3月31日(月) 20:00
ペット禁止の賃貸物件では、静かな環境を保つため、またほかの住人への迷惑を避けるためなどの観点から、ペットを飼うことはできません。また、ペットを飼うことが許されている場合でも、一定のルールに従う必要があります。
また、仮にペットと暮らしていた部屋を次の入居者に貸す場合、壁や床すべてを取り換える必要がある場合もあるため、修繕費が高額になる可能性があります。また、隣室の住人などがアレルギーを発症すると、医療費の支払いが必要になることも想定されます。
また、一般的に単身者の引っ越し費用は5~10万円ほど、引っ越し先の敷金や礼金、手数料や保険料で20~30万円はかかると考えられます。お隣のペットの鳴き声で引っ越すにしても、自分に問題はないのにこれだけの金額を支払うことになるのは避けたいものです。
ペット不可の物件で隣人がペットを飼っている場合、明らかに規約違反です。管理会社に報告することは問題解決への一歩ですが、その後のトラブルを避けるためには事前に報告後のリスクを理解することが大切です。どのようなリスクがあるのか見ていきましょう。
管理会社に報告した結果、隣の住民に対して直接的な通知が行われることがあります。隣人がそのことを知り、報告者に対して反感を持つかもしれません。このような場合、隣人との関係が悪化し、今後の生活において不快な状況を招くおそれがあるでしょう。
場合によっては、報告したことをきっかけに、隣人が報復的な行動を取る可能性があります。例えば、生活音に意図的に気を使わなくなったり、嫌がらせをされたりするといった事象が考えられます。
ペットが鳴き声を発する理由はさまざまであり、飼い主が意図して騒音を出しているわけではない場合も多いでしょう。その点を無視して報告することで、隣人は不平等を感じるなどし、逆恨みをする可能性もあります。
管理会社に報告したものの、対応が遅れたり、問題が解決しなかったりすることもあるかもしれません。これは、管理会社が報告内容を把握するのに時間がかかる場合や、隣人に対して注意や警告を出す際に慎重な対応が求められる場合などに起こり得ます。
場合によっては、問題が長期化してストレスが溜まり、生活の質が下がる可能性も考えられるでしょう。
報告後に発生するトラブルのリスクを減らしたい場合、匿名で相談する方法が有効です。匿名であれば、隣人に自分が報告者であることがバレる心配がなく、関係の悪化や逆恨みを避けることができます。
匿名の方法はさまざまですが、まずは電話で「匿名を希望する」旨を最初に伝えたうえで問題点を説明しましょう。管理会社の担当者は、相手側に報告者の素性を明かすことなく、全世帯に通知を出したり相手側に直接注意したりといった形で問題に対応するよう努めてくれるはずです。
管理会社や隣人との良好な関係を保ちながら問題を解決するためには、まずは冷静かつ思いやりのあるアプローチが大切です。感情的に対応してしまうと、誤解や対立が生じやすくなってしまいますので、冷静に事実を伝えましょう。
また、問題を解決するためには、管理会社に対して具体的な状況を明確に伝えることが欠かせません。例えば、「夜間に犬が頻繁に鳴き、睡眠に支障をきたしている」といった具体的な事例を挙げることで、管理会社は理解しやすくなるでしょう。
なお、管理会社はあくまでも中立的な立場のため、問題解決には時間がかかることも想定されます。問題を報告した際には、必要に応じて「対応が遅れていないか」「解決のためにどのような対応をしているか」といったフォローアップを行い、管理会社と密に連絡を取り合うことが大切です。
隣人に自分が管理会社に話したとバレたくない場合、匿名での報告も検討しましょう。
ペット禁止の物件でペットが飼われている場合、その騒音によるトラブルは生活に大きな影響を及ぼすことがあります。問題を円滑に解決するためには、管理会社への報告も有効な手段です。
しかし、「管理会社に報告することでトラブルになるのが心配」という人もいるでしょう。その場合、感情的にならず冷静に対処することが大切です。本記事の内容を踏まえ、匿名で管理会社に相談するなど円満な解決を目指しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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