穴井詩も太鼓判のアマチュア・後藤あい(撮影:福田文平)
4月4日(金) 9:52
<YANMAR HANASAKA Ladies2日目◇4日◇琵琶湖カントリー倶楽部 琵琶湖・三上コース(滋賀県)◇6395ヤード・パー72>
16歳のアマチュア・後藤あいが、1バーディ・3ボギーの「74」で回り、トータル7オーバーの22位タイで予選を通過した。
この1年ほどで身長が約3センチ伸びて167センチとなった高校2年生の魅力は圧倒的な飛距離。ドライバーの平均飛距離はキャリーで250ヤード、平均で260ヤードを誇る。ヘッドスピード、ボール初速は男子並み。ポテンシャルの高さは高校ゴルフ界では知れ渡っており、本人も「自分の持ち味は飛距離を生かした攻撃的なゴルフです」と即答する。
だが、無類の長距離砲にも弱点がある。「杉とヒノキですね。辛いです。小学生のころからです」という花粉症に今週も悩まされている。「特に鼻水がひどくて…」。前日の初日はハーフターン時に薬を飲んだが、「頭がぼっーとして、吐き気もあった」と「77」を叩いて51位と出遅れた。それでもパー5の8番は、左ラフから残り250ヤードを3番ウッドで2オンに成功。楽々とバーディを奪った。
難しいコースセッティングで全体的にスコアが伸びないなか、この日は粘りのゴルフで22位にアップ。「マスクをすると息苦しくなるので」と目に見えない敵と必死に戦いながらも、終わってみれば8人が出場したアマチュアでは最上位に上がってきた。
ツアー屈指の飛ばし屋で通算5勝の穴井詩を指導する石井雄二プロに小学5年から師事する。神戸市出身で高校はゴルフ部のない松蔭高に通い、マンツーマンの指導を受ける日々。天性の才能が開花しつつある16歳に、このオフに初めて一緒にラウンドした穴井も「あいちゃんはすごいです。私より飛んでいます」とあきれ顔で話したことがあった。
体調が万全ではない今週の飛距離は控えめだが、9番のティショットはフェアウェイ右のバンカーに飛び込んだ。かっ飛びだった豪打は「多分、270ヤードくらい飛んだと思います」とさらり。さらに、ボギー発進だった1番は「ティショットがチョロ気味で」と苦笑したが、その飛距離は230ヤードだったというから驚きだ。
「この冬はウェートトレもやるようになって、体を鍛えました。飛距離も少し伸びたと思います」
3月の「全国高校選手権春季大会」も花粉症が影響して18位に終わった。会場は10月の「日本女子オープン」の舞台となる兵庫・チェリーヒルズGCだった。昨年の国内最高峰大会は最終予選で敗退。「地元だし、今年は出てみたい」と秋には再びコースに戻ってくることが、今年の大きな目標の一つだ。
上位を目指す最終日。「しっかりドライバーを振る自分のゴルフをやり通したい」。将来を嘱望される期待の16歳は力を込めた。(文・臼杵孝志)