リシャール・ミルの時計。それは、精密さと挑戦の象徴であり、極限の技術を追求する者たちの証明でもある。その哲学が色濃く息づくスポーツのひとつが、ゴルフだ。

【画像】リシャール・ミルが日本男子プロゴルフツアー新規大会を主催（写真5点）

2025年に、「リシャール・ミル チャリティトーナメント2025」が男子プロゴルフツアーの公式戦として新設される。リシャールミルジャパンが主催し、一般社団法人日本ゴルフツアー機構(JGTO)が共催・主管で7月末に行われるこの大会は、石川県・能登カントリークラブを舞台に、能登半島地震・豪雨の復興支援とジュニアゴルファーの育成を目的に掲げる。賞金総額は1億円だ。

精密さへの挑戦——時計とゴルフの交差点
「ゴルフは、一打一打の積み重ねが大事なスポーツ。細かい部分にこだわることがスコアにつながります。精密な時計作りと似ているかもしれません」

そう語るのは、ジャパンゴルフツアー選手会副会長の堀川未来夢だ。ゴルフも時計製造も、わずかなズレが結果を大きく左右する。どこかで妥協すれば、最終的な結果に必ず響く——それはプロゴルファーにとっても時計職人にとっても変わらない真理だ。

リシャール・ミルの時計には、極限まで研ぎ澄まされたエンジニアリングが詰まっている。スイング時にかかる強烈なG（重力加速度）や、インパクトの衝撃にも耐えうる構造。そのために採用される超軽量素材——チタンやカーボンTPT®、グレード5チタン製の地板やブリッジなど。それらは、ゴルファーがスイングの中で生み出す力と精密さを支えるテクノロジーと同じ思想のもとに生まれたものだ。

能登カントリークラブ——時の流れを映すコース
この大会が開催される能登カントリークラブは、日本海を臨むいわゆる風光明媚なコースとして知られる。潮風が微妙にボールの軌道を変え、海に向かって広がるフェアウェイは、プレイヤーの視線を果てしない時間の流れへと誘う。

しかし、この地は2024年には能登半島地震という災害に見舞われた。その地に、再び人々の歓声とショットの音が響くことの意味は大きい。

「ゴルフは地域の文化とともに成長するスポーツです。災害の後、人が集まり、そこでプレーすることで、街は息を吹き返す。そうした時間の積み重ねこそが、ゴルフの持つ力ではないでしょうか」。JGTO会長の諸星裕はこの大会への思いを語った。

ラグジュアリーの本質としてのチャリティー
リシャール・ミルがこの大会を通じて示そうとしていることがもう一つある。ブランドの哲学として、ラグジュアリーとは単なる富の象徴ではなく、社会とつながることで初めて価値を持つという考え方だ。

「ラグジュアリーを語るなら、チャリティー活動なしでは成立しない。それがリシャール・ミルの信念です」

川﨑のこの言葉には、ブランドが自らに課す使命が込められている。リシャール・ミルは、時計製造において革新的な技術を追求するだけでなく、その技術と成功を社会に還元する責任を持つべきだと考えている。

今回のトーナメントでは、観戦を無料とし事前登録制となる予定(後日詳細は大会ホームページなどで案内)。地元商工会と連携して、能登の名産品を販売。さらに、選手たちの賞金の一部が復興支援に充てられるなど、地域経済への広がりを強く意識して企画されていることが特徴だ。

リシャール・ミルが掲げる「ラグジュアリーブランドにとって社会貢献は使命である」という哲学が、ゴルフと交差する瞬間が楽しみだ。


大会概要
大会名称：リシャール・ミル チャリティトーナメント 2025
開催場所：能登カントリークラブ(日本海コース、はまなすコース)
開催日程：7月31日(木)～8月3日(日)
主催：リシャールミルジャパン
共催・主管：一般社団法人日本ゴルフツアー機構(JGTO)


文・写真：青山 鼓
Words and Photography: Tsuzumi AOYAMA
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