4月2日(水) 20:10
年金にはさまざまな種類がありますが、多くの方が受給を期待できるのは国民年金と厚生年金でしょう。いわゆる公的年金と呼ばれるものです。
ここからは、国民年金と厚生年金の平均受給額について解説します。
国民年金の加入対象は、日本に居住する20歳以上60歳未満のすべての人です。保険料を納付した期間と保険料の納付を免除された期間を合わせた、受給資格期間が10年以上であることが受給の条件です。
国民年金の受給額は、保険料を納付した期間によって決定されます。また、保険料や支給額は、厚生労働省が前年の経済状況などを踏まえた改定を行うため、毎年一律ではありません。令和7年度における国民年金の満額は、月額で6万9308円です。令和6年度は6万8000円だったため、1308円引き上げられたことになります。
厚生年金は公務員のほか、企業などに所属する会社員などが加入できる年金制度です。そのため、自営業者などは原則加入できず、厚生年金を受け取れないでしょう。厚生年金は国民年金の受給資格があり、厚生年金に加入していた期間があることが受給の条件です。
厚生年金の受給額は、納めた保険料によって決定されます。厚生年金の保険料は年収によって異なりますが、年収が高いほど納める保険料も多くなります。そのため、厚生年金に加入している間の年収が高いほど、受給できる年金額も多くなるのです。
厚生労働省年金局「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和5年度における厚生年金の平均受給額は月額14万7360円とされています。なお、この受給額には国民年金も含まれています。
総務省の「家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要」を参考に、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における支出額の月平均額を表1にまとめました。
表1
65歳以上の夫婦二人のみの無職世帯 | |
---|---|
消費支出の月平均額 | 25万959円 |
非消費支出の月平均額 | 3万1538円 |
合計支出額 | 28万2497円 |
出典:総務省「家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要」を基に筆者作成
非消費支出とは、直接税と社会保険料を合わせたものです。
国民年金を含めた厚生年金の平均受給額が一人当たり月額で14万7360円ですから、夫婦二人分であれば月額で29万4720円の年金収入になります。ただし、夫婦二人が国民年金を含めた厚生年金の平均額を受給できることが前提です。
あくまで、平均額による収支計算ですが、夫婦2人分の年金収入は合計支出額の28万2497円を上回ります。そのため、年金収入だけでも生活は可能でしょう。ただし、黒字額はごくわずかなため、突発的な支出には対応しきれない可能性があります。また、年金収入だけで生活をするには、毎月の支出額を安定して平均程度に抑える必要があります。
無論、実際の年金受給額や支出額によっては、収支が赤字になってしまうこともあるでしょう。その場合は貯蓄から捻出するか、年金以外の収入源を確保するなどの対策が必要です。
年金収入だけで老後生活が可能なのか判断するためにも、毎月の支出額をきちんと把握しておくことをおすすめします。毎月の支出額を把握できれば、毎月いくらの収入が必要なのかも判断しやすくなります。
老後に受け取れる年金ですが、多くの方が期待できるのは国民年金と厚生年金でしょう。国民年金と厚生年金の受給額は、人によって異なります。厚生労働省によると、令和5年度における国民年金を含めた厚生年金の平均受給額は一人当たり、月額で14万7360円です。夫婦二人分であれば、29万4720円となります。
総務省によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における支出額の月平均額は28万2497円とされています。夫婦二人分の年金収入が支出額を上回るため、年金収入だけで老後生活を送ることは可能です。
ただし、あくまで平均額を基にした収支計算であることから、実際の年金受給額や支出額によっては、赤字になることもあるでしょう。その場合は貯蓄からねん出するか、年金以外の収入源を確保する必要があります。
厚生労働省 令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況(8、19ページ)
総務省 家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要(19ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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