ため息や無言で「嫌だったのかな?」と相手の罪悪感を刺激する「受動的攻撃」とは?日常にある静かな怖さを描いた話題作【作者に聞いた】

争いごとが嫌いでいつもニコニコしてるアヤはため息や無言、無視で、まるで相手が加害者のように仕立てる/画像提供:(Ⅽ)水谷緑/竹書房

ため息や無言で「嫌だったのかな?」と相手の罪悪感を刺激する「受動的攻撃」とは?日常にある静かな怖さを描いた話題作【作者に聞いた】

3月31日(月) 0:00

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争いごとが嫌いで、いつもニコニコしている主人公のアヤ。思ったことは主張せず、気に入らないことがあると、ため息や無言、体調不良などで相手の罪悪感を刺激し、加害者に仕立てていく。これを「受動的攻撃」という。「まどか26歳、研修医やってます!」や「こころのナース夜野さん」「私だけ年を取っているみたいだ。ヤングケアラーの再生日記」などを描く作者水谷緑(@mizutanimidori)さんの新作「被害者姫 ~彼女は受動的攻撃をしている~」を紹介するとともにインタビューを行った。 被害者ポジションはゆずらない「被害者姫」とは?日常的に誰しもやっている「受動的攻撃」についても詳しく話を聞く。
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■ため息や無言で「嫌だったかな?」と相手に思わせる心理攻撃を繰り返す。これを「受動的攻撃」という
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常日ごろ「自分の意見を主張せず、争いごとが嫌いでニコニコしている」いい人のアヤ。 しかし彼女は嫌なときため息をつき、返事を遅らせる。静かに間を開けることで相手の罪悪感を刺激するのだ。

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例えば上司にランチミーティングに誘われた、アヤ。「イタリアンはどう?」と言われ「何でも大丈夫です!」と言う。彼女は自己主張をしない。しかし、食べ始め「おいしい!!」と感動する上司の反応を無視する。無反応の彼女を見て、上司は「本当はイタリアン嫌だったのかな?」と勝手に罪悪感を抱えてしまう。

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その後、アヤは妊活で仕事量を減らしたいという上司のサポートをすることになる。自身の仕事に加え上司の分も引き継ぎ、いっぱいいっぱいに。しかし、彼女は仕事を周囲に振らずに自分で抱え込み、残業や早朝出勤を繰り返す。笑顔で頑張り続けるアヤはとうとう体調を崩し、倒れてしまう。周囲は同情し、上司は「ひどい」「パワハラ」と言われる。「一番かわいそうなポジションはゆずらない」という、彼女の静かな攻撃がとても怖い。

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今回は、著者水谷緑さんに「受動的攻撃」をテーマにした本を制作することになった経緯を聞いた。「もともと暴力に関しては興味がありました。自分が近しい人に依存しがちなタイプなので、カウンセリングを受け、その仕組みや生い立ち、対処法を考えるうちに、自分も他者に支配されたり、他者を支配していると自覚して、支配や暴力を身近に感じるようになりました。そんななかで、『こころのナース夜野さん』(小学館)という精神科の漫画を描いたときに、妻や子どもにDVや虐待をした男性の加害者に取材したことがありました。その際に、暴力をふるうのは悪いことというのは大前提として、100パーセント加害者に非があるという考えに少し疑問を持ちました。相互の関係があるのではないかと。被害者とされる側にも多少は何かあるケースもあるのでは?と専門家の方に聞いたところ、『受動的攻撃という概念がある』と教えていただき、取材を進めました」

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水谷さんももともとは「受動的攻撃」というワードは知らなかったという。「上記のように暴力の取材の中で専門家に教えていただいた概念です。漫画に書いてますが、「受動的攻撃」とはアメリカで生まれた概念で、日本ではまだあまり知られてないかと思います。本もあまりありません。日本人は受動的攻撃をする人が多いと聞きました」

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確かに、ため息や返事を遅らせることで「不本意である」と意思表示をすることがある。これは日常的に誰でもやっていることではないだろうか?「誰でもやりますし、程度や状況によっては一概に悪いわけでもないと思います。無自覚な場合もありますが、暴力や暴言を使わずに相手をコントロールするのに有効な手段だとどこかでわかっているので、意識的にもやっています。ただ「攻撃」だとは思っていないです」こうして主人公アヤも、意識的に静かに攻撃を繰り返す。

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このように日常的に誰でもやってしまう行動をどう主人公に投影させたのかを聞くと、「たとえば、友人と食事する時に、受動的攻撃をするとしたら、友人にどんな言動をとるかなど、心理士さんに聞きながら、会社、家庭での日常シーンでの受動的攻撃の言動を考えました。また、友人知人にも、受動的攻撃をしてる人が周りにいないか聞いて、必ずいるので、エピソードを集めていきました。そして、極端に受動的攻撃をする人を主人公にして、そのような人は、人生の局面でどのような選択をし、言動を取るか、流れを考えていきました。『こういう人いるよね』と身近に思ってもらえるように日常エピソードのリアルさにはこだわりました。」と、水谷さん。

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本作の見どころは、「受動的攻撃という考え方を知っておくと、『なんかあの人といるとモヤモヤする』というときの原因と対処法がわかり、必要以上に罪悪感を感じたり自分の心を揺らさずにすみます。逆に、『いま自分は受動的攻撃をしてるな』、『相手に意見を言えてなくて我慢してるのかも?』これはよくない前兆だ、とわかったりもします。」
本作は単行本が絶賛発売中!⽵書房コミックエッセイwebでは、期間・話数限定で読むことができる。



取材協力:水谷緑(@mizutanimidori)

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