4月1日(火) 0:40
車を買い替えるときに下取りが可能な車かどうかを判断するために、業者は査定を行います。査定を担当するのは、日本自動車査定協会(JAAI)の資格を持つ「中古自動車査定士(以下、査定士)」です。
資格のある査定士が車の価値を公平に判断しますが、具体的にどのような項目がチェックされるのでしょうか。以下で、査定の項目から解説します。
査定士が行う査定では、細部までさまざまなポイントがチェックされます。例えば、外装の傷やへこみは、大きさや場所によって減点幅が異なり、評価額に影響します。主な査定項目は、以下のとおりです。
●年式、走行距離、車種……年式は新しいほど、走行距離は短いほど、また人気車種ほど高い査定になる
●内外装(エンジンルームを含む)……内外装は傷や汚れがないほど高い査定になる
●純正オプションや付属品の有無……純正オプションが付いていればプラス査定になる
●事故歴、改造歴の有無……事故歴や改造歴があれば査定が下がる
20年乗った車は年式が古いため、市場価値としては低くなることがあります。しかし、以下の条件に当てはまる場合には高額で取引される可能性があります。
●走行距離が短く、事故歴がない
●人気車種やクラシックカーとしての価値がある
また、日本車は耐久性や信頼性から海外で人気が高く、一部の業者では輸出目的で買い取りを行うことがあります。さらに、20年落ちの車は部品の製造が終了していることが多く、部品としての価値が認められる場合もあります。
下取りに出す前に工夫したり、買い替えの時期を調整したりすることで下取り価格を少しでも高くする方法があります。下取り査定の前に、下記の点をチェックしましょう。
1. 業者の決算月の前月(3月・9月など)に買い替える
車を下取りに出すタイミングとして、自動車業界の決算期である3月や9月は狙い目とされています。特に決算期には販売店が目標達成のために値引きや下取り額を優遇する傾向があります。
2. 車検までの期間が長いうちに買い替えることで価値を高める
車検までの期間が残っている場合、査定額が有利になることがあります。車検が近いと追加費用が発生する可能性があるため、車検前のタイミングで売却することがおすすめです。
3. 査定前に洗車や内装の清掃をしておく(査定士の印象をよくする)
査定前には洗車や内装清掃を行い、汚れや臭いを取り除いておくことが重要です。これにより減額要因を防ぎ、査定士によい印象を与えることができます。
20年乗り続けた車は一般的に走行距離が長く、故障のリスクも高くなります。そのため下取り価格が低くなるか、下取りの対象外となる可能性があります。
ディーラーや一般的な中古車業者は、下取りした車を国内で再販売することを目的としています。そのため、20年落ちの車などの市場価値が低い車両は売却が難しく、下取りを断られるケースもあります。
もし下取りができなかった場合は、別の方法で売却や処分を検討しましょう。
ディーラーなどで下取りができない場合は、買取専門業者を利用する方法もあります。下取りと買い取りの違いは以下のとおりです。
●買取専門業者は車の部品も評価するため、下取り不可の車でも買い取る可能性がある
●ディーラーでは他社の下取り価格は考慮しないが、買取専門業者は複数社から見積もりを取って比較することが可能である
●一般的にディーラーでの下取りよりも買取専門業者のほうが高くなることが多い
ディーラーでも買取専門業者でも値が付かなかった場合は、車の廃棄処分(廃車)という選択肢もあります。ディーラーでも廃車手続きを依頼できますが、廃車費用は普通車で1万円以上かかるのが一般的です。
一方、廃車専用業者では、引き取り費用や手続き代行が無料になる場合があります。また、一部の業者では、海外輸出や部品販売を目的として買い取りされることもあります。
20年乗った車であっても事故歴や修理歴がなく、定期的なメンテナンスを行っていれば下取りが可能な場合もあります。また、走行距離が短い、車検までの期間が長いなど下取り額が高くなるケースもあります。
しかし、一般的にはディーラーでの下取り価格が付かない、または極端に低いケースが大半です。下取り価格が付かない場合は、買取専門業者や廃車専用業者も検討することをおすすめします。
これらの業者では、輸出需要や部品価値を評価して買い取られる可能性があります。車の買い替えをするときは、複数の業者から見積もりを取って最適な選択肢を見つけてみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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