【F1】かつてのライバルたちが語る10代の角田裕毅「予選落ちした大会の文句ばかり言っていた(笑)」

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【F1】かつてのライバルたちが語る10代の角田裕毅「予選落ちした大会の文句ばかり言っていた(笑)」

3月31日(月) 9:00

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F1で5年目を迎えている角田裕毅が第3戦・日本GPを前に、レーシングブルズのトップチームであるレッドブル・レーシングに昇格することが決定した。そのニュースはヨーロッパでも大々的に報じられるなど、世界的に大きな話題となっている。

多くの日本人ドライバーとは異なり、角田は18歳でFIA F4選手権チャンピオン(2018年)に輝くと、翌年から早々に海外のレースへ集中参戦。ヨーロッパの舞台で実績を積み重ねたことによって、2021年にF1デビューのチャンスをつかみ取った。

そのため、日本のモータースポーツ界では馴染みが深くないところもある。だが、日本のトップカテゴリーで戦うドライバーたちのなかには、カートやFIA F4で角田のライバルだった選手もいる。

そんな彼らに「当時の角田裕毅」とのエピソードや、彼の強さを語ってもらった。

10代の角田裕毅はどんなドライバーだったのか?photo by BOOZY

10代の角田裕毅はどんなドライバーだったのか?photo by BOOZY



【太田格之進(おおた・かくのしん)25歳】

ホンダ勢注目の若手ドライバーで、今の国内レースで最も勢いがあるといっても過言ではない。今シーズンは新たに海外レースへ挑戦を開始。スーパーフォーミュラと並行してアメリカの伝統的なシリーズのひとつであるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦している。

現在25歳の太田は、1歳年下の角田と幼少期のカート時代から切磋琢磨してきた仲だ。

「僕は3歳からカートをやっていて、裕毅もそれくらいからやっていたと思います。当時、関西カートランドという場所があって、昔はそこがキッズカートの中心地みたいなところでした。小高一斗(今季もスーパーフォーミュラに参戦するトップドライバー)とか裕毅が向こう(関東)から関西まで来ていたので、その時から面識がありました」

数多くある接点のなかで、一番のエピソードはフランスへ遠征に行ったカート大会だったと、太田は当時を語る。

「『X30』というカートのカテゴリーがあって、そこで裕毅と競い合っていた時期ですね。フランスで行なわれた世界大会に、僕たちは日本代表のような立場で出場しました。僕と裕毅は同じチームだったんですけど、僕は予選を通過して、裕毅は35位で予選落ちしたんです(通過ラインは34位)。

予選のあとに大会のセレモニーがあって、僕たちは日本代表として国旗を持って入場行進をして、すごくテンションも上がって盛り上がりました。そして、そのセレモニーが終わったあとに予選結果を見に行ったら、裕毅が落ちていて......。テンションの下がりようがすごかったですよね。そのあとは、大会の文句しか言ってなかったです(笑)」

2023年と2024年の日本GPは、鈴鹿サーキットまで足を運んで角田を応援した。今でも仲はよく、「よく連絡はとりますよ」とのこと。

【三宅淳詞(みやけ・あつし)26歳】

2025シーズンはスーパーフォーミュラとスーパーGTのGT500クラスに参戦。スーパーGTでは昨年から日産系チーム・NISMO NDDPに加入し2戦目でいきなり初優勝を果たした。三宅は「次世代の日産エース候補」として期待を集めるドライバーのひとりだ。

三宅は全日本カート選手権時代、角田と抜きつ抜かれつのバトルをした経験がある。

「僕は角田と全日本カートで一緒でした。最高峰からひとつ下のクラスは東と西で地域が分かれていて、角田は東、僕は西で出ていました。レースで一緒になることもあって、ライバル関係ではありましたね。

当時を振り返ると、けっこうバトルが強いというイメージで、角田はいい意味で『いやらしい攻め方』をしてきました。ドライバーにはそれぞれ、『ここで抜きに来られると嫌だなぁ、抜きに来ないでほしいなぁ』と思うような場面がコーナーによってあるんですけど、彼はそういう時に仕掛けてくるんです。

もちろんクリーンなバトルではあるんですけど、相手の嫌なところを突いてくるというか......。僕は戦っていて、いつもいい意味で『嫌だなぁ』と思っていましたね。

あと、角田は抜く時にけっこうズバッと飛び込んできます。ブレーキもうまいですね。F2時代や今のF1でもそうだと思いますが、あの感じはカート時代からありました。速いのは大前提として、バトルが強いという印象はあります」

F1でもファンを魅了する角田の鋭いオーバーテイクは、三宅によるとカート時代から健在だったという。

「速く走るうえで、ブレーキングは大事です。それができることは当たり前なんですけど、角田はタイヤがロックするかしないかのギリギリのラインを探るのがうまくて、『鋭く一発』で決められる印象です。カート時代も、距離が離れているところから飛び込んできても、しっかり止まっていたので、そういうところがうまいなと感じていました」

角田のレッドブル昇格について、三宅はこう語った。

「レッドブルのドライバーと一緒に競り合った過去を持っているのは光栄ですね!」

かつてのライバルの活躍を期待している様子だった。

【名取鉄平(なとり・てっぺい)24歳】

角田が日本のシリーズを最後に戦ったのは2018年のFIA F4選手権。角田は14戦中7勝を挙げてチャンピオンを獲得したが、そんな彼と最後まで年間王座を争ったのが、現在スーパーGTのGT500クラスでKONDO RACINGのドライバーを務める名取鉄平だ。

「速かったですね。常にトップにいましたから。FIA F4の開幕戦は僕が勝ったんですけど、その時は角田にアクシデント(リタイア)があったなかでの優勝でした。その後は彼が常にトップで、僕が2番手という感じ。なんとか彼を倒さないと、上に行けない状況でした」

当時の角田をそう振り返った名取。FIA F4参戦2年目の角田に対して名取は1年目と、経験値の差も大きかったが、それでも「後半戦は僕がポールを獲ることもありましたけど、彼はレースでの強さがありましたね」

なんとかして角田に追いつき、追い越そうと試行錯誤した結果、こんなエピソードが生まれたという。

「富士スピードウェイでのレースだったんですけど、ストレートでスリップストリーム(※)を使えると、このサーキットでは0.4秒くらいタイムが縮まるんです。だからタイムアタックの時はそれを使えるように、富士の最終セクターでは『スリップストリームが使える相手』を探すんです。

僕と裕毅は、お互いにそれを狙っていました。結果、練習走行の時に最終コーナーの手前で(お互いに牽制しあって)ほぼ一時停止するくらいのところまで減速させていました。

でも、後ろにいるほかのクルマは、僕たちのスリップストリームを使いたい。だから、どんどん後ろにクルマが並んでいって、最終セクター前が渋滞して......(笑)。練習走行後、僕と角田はレース責任者に呼び出されて、『ヘアピン(ADVANコーナー)を立ち上がったら減速禁止!』と、めちゃくちゃ怒られました(苦笑)」

※スリップストリーム=前走車の真後ろにつくことで自車の空気抵抗を減らし、スピードが増す現象。レース中はこれを駆使して追い抜きを仕掛けることが多い。

「この時はピットの並び順的に、角田が最初にコースインするんです。だけど、彼としては周りを先に行かせたい。一方、僕たちは角田の後ろにつきたい......。そんな攻防戦が繰り広げられていました。

FIA F4は僅差の戦いなので、とにかく使えるものは何でも使いたいんです。それで僕たちが考えた結果、最終コーナーでお互いに一時停止するという事態になりました(苦笑)」

翌年の2019年には、ふたりともヨーロッパのレースに挑戦する。そこで名取は、角田の強さを間近で痛感した。

「やっぱり適応能力がすごい。FIA F3で一緒に走っていた時に感じました。海外は練習走行の時間が短くて、30分とか45分ほど走行しただけで、いきなり予選に突入します。そういう状況でも(角田は)ちゃんと上の順位にくるので『彼の速さはホンモノだな』と思いましたね」

角田のレッドブル昇格について、名取は「裕毅は速いんで、レッドブルに行っても大丈夫だと思っています。日本GPは家で観る予定です!」と笑顔で語ってくれた。



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