【写真】平蔵(中村隼人)は意次(渡辺謙)の命で座頭金の実情を探ることに
横浜流星が主演を務める大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第13回「お江戸揺るがす座頭金」が3月30日に放送された。蔦重(横浜)に思いを寄せながらも、身請けを受け入れて鳥山検校(市原隼人)の妻になった瀬以(小芝風花)。瀬以が思いを打ち明けるシーンに反響が寄せられた。(以下、ネタバレを含みます)
■数々の浮世絵師らを世に送り出した“江戸のメディア王”の波乱の生涯を描く
森下佳子が脚本を務める本作は、18世紀半ば、町民文化が花開き大都市へと発展した江戸を舞台に、“江戸のメディア王”にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎の波瀾(はらん)万丈の生涯を描く痛快エンターテインメントドラマ。
蔦重はその人生の中で喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴を見い出し、また日本史上最大の謎のひとつといわれる“東洲斎写楽”を世に送り出すことになる。
蔦重の幼なじみの花魁・花の井(五代目瀬川)改め瀬以役で小芝風花、蔦重に影響を与える“希代の天才”平賀源内役で安田顕、幕府“新時代”を目指す権力者・田沼意次役で渡辺謙が出演。語りを綾瀬はるかが務める。
■瀬以のどこか他人行儀な様子に鳥山検校が嫉妬!?
意次が鳥山検校を頭とする盲人の組織・当道座の金貸しを問題視する中、視聴者は鳥山と瀬以のやり取りに注目した。
瀬以のために豪華な着物やかんざしなどを用意した鳥山だが、瀬以はそれらを元いた女郎屋、松葉屋の女郎たちに贈ってほしいと願い出た。鳥山は、前々回に言っていた「そなたの望むことは全てかなえると決めた」という言葉どおりに実行した。
鳥山は、次にたくさんの本をそろえた部屋を用意。思わず「退屈する暇がなさそうにございます!」と言ってしまった瀬以は、鳥山の沈黙にハッとし、「旦那様がおられぬ時のことにございます」とフォローした。
だが鳥山の脳裏には、蔦重が訪ねて来た時の瀬以の楽しげな言葉遣いと、ほがらかな笑い声がこびりついていた。
「なぜ吉原の者たち吉原の者たちとおるときのように声が弾まぬ」と問い掛ける鳥山。瀬以は吉原の者たちへの親兄弟のような親しみと鳥山を慕う気持ちは違うと説明するが、鳥山は「しょせん、わしは客ということか…」とつぶやく。
「違います!」とあわてる瀬以に、「うそばかりの女郎声など聞きとうない!」と怒った鳥山は、瀬以をその部屋に閉じ込めた。
■廓言葉で蔦重、そして鳥山への思いを打ち明ける瀬以
瀬以の自室で蔦重が作った本が見つかり、鳥山は瀬以の思いを悟る。瀬以との不義密通を疑い、蔦重を従者に迎えに行かせる一方、瀬以の元に向かった鳥山は脇差(※短い刀のこと)を身につけていた。
「返事次第では斬ることになるかもしれぬからな」と鳥山。瀬以は何も関係がないと否定するが、鳥山は冷たく「けれど心だけはある。いくら金を積まれようと、心は売らぬ。そういうことだろう」と責めた。
「お前は骨の髄まで女郎だな」の言葉に、瀬以の表情が曇る。そして「そう、仰せのとおりでござりんす。重三は、わっちにとって光でありんした。あの男がおるならば、吉原に売られたことも悪いことばかりではない。一つだけはとてもいいことがある。そう思わせてくれた男にございんした」と花魁時代の廓(くるわ)言葉で打ち明けた。
その過去は変えられず、自分を誰よりも大事にしてくれている鳥山を傷つけていることは分かっているのだと涙する瀬以。ただ、その蔦重への思いを消したいと思っているのも確かで、「信じられぬというなら、どうぞ、ほんにわっちの心の臓を奪(と)っていきなんし!」と鳥山の手をとって刀を自分の胸へと向けるのだった。
瀬以のあふれ出た思い。「骨の髄まで女郎」と言われたことで廓言葉を使ったように思えるが、振り返れば第8回で、まだ自分の本当の気持ちに気づいていなかった蔦重に普段とは違う廓言葉で返したシーンがあった。客ではない蔦重にあえての廓言葉で本心を隠して悲しみを募らせ、今回は客であった鳥山に、うそしかないと言われる廓言葉で本心を打ち明けた。瀬以の心の機微が言葉に表れているようだった。
SNSには「もらい泣き」「瀬以の思いがしみた」「切なかった」「瀬以の気持ちが分かりすぎてつらい」など瀬以に思いを寄せる投稿と共に、「愛するがゆえに嫉妬は苦しい」と鳥山への反響も上がった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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