SNSで自身の体験を中心に漫画を描いているけろちゃんさん。なかでも新卒で入った会社でパニック障害と適応障害を発症し、ニートになるまでの体験を描いた作品には大きな反響があり、「休職中の生活」や「職業訓練校で学んだこと」などの描きおろしを加えて電子書籍化された。
【漫画】本編を読む本記事ではその電子書籍「とりあえず生きてる! ~新卒1年目で心を病んだニートが社会復帰した話~」から一部抜粋・編集してご紹介。今回は、上司から言われた言葉について。自分の仕事を終えて定時で帰っていると、ある日突然上司から「けろちゃんさんのせいで社内の空気が悪くなっているの」と言われる。呆然としていると、「これからはもっと成長できるためにも、もう少し業務を振り分けます。あなただけ先に帰ったら感じ悪いでしょ?」と告げられ…?




■定時で帰るという概念が、そもそも存在していなかった
「社内の空気が悪くなっている」と言われたときの、率直な気持ちを教えてくれた。
「自分らしくいようとすればするほど、社会に溶け込めなくなるんだなぁって思いました。だから少しでも居心地のいい場所を探してみましたが、結局どこも見つからなくて。空気を作り上げている方たちにとって、私のような目につく存在そのものが、空気を悪くしているんだと思います。だから、その空気を元に戻そうとする圧力が発生するのかなと」




けろちゃんさん以外の新人は、定時で帰っていなかったのだろうか。
「そもそも社員は、誰も定時で帰っていなかったです。『定時で帰ろう』という概念が、そもそも社内になかったですね。きっと同期はその空気を察して、定時に帰らなかったのだと思います。ただ、仕事がないのにお喋りして残っている人も多く、『それは許されるんかい!?』と思っていました。私としては給料泥棒だと感じるのですが....(笑)」
この時期から転職を意識するようになったけろちゃんさん。200万円貯まったら会社を辞めると決意するも、今なら別の行動に出ていたと振り返る。
「転職を考えていたころ、母親との間にさまざまなトラブルもあったので、実家を出ようと決意しました。頼れる家族もいなかったので、多少オーバーなくらい貯金して、余裕を持ってから出たかったんです。それとペットが複数いて、その子たちを連れて行くためにも、200万円くらいは必要だと考えていました。だけどお金は、健康な体と心があってこそ、稼げるものです。今思うと体と心が壊れる前に、退職届を出していればよかったなと思っています…」


会社が合わないことを本格的に悟ったけろちゃんさん。転職活動はスムーズに進むのだろうか?波乱万丈の実体験を描いた漫画を、今後も楽しみにしてほしい。
取材・文=石川知京
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