ベッドで両足をベルト拘束された時の話。不思議な友人たちに命を救われた過去を振り返る【作者に聞いた】

/漫画=桜田洋、原案=高松霞

ベッドで両足をベルト拘束された時の話。不思議な友人たちに命を救われた過去を振り返る【作者に聞いた】

3月31日(月) 2:30

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中学校2年生から高校1年生までのはっきりした記憶がないと語ったのは、書評ライターや連句人として俳句や文芸情報をX(旧Twitter)で発信している高松霞さん(@kasumi_tkmt)。
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家族の不幸に無意識に追い詰められていた日々と、それにより発覚した躁うつ病との日々を綴り、その心情にぴったりな俳句とともにコミカライズ。

作画は、自らのことを「霊感のようなものがある人間」と紹介する漫画家・桜田洋さん@sakurada_youが担当。その柔らかで心に染み入る絵のタッチと、鮮やかな色づかいが魅力。

今回は、「必ず死が訪れる」ことがわかっている、という理由で「動物や花」を買うことができなかった著者が、ふと花を買いたくなったときの話。高松さん自身の俳句も必見だ。



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高松さんによるとこの話は「生死の狭間の、死にごく近いところにいて、でも結局は生に戻って来てしまった話」なのだそう。

「こういう人、案外多いんじゃないかなって思っています。私のように実際に自殺未遂にいたらなくても、ふっとそちら側に行ってしまいそうになった経験、あわてて我に返るような経験をしたことのある方のほうがきっと多いと思います。あるあるネタとして書きました」

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1つ目の俳句「てざわりがあじさいをばらばらに知る」について聞いてみると、「てざわりが」という部分に注目して話してくれた。

「『てざわりで』ではないんですよね。『てざわりが』なんです。助詞ひとつで主体のありかが変わる。これが俳句のおもしろさです」

ちょっと寂しい感じもするが、それでも紫陽花の手触りが心地よい感じもする俳句だ。

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足をベルトで締めてきて放置する、という不思議な友人が登場するシーン。当時、何を考えていたのか質問すると「何も考えていなかったです(笑)」と答えてくれた。

「両手は空いているが許可がないからベルトを外すことができない」と素直に思ったそうだ。途中で彼が窓のカーテンを開けに来て、何も言わずに隣室に戻って行ったらしい。

「あ、これを見てろってことね、と思って、そうしました。そういうシーンです」

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高松さんに、今あらためて、友人たちに伝えたいことを聞いてみると、次のように話してくれた。

「特に自殺未遂のときは、本当に心配をかけてしまいました。今でもたびたび心配をかけてしまいます。だから、いつも本当にありがとうございます、心配も迷惑もかけてしまうけど、なるべく最小限にできるようにするから、仲良くしててください」

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高松さん自身の俳句「靴擦れが自己主張する夏の果て」は、数年前に書いた句とのこと。

「歳を取って自分に合う靴がわかってきたから、靴擦れもしにくくなってきたけれど、あのズキズキとした痛みは自傷のようでもあります」

生きているんだ、という主張を、自分の体から知るイメージを込めて、ここに入れたそうだ。

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第5話では、ふと花を買いたくなった話について描いてもらった。

人とは異なる視点で眺めた世界と、じわっと心に染み入る俳句が織りなす情景を、じっくり味わってみてほしい。



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