Bunkamura Production 2025『泣くロミオと怒るジュリエット2025』公演ビジュアル
4月4日(金) 3:00
Bunkamura Production 2025『泣くロミオと怒るジュリエット2025』の公演ビジュアルが公開された。
シェイクスピアの名作『ロミオとジュリエット』を、作・演出を手がける鄭義信のルーツである関西の戦後の港町に置き換え、キャストは全員男性、セリフは全編関西弁に翻案した本作。2020年に初演されるも、新型コロナウイルスの影響により、全公演完走することなく中止に。5年ぶりとなる再演は、桐山照史と柄本時生が続投し、屋台で働く真面目な青年ロミオ役を桐山、心根が真っ直ぐで優しいジュリエット役を柄本が演じる。共演には、ジュリエットが姉のように慕うソフィア役で初演から引き続き八嶋智人、そしてロミオの父親代わりであり町で診療所を営むローレンス役で渡辺いっけい、さらに浅香航大、泉澤祐希、和田正人、中山祐一朗、朴勝哲、高橋努、市川しんぺーといった、個性と実力を兼ね備えた新たな布陣が登場する。
このたび公開されたのは、登場人物たちが物語から飛び出してきたような公演ビジュアル。鄭の劇世界ともリンクするどこか懐かしく哀愁を帯びながらも力強く生きる登場人物たちが描かれている。
『泣くロミオと怒るジュリエット2025』は、2025年7月6日(日) から28日(月) に東京・THEATER MILANO-Za、8月2日(土) から11日(月・祝) まで大阪・森ノ宮ピロティホールで上演される。また、共演キャストからのコメントも到着した。
■ベンヴォーリオ役:浅香航大 コメント
初めて観た鄭義信さんの作品は『パーマ屋スミレ』(12年初演)。戦後の日本の大きな変化から切り捨てられていく人々の姿が儚くも美しく、強く印象に残りました。そんな奥深い鄭さんの作品に呼んでいただき、その一部になれることが嬉しくて仕方ありません。劇中の人物たちと同じく、鄭さんもエネルギッシュで濃密な稽古をして下さるとのこと。その熱に飲み込まれるだけでなく、自分なりに立ち向かい食らいついていくのが目指すところです。
ベンヴォーリオは友情や愛の狭間で葛藤しながらも、自分なりに筋を通します。自分ひとりで考えるのではなく、桐山照史さんをはじめ関わる人との間に生まれるものが反映されて変化する役だと思うので、共演の皆さんとじっくり育てていきたいと思います。
■マキューシオ役:泉澤祐希 コメント
「男性だけの『ロミジュリ』ってどういうこと?」。お話をいただき、興味がグッと湧きました。さらに、記録で拝見した柄本時生さんの可愛さ(笑)と怒涛の展開、キャストの皆さんの大きな熱量にも圧倒されて。「舞台経験の少ない僕がついていけるか?」と悩みつつも作品の魅力に抗えず、参加させていただくことにしました。
映像で共演した際には優しく接していただいた・浅香航大さん、大先輩・八嶋智人さん、そしてヒロイン・柄本時生さんと共演歴のある頼もしい先輩方がいらっしゃるので、思い切り胸を借りて稽古と本番に挑めたらと思います。鄭義信さんは初めましてなのですが、非常に濃密な稽古をして下さる方とのことなので、しっかり食らいついていきたいと思います!
■ロベルト役:和田正人 コメント
『歌うシャイロック』(23年) に続き、鄭義信さんの作品への参加は2度目。共にシェイクスピア原作で、良いご縁をいただけました。戦後の混乱期、架空の関西の町が舞台の今作は、鄭さんの翻案により原作以上に「愛とは、人間とはなんぞや?」という深い問いを投げかけるドラマになっています。『歌う~』の現場で、俳優の事前準備は鄭さん演出の前では無意味だと痛感したので(笑)、現場の空気に身を委ね、瞬間瞬間に生まれるものを吸収しながら役を深められたら、と。
演じるロベルトは原作に直結するキャラではなく、登場シーンも限られています。鄭さんが何故この役を作ったのか、彼は作品の何を背負っているのか今は絶賛考え中。稽古の中で自分なりの答えを見つけたいと思います。
■巡査 スズメ役:中山祐一朗 コメント
僕が鄭義信さんの演出を初めて受けた『エダニク』(19年) の創作と、この舞台の準備が重なっていたんです。楽しそうに打ち合わせする様子を見て、「今、鄭さんの心はここにない……」と寂しくなった、その作品に呼んでいただけたのは不思議なご縁です。観に行った初演も最高に面白かったので。
演じるスズメは初演でみのすけさんが演じた役。実は以前も、みのすけさんが演じた役を引き継いだことがあるんです。佇まいや雰囲気が似ていると言われることもありますが、僕にはあのキレイな声もにじみ出る哀愁も真似しようのないもの。相棒のカラス役・市川しんぺーさんの巧みなツッコミでいなしてもらいながら、新たな座組に必要とされる、僕なりのスズメ像を探っていきたいと思っています。
■傷痍軍人役:朴勝哲 コメント
鄭義信さんは、私を“劇中で演奏する俳優”として多くの舞台に参加させて下さいました。中でも今作は、普段以上に煌びやかで初めましての方が多い座組。稽古場もオシャレな街にあり(笑)、毎日が男子校の部活のように賑やかで楽しかったことを覚えています。だから感染症禍での中断は本当に悔しく、鄭さんと会うたび「絶対にリベンジを!」と話していました。
そんな思い入れのある作品を桐山照史さん、柄本時生さんら続投組+新たな仲間の混成チームで進化させる今回。鄭さんからどんな要求が来るかドキドキしつつも、参加できたことが嬉しくてたまりません。初演から5年を経た今回。演奏はもちろん頑張りますが、俳優としても少しは成長したところをお見せできたらいいですね。
■ティボルト役:高橋努 コメント
無念の公演中断から5年。「この役は絶対自分が演りたい!」と念じ続けたお陰か、再びティボルトを演じさせていただくことになりました。人生を放り投げ、死に向かうようにしか生きられないティボルトは、僕にとってもやりがいがある役。初演からずっと自分の中に生き続けていたこの役と、再び向き合えることは俳優冥利に尽きることです。
俳優の持てるもの以上を常に求め、限界を更新させて下さる鄭義信さんの演出。声が枯れるほど喋り倒すくらい楽屋まで楽しくしてくれた八嶋智人センパイと絡むのが心底楽しい柄本時生さん、そして繊細なロミオそのものの桐山照史さんをはじめとする仲間たち。新しい最高の座組で作品を深化させ、お届けしたいと思います!
■警部補 カラス役:市川しんぺー コメント
鄭義信さんの作品は観ていたものの、オファーをいただいた時点では初演どころか原作の『ロミジュリ』すらよく知りませんでした。世界的に有名な古典戯曲を知らない演劇人でスミマセン……。慌てて手にした原作はツッコミどころが多いものの面白く、さらに鄭さんバージョンに至っては、読んだだけでグッと来て涙が込み上げてくるほど。戦後の混乱期をぶっとく生きる人間のエネルギーが、観る人を惹きつけるのでしょう。
僕が演じるカラスは小さな権力を持つ警察官。でも悪事は見て見ぬフリで、自分の利益しか考えていない。高圧的なカラスと違い、僕は相手が強く来るとすぐ謝るタイプ(苦笑)。相棒のスズメ役を演じる、旧知の中山祐一朗君の力も借りつつ頑張らねばと思っています。
■ソフィア役:八嶋智人 コメント
コロナ禍での公演中断を経て、改めて東京・大阪で公演できることを非常に嬉しく思っています。男性のみの座組は互いに気兼ねも恥もなく、どんな挑戦もできる稽古場でした。柄本時生君と僕だけが女性役で、そのせいか皆さんに優しくしていただいたのも良い思い出です(笑)。
作り込んだヘアメイクでもない時生君のジュリエットは日々愛おしくなり、そんな“彼女”を持ち前の懐深さと優しさで包み込む桐山照史君との純愛は、多くのお客様の涙を誘いました。演劇愛ゆえのしつこさでとことん創り続ける鄭義信さんの演出は、今回さらに過熱しそうです。初演を土台にしてさらなる高みを目指せるメンバーが揃った今回。ひとりでも多くの方に目撃していただきたいと思っています。
■ローレンス役:渡辺いっけい コメント
『てなもんや三文オペラ』(22年) で初めてご一緒した鄭義信さんは、開幕後もダメ出しをする稀有な演出家。諦めず、何度でも同じ言葉で欲するイメージを俳優に伝えて下さるうえ、時には「そこは日替わりで」などと無茶も仰る。僕の中のマゾっけが大いに刺激されました。
記録を拝見した初演版は、観ながら涙を1ガロンは流すほどの素晴らしさ。新たに加わるメンバーとしてはプレッシャーも感じますが。実は僕、母校の大阪芸術大学1年時の修了公演で『ロミジュリ』のローレンス神父を演じたんです!19歳以来に同じ役を演じられるとは実に感慨深い。40年以上を経た今、食べ物ならば腐りかけの旨味が出ているはずなので(笑)、皆さんとの創作に熟成風味を加えられたらと思っています。
<公演情報>
Bunkamura Production 2025
『泣くロミオと怒るジュリエット2025』
作・演出:鄭義信
【出演】
桐山照史、柄本時生、浅香航大、泉澤祐希、和田正人
中山祐一朗、朴勝哲、高橋努、市川しんぺー、八嶋智人、渡辺いっけい
久具巨林、嶋村昇次、鈴木幸二、十河尭史、田口太智、長南洸生、西村聡、羽鳥翔太、平岡亮、森野憲一
【東京公演】
2025年7月6日(日)~28日(月)
会場:THEATER MILANO-Za
【大阪公演】
2025年8月2日(土)~11日(月・祝)
会場:森ノ宮ピロティホール
公式サイト:
https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/25_romeo_juliet.html