリア)の場合、補償内容は大手航空会社と比べて限定的です。
・振替便の手配は同社便のみ
・他社便への変更は原則不可
・払い戻しは可能
・宿泊費や交通費の補償はなし(例外あり)
会社によって違いがありますが、基本的に、次の便が出るまで空港で待機することになるため、利用者側で対応策を考える必要があります。
飛行機の遅延理由はさまざまですが、主な原因としては「天候不良」「機材トラブル」「機材繰り」などが挙げられます。航空機は1日に複数使われる場合があるため、1つの便の遅延が連鎖的に影響を及ぼすことも少なくありません。特にLCCでは保有機材が少ないため、遅延の影響を受けやすい傾向があります。
遅延時の補償内容は航空会社ごとに異なります。大手航空会社では、振替便の手配や宿泊費補償が受けられる場合がありますが、LCCでは補償が限られることが多いようです。航空会社の対応方針を事前に確認し、遅延に備えることが重要です。
国土交通省航空輸送サービスに係る情報公開(令和5年度第4回)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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