3月31日(月) 22:00
3月は、新年度を控えて引っ越しや転職など、生活環境が大きく変わるタイミングです。この時期、人々は多くの手続きや準備に追われており、注意が散漫になりがちです。詐欺師たちは、そんな「心のスキ」を狙って巧妙に近づいてきます。
また、確定申告の締め切りも3月15日(2025年は3月17日)にあるため、「税金」や「還付金」に関する詐欺に注意が必要です。特に、ATMでの還付金詐欺の被害が増加しているため、警戒が必要です。
詐欺のターゲットは高齢者だけではありません。SNSやSMSを利用した手口では、若者や単身者も狙われやすくなっています。詐欺は誰にとっても「身近な危険」なのです。
では、実際にどのような手口で詐欺が行われているのでしょうか?ここでは、3月に多発している典型的な事例を紹介します。
「格安引っ越しサービス」を装い、ネット上で申し込みを受け付ける偽業者が存在します。事前に料金を振り込ませておきながら、当日になっても業者が来ない…という被害が報告されています。
また、実在する大手業者のロゴや社名を真似たホームページを作成し、信頼させるケースもあります。申し込む前には、口コミや会社の所在地、電話番号をしっかり確認することが重要です。
「お荷物のお届けに伺いましたが不在のため持ち帰りました」というSMSとともに、偽のURLが送られてくるケースです。URLをクリックすると、宅配業者そっくりの偽サイトに誘導され、IDやパスワード、クレジットカード情報の入力を促されます。
特に引っ越し中は荷物の受け取りが多く、「自分宛てかも」と思ってしまいがち。心当たりのないSMSは開かず、正規のサイトで確認しましょう。
転職活動中の人を狙った「簡単・高収入」の求人広告に注意が必要です。SNSや掲示板で、「日給10万円」「1時間以内で仕事をするだけで即日高額払い」といったうたい文句があるものは、特殊詐欺の「受け子」など違法行為に加担させられる可能性が高いです。
実際に、詐欺グループに加担して逮捕されるケースもあり、軽い気持ちで応募すると人生を大きく狂わせることになります。
確定申告の時期になると、「税金の還付があります」「保険料の返金があります」といった名目で連絡をしてくる詐欺が増えます。電話やメールで個人情報や口座番号を聞き出そうとしたり、ATMに誘導して操作をさせたりするのが典型的な手口です。
公的機関が電話で還付手続きを指示したり、ATMで手続きを求めたりすることは絶対にありません。不審な連絡があった場合は、一度電話を切り、公式な連絡先から確認することが大切です。
詐欺に遭わないためには、「自分は大丈夫」と思わず、日頃から警戒心を持つことが何よりも重要です。以下のポイントを意識するだけで、被害のリスクを大きく下げられます。
1.公式な情報源を確認する習慣をつける
業者や自治体からの連絡が本物かどうかは、公式サイトや電話番号で必ず確認を。
2.不審な連絡はすぐに信じない
SMSや電話での急な請求や還付案内は詐欺を疑いましょう。すぐに返信せず、調べる時間を取りましょう。特に、公的機関を装った還付金詐欺の場合、ATMでの操作を求められることがありますが、これは常に詐欺だといえます。
3.個人情報は安易に教えない
たとえそれが「身分確認」や「還付手続き」の名目であっても、口頭やSMSで個人情報を伝えるのは危険です。
4.スマホに迷惑対策アプリを入れる
迷惑電話・SMSのフィルター機能があるアプリを利用すれば、詐欺の多くを自動でブロックできます。
5.周囲の人と情報共有する
被害に遭いそうな高齢の家族や、SNSをよく使う若い人にも「こういう詐欺があるよ」と伝えることで、被害の連鎖を防げます。
詐欺の手口は年々巧妙になっています。特に3月は、生活の変化に伴い詐欺師にとって「チャンスの季節」です。しかし、冷静に情報を見極め、事前に対策を取っていれば、被害に遭うリスクは大きく減らせます。
この記事で紹介した手口や対策を参考に、ぜひ一度自分の生活を見直してみてください。引っ越しや転職といった大きな節目だからこそ、安心して新生活をスタートさせるために、今から準備をしておきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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