GRAPEVINE、全24曲を披露した全国4都市ホールツアー『GRAPEVINE SPRING TOUR』東京公演2日目をレポート

『GRAPEVINE SPRING TOUR』2025年3月22日 東京・LINE CUBE SHIBUYA

GRAPEVINE、全24曲を披露した全国4都市ホールツアー『GRAPEVINE SPRING TOUR』東京公演2日目をレポート

3月30日(日) 12:00

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Text:兵庫慎司Photo:藤井拓

2025年3月22日、東京・LINE CUBE SHIBUYA。福岡・名古屋・東京・大阪を回った、GRAPEVINEのホールツアー『SPRING TOUR』の東京編は追加公演も含め2デイズとなり、この日はその2日目である。約2時間20分をかけて、本編20曲+アンコール4曲の全24曲が演奏された。新しい音源に紐づいたツアーではなく(それは2025年5月28日(水)リリースのニュー・アルバム『あのみちから遠くはなれて』のあとに行われることがすでに発表になっている。6月21日(土)から9月20日(土)まで16公演)、2025年の春にGRAPEVINEが4カ所のホールを回ります、というくらいの、どちらかというと、ゆるめな趣旨のツアーである。

ただし、今年2025年は3rdアルバム『Here』のリリースから25周年なので、『Here』から多めにやる、という裏テーマもあったようである。前半の5曲目から9曲目で「ナポリを見て死ね」「ポートレート」「リトル・ガール・トリートメント」「想うということ」「南行き」と、『Here』の収録曲を5曲固め撃ちしたほか、本編のラストで「Here」、アンコールの2、3曲目で「羽根」「Reverb」と、『Here』の12曲のうち合計8曲が演奏された。

それ以外の楽曲は、前作=2023年のアルバム『Almost there』から4曲、それ以降にリリースした「天使ちゃん」「Loss(Angels)」「NINJA POP CITY」はすべて演奏──というふうに、近年&現在の曲を軸にしながら、12、13曲目で9枚目『Sing』(2008年)収録の「ジュブナイル」と4枚目『Circulator』(2001年)収録の「B.D.S.」を演奏したり、本編最後のゾーンの17、18曲目に、2ndアルバム『Lifetime』(1999年)からの2曲=「25」と「白日」を並べたりして、長年のファンを狂喜させる構成にもなっていた。

1曲目に『Almost there』のラスト・チューン「SEX」を持ってきて、しっとりとスタートし、次は田中和将(vo/g)が「こんにちは渋谷! また来たぜ! Are you ready? Are you ready? Are you ready to get started!」と叫び、同じく『Almost there』からの「Ready to get started?」でギアを上げる、と思ったら、「ねずみ浄土」と「雀の子」、言わば「今のGRAPEVINE」を象徴する超ドープな2曲を連打する──というのが、最初のブロックの流れ。

2025年になってから客前でライブをやるのは、このツアーが初めてなので──と、「あけましておめでとうございます」と挨拶し、「みなさん自由に過ごしていただければ」と伝えたあとに、「ひとつ言い忘れた、今年のはじめに『天使ちゃん』というのが出てます。今日やるかどうかは知らんけど」と、田中。そう、このツアーは、1月22日にデジタル・リリースされて、ファンの度肝を抜いた......だけに留まらず、その外側のロック・リスナーたちにも「今のGRAPEVINE、なんだかえらいことになっている」ことを知らしめた楽曲「天使ちゃん」を、初めて生で聴けるツアーでもあるのだ。先に書いたとおり、5曲目〜9曲目は、『Here』からぶっ続けで5曲プレイするブロック。

続くMCで、5月28日(水)にニュー・アルバム『あのみちから遠くはなれて』がリリースされること、その略称は『アミーチー』であることを伝えた田中。オーディエンスと「アミーチー!」のコール&レスポンスを交わしてから、ギターを置いてブルース・ハープを手にし、「天使ちゃん」に入った。田中の割れた音のブルース・ハープが響き、西川弘剛(g)のギター・リフが殴り込み、田中のトーキング・ブルーズのあと、サビでいきなり美しいメロディが降ってくる──現在の日本のロックにおいてあきらかに異形だし、GRAPEVINEのレパートリーとしても過去になかった、でありながら難解さとは程遠い、4分53秒の中でいくつもの魔法が起きているこの曲に、オーディエンスはじっと耳を傾け、演奏が終わると、長く大きな拍手を贈った。

田中が『アミーチー』のリリース・ツアーがあることを告げるが、その日程を全然思い出せない──というMCからの、本編最後のブロックは、『アミーチー』に収録されることがすでにアナウンスされている、2024年7月リリースの「NINJA POP CITY」からスタート。その直前に、うちわを手にして自らをあおいでいた田中は、ベース&ドラムのイントロに合わせ、うちわを振りながらステップを踏む、というアクションを見せてから歌い始めた。イントロや間奏で田中が「アモーレ!」「アミーチー!」と呼びかけた「実はもう熟れ」、『Lifetime』からハードな曲が並んだ「25」と「白日」、本編ラスト前で歌われるとなんとも言えない気分になる「Gifted」を経ての20曲目は、本編ラストで歌われるとちょっとだけ晴れやかな気分になる「here」だった。

アンコールを求める手拍子に応えて再登場した田中は「言うの忘れましたけど、『Here』からこの3月で25周年ということで〜」と、ようやくここで説明(ちなみに『Here』のリリース日は3月15日)。そして、『アミーチー』のリリースツアー(『GRAPEVINE TOUR 2025』)の日程を、ベース金戸覚に発表してもらい、アンコール1曲目「棘に毒」を演奏し終えると、「今のはきみらが生まれるずっと前の「棘に毒」という曲でございます」。え、そう? 2007年の『From a Smalltown』の曲だから、今日の中では、そこまで古くないと思うけど。おそらくそういう理由で、一瞬「えっ?」となったせいか、ちょっと空いてから客席から拍手が。それを受けて田中、「アンコールやのにワーイってならない空気は、俺が作ってんのか?」。今度は間髪入れず、ドッと笑いが湧いた。みんな、「何を今さら!」という気持ちだったのだと思う。

続いて、「羽根」「Reverb」と、『Here』からの2曲を畳み掛けた末のラストは、「Arma」。近年のGRAPEVINEの楽曲の中では(2017年の曲だがこのキャリアなので「近年」に括っていいと思う)数少ない、ストレートなドラマチックさとストレートさを携えたこの曲は、こんなふうに、その日のいちばん最後に歌われるのが、とてもふさわしいと思う。あと、なんていいメロディと歌詞なんだろう、とも、聴く度に思う。

最初に書いたように、GRAPEVINEは5月28日(水)リリースの『アミーチー』を携えて、6月21日(土)神戸から9月20日(土)岡山まで、全16本の全国ツアーに出る(それより前に4月27日(日)『ARABAKI ROCK FEST.25』や6月7日(土)大阪城音楽堂『ど根性フェス!2』等のフェス/イベント出演も控えている)。このツアーの東京圏の公演は、7月10日(木)の恵比寿LIQUIDROOMと、7月21日(月・祝)の横浜Bay Hallの2本。GRAPEVINEのニュー・アルバムのツアーにしては、キャパが見合っていないので、後日、大きめのハコで追加公演があるのではないか、ということも、楽しみにしている。あ、実は知ってて匂わせている、とかではありません。本当に知らずに書いています。

<公演情報>
『GRAPEVINE SPRING TOUR 2025』
3月22日 東京・LINE CUBE SHIBUYA

【Set list】

01. SEX
02. Ready to get started?
03. ねずみ浄土
04. 雀の子
05. ナポリを見て死ね
06. ポートレート
07. リトル・ガール・トリートメント
08. 想うということ
09. 南行き
10. 天使ちゃん
11. こぼれる
12. ジュブナイル
13. B.D.S.
14. Loss (Angels)
15. NINJA POP CITY
16. 実はもう熟れ
17. 25
18. 白日
19. Gifted
20. here
Encore
21. 棘に毒
22. 羽根
23. Reverb
24. Arma

<リリース情報>
ニュー・アルバム
『あのみちから遠くはなれて』
5月28日(水)発売
『あのみちから遠くはなれて』ジャケット

◾️初回限定盤(CD+DVD):5,500円(税込)
・3方背ブックケース仕様
◾️通常盤(CD):3,630円 (税込)
◾️VICTOR ONLINE STORE限定セット(初回限定盤+オリジナルバックパック) :22,000円(税込)
・GRAPEVINE×COBMASTER PULSE PACK (BLACK)とのセット商品

【CD収録曲】
01.どあほう
02.天使ちゃん
03.ドスとF
04わすれもの
05.my love, my guys
06.NINJA POP CITY
07.カラヴィンカ
08.はれのひ
09.猫行灯
10.追憶のビュイック

【DVD収録内容】
『LIVE AT UMEDA TRAD 2024』 ※初回限定盤のみに付属
【収録曲】
※デビュー前、大阪時代のホームグラウンドだったumeda TRAD(旧梅田バナナホール)の閉館に際して開催した「GRAPEVINE The Decade Show : Trad Gala」よりライブ映像6曲を収録
01. 吹曝しのシェヴィ
02. Time is on your back
03. Through time
04. 君を待つ間
05. 覚醒
06. Alright

◾️VICTOR ONLINE STOREでアルバムを予約・購入された方には『あのみちから遠くはなれて』の最新情報満載のメールマガジンをお届けします。この機会にご利用ください。
VICTOR ONLINE STORE:https://victor-store.jp/artist/7674

<ツアー情報>
『GRAPEVINE TOUR 2025』
6月21日(土) 兵庫・神戸 Harbor Studio
6月22日(日) 静岡・SOUND SHOWER ark
6月28日(土) 広島・LIVE VANQUISH
6月29日(日) 高松・MONSTER
7月4日(金) 大阪・梅田クラブクアトロ
7月5日(土) 愛知・名古屋クラブクアトロ
7月10日(木) 東京・恵比寿 LIQUIDROOM
7月12日(土) 石川・金沢 EIGHT HALL
7月13日(日) 長野・CLUB JUNK BOX
7月20日(日) 新潟・LOTS
7月21日(月・祝) 神奈川・横浜 Bay Hall
9月6日(土) 福岡・DRUM LOGOS
9月7日(日) 鹿児島・CAPARVO ホール
9月13日(土) 北海道・札幌ペニーレーン 24
9月15日(月・祝) 宮城・仙台 Rensa
9月20日(土) 岡山・CRAZYMAMA KINGDOM

【チケット情報】
スタンディング:6,000 円 (税込/ドリンク代別)
オフィシャルファンクラブ「BALLGAG」、オフィシャル HPにて先行販売予定
一般発売:5月10 日(土)

GRAPEVINE オフィシャルサイト
https://www.grapevineonline.jp/

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