「ワールドカップ優勝」宣言の森保ジャパンに、セルジオ越後「今の豪州、サウジにホームで勝ちきれない国が優勝を語るのはちょっと無理がある」

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「ワールドカップ優勝」宣言の森保ジャパンに、セルジオ越後「今の豪州、サウジにホームで勝ちきれない国が優勝を語るのはちょっと無理がある」

3月31日(月) 9:10

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セルジオ越後の「新・サッカー一蹴両断」(5)

W杯本大会に向けて自信を見せる森保監督photo by Yanagawa Go!

W杯本大会に向けて自信を見せる森保監督photo by Yanagawa Go!





早くも8大会連続となるワールドカップ出場が決定。サッカー日本代表が2026年北中米ワールドカップのアジア最終予選で圧倒的な強さを見せつけた。ご意見番のセルジオ越後氏に、その戦いぶりを振り返ってもらった。

【W杯予選は結果がすべてなので素直に評価したい】いつの間にか森保一監督や選手たちが「W杯優勝」と言うようになっているけど、優勝を語る前にまだ一度も見たことないベスト8進出を今度こそ見せてほしい。何しろ僕ももう今年で80歳だからね。

日本代表が3月20日に行なわれたバーレーン戦に2-0で勝ち、世界一番乗りでのW杯本大会出場を決めた。

バーレーン戦は、前半から動きがちょっと硬く、ボールを回すリズムも遅くて、相手を脅かすシーンが少なかった。開始早々の遠藤航のゴールがVARで取り消されたけど、あれが認められていたら、また違った展開になっていたのかもしれないね。ただ、それでも、66分に途中出場の鎌田大地がゴールを決めて、そこからはラクになった。

選手個々で見れば、やっぱり久保建英がよかった。チームの攻撃の中心として1得点、1アシストとしっかり結果を出した。

あとは堂安律を挙げておきたい。あまり目立たないんだけど、守備で効いていた。単にハードワークするだけでなく、ポジショニングがいい。本来は攻撃が持ち味の選手なのに、自分に与えられたポジション、役割を理解して、チームの大きな助けになっていた。そういう真面目で賢い選手がいると助かるよ。

バーレーン戦の5日後に行なわれたサウジアラビア戦は、先発6人を入れ替えて臨んだ。自陣に引いて守備を固める相手に対して、日本はボールを保持するものの、中盤での横パス、足下へのパスが多く、なかなか攻撃の形をつくれず、スコアレスドローに終わった。

すでにW杯出場を決めていて無理をする必要がなく、また、スタメンを大幅に入れ替えていたとはいえ、貴重な地上波のテレビ中継があったわけで、普段はサッカーを見ない人にもアピールするチャンスだった。それだけに無得点は残念。

また、この試合で気になったのは、サウジがほとんど攻めてこないのに、森保監督が選手交代こそすれ、システムを変えなかったこと。相手のワントップを最終ラインの3人で見る必要はなかったと思う。3バックから4バックに変更して、もっとサイドからの攻撃に人数をかけるべきだった。実際、両ウイングバック、特に左の中村敬斗は積極的に仕掛けようとしていたけど、孤立気味だった。臨機応変な試合運びという点で課題を残したね。

昨年9月に開幕した最終予選は、ここまでの8試合を終えて、6勝2分け24得点2失点(残り2試合)。過去にこれほど圧倒的な数字を出したことはなかった。W杯予選は結果がすべてなので、まずは素直に評価したい。

【メディアまで「W杯優勝」とファンを煽るのはいかがなものか】ただ、その一方で、対戦相手の状況やアジアの本大会出場枠の増加(4.5→8.5)を考えれば、ある意味、当然の結果とも言える。正直、驚きはない。

日本が入ったグループの現在の順位を見ると、1位が日本、2位がオーストラリア、3位がサウジアラビアと、「3強」と言われた事前の予想通りの展開になっている。ほかのグループを見ても、イランも本大会出場を決め、たぶん韓国も問題なく突破するだろう。おなじみの顔ぶれが順当に勝ち点を積み上げている。

また、日本が圧倒的な強さを見せたというけど、グループ内のライバルであるオーストラリアとサウジとの直接対決ではここまで1勝2分けだ。オーストラリアは昔のようなスーパーなタレントが不在。サウジも最近は国内リーグに大物外国人が増えた影響で、代表選手が試合に出られなくなっている。さらに今回はラマダン(イスラム教の断食月)のタイミングに重なった。コンディションは悪かっただろう。

そんな万全ではない両チームに対して、ホームで2分けと勝ちきれなかった。せっかく日本には「勝って兜の緒を締めよ」といういい言葉があるのだから、メディアもファンもそれを思い出すといいよ。

最初にも言ったように、森保監督も選手も「W杯優勝」と高い目標を掲げていて、それはそれで構わないと思う。振り返れば、2014年ブラジルW杯の時も本田圭佑が「優勝を狙う」と言っていた(結果は1勝もできずにグループリーグ敗退)。

ただ、メディアまでそれに乗っかって、「史上最強」「W杯優勝だ」とファンを煽るのはいかがなものか。視聴率が欲しいテレビ局がそういうことを言いたいのはわかるんだけど、もっと冷静な意見や評価があっていい。

サウジ戦の前日会見では、海外の通信社の記者から森保監督に「日本はW杯でベスト8に進出したことがないのに、なぜ優勝が目標なのか」と質問があった。僕も同感。今のオーストラリア、サウジにホームで勝ちきれない国がW杯優勝を語るのはちょっと無理がある。焦らず地に足をつけて、まずはベスト8進出を達成してほしい。

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