3月29日(土) 21:10
「グランクラス」とは、JR東日本管内の一部の新幹線に設定された特別車両のことです。新幹線の車両には、普通車(指定席・自由席)、グリーン車、グランクラスがあり、グランクラスは最上位ランクの車両にあたります。
グランクラスは、新幹線の1編成につき1車両、席数はわずか18席しかなく、内装や座席の広さ、サービスはグリーン車や普通車とは大きく異なり、まさに「新幹線のファーストクラス」とも呼べる内容になっています。
グランクラスが設定されているのは、「東北・北海道新幹線」「北陸新幹線」「上越新幹線」で、東京から金沢へ旅行に出掛ける際には、グランクラスを利用することが可能です。
小さな子どもを含む家族旅行では、目的地での観光中は難しくても、せめて移動時間は人ごみから離れてゆったりと過ごしたいものでしょう。普通車やグリーン車の料金に少しお金を追加して、グランクラスにアップグレードすることで、快適な旅行を実現できます。
グランクラスで得られるメリットは以下の通りです。「待ち時間」「乗車中」に分けて紹介します。
東京駅には、グランクラスの利用者専用の「ビューゴールドラウンジ」があります。対象のゴールドカード会員またはグランクラスの乗客以外は利用できないため、東京駅の人ごみから解放されて優雅な待ち時間を過ごせるでしょう。
室内にはお菓子やソフトドリンク、フリーWi-Fiなどが用意されており、子連れでも退屈することはないでしょう。
グランクラスのシートは、人間工学に基づいた座り心地で、長時間の移動でも疲れにくくなっています。
また、シートピッチが広く、足元が広いことで窮屈さも感じにくく、リクライニングは最大45度まで可能です。
シートの肩付近には「デスクライト」があり、移動中の読書はもちろん、仕事と休暇を両立させる「ワーケーション」をする際にも便利です。
車内サービスは、「グランクラス(飲料・軽食なし)」か「グランクラス(飲料・軽食あり)のどちらを選択するかで変わります。飲料・軽食ありの車両では、飛行機のキャビンアテンダントのような「グランクラスアテンダント」が乗車しており、おつまみやおしぼりなどのウェルカムセットや飲み物を提供してくれます。
飲料・軽食なしの車両は、グランクラスアテンダントによるサービスはありません。
ここまで解説した通り、グランクラスには普通車やグリーン車とは一線を画するさまざまなサービスがあります。ここで気になるのは、その料金でしょう。
グランクラスは、走行区間ごとに料金が設定されており、さらに新幹線の種類によって「飲料・軽食あり」「飲料・軽食なし」に分かれます。
グリーン車、指定席と条件をそろえるために、今回はグランクラスの「飲料・軽食なし」で料金を計算し、比較してみます。
12時24分東京発の「はくたか563号」で東京から金沢まで移動すると仮定すると、指定席、グリーン車、グランクラス(飲料・軽食なし)の料金は以下のようになります。
なお、今回は大人2人、子ども2人の4人での旅行と仮定します。
図表1
筆者作成
家族4人で東京から金沢まで、グランクラスで移動すると往復17万1400円と、指定席(往復8万5080円)の約2倍の料金がかかります。一方、グリーン車と比較すると、その差は3万3600円です。グリーン車を利用しようと思っているのであれば、待ち時間や乗車中の快適さを優先させて、グランクラスを利用することを検討してみてもよいのではないでしょうか。
グランクラスは、普通車指定席やグリーン車以上の料金を支払う代わりに、「ビューラウンジで快適な待ち時間を過ごせる」「乗車中特別なシートで快適に過ごせる」「グランクラスアテンダントによるサービスを受けられる」などさまざまな魅力があります。
料金と快適さの判断はそれぞれの価値観によりますが、せっかくの家族旅行ですから、快適に過ごすためにもグランクラスの利用を検討してみてもよいかもしれません。
東日本旅客鉄道株式会社 JR東日本 グランクラス
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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