3月29日(土) 20:30
申告所得税や復興特別所得税などの国税の納付方法には、現金払いのほかにキャッシュレス決済が利用できます。主な方法として、「スマホアプリ納付」と「クレジットカード納付」があります。
スマホアプリ納付は、PayPayや楽天ペイなど7種類の決済アプリを利用する方法で、スマートフォン決済専用のWebサイト上で手続きができます。
一方、クレジットカード納付は、VisaやJCBなどのクレジットカードで支払う方法です。インターネット上でのクレジットカード支払いの機能を利用して「国税クレジットカードお支払サイト」を経由して手続きを行います。
ただし、いずれの方法でも領収書は発行されないため、必要な場合は別の納付方法を選びましょう。
スマホアプリ納付では、アカウント残高から支払うため、事前にチャージが必要です。クレジットカードでチャージする際にポイントが付与されるカードを利用すれば、その分のポイントを獲得できます。
例えばAmazonPayでは、Amazonギフト券をクレジットカードで購入・チャージすることでポイントを貯めることが可能です。スマホアプリ決済を利用した国税の納付自体では、支払い時にポイントが付与されない場合が多いため、チャージ時のポイント還元を活用することが、お得に納税する秘訣になります。
また、スマホアプリ納付のメリットは、決済手数料がかからないことです。手数料が発生しないため、チャージ時に付与されたポイントがそのまま手元に残ります。例えば、10万円を納付する際に1%の還元があれば、1000円分のポイントを獲得できるため、実質的に負担を軽減できると言えるでしょう。
クレジットカードで国税を支払う場合、Visaなどの主要ブランドのカードが利用できます。支払いによりポイントが付与されますが、税金の支払い時は還元率が通常より低くなるケースがあるため注意が必要です。
例えば、アメリカン・エキスプレス(アメックス)では、通常100円につき1ポイントの還元ですが、税金の支払いでは200円につき1ポイントに減り、還元率が1%から0.5%に下がります。
また、クレジットカード納付は決済手数料がかかる点もデメリットです。1万円の納付で99円、10万円なら990円の手数料が発生します。還元率1%のカードで10万円を納付すると、1000円分のポイントが獲得できますが、手数料が990円かかるため、実質的なメリットは10円にとどまります。
また、還元率が0.5%に下がる場合、ポイント還元額は500円分となり、手数料との差額490円が負担となってしまいます。そのため、カードごとの還元率と手数料を比較し、本当にお得か事前に確認することが大切です。
10万円の所得税をキャッシュレス納付した場合、決済手数料がかからないスマホアプリ納付のほうが、クレジットカード納付よりお得になりやすいことが分かりました。キャッシュレス決済を活用すれば、銀行などへ行く手間がなくなり、手続きをスムーズに済ませることができます。特に忙しい人にとって、24時間いつでも支払えるのは大きなメリットでしょう。
ただし、領収書が発行されないなどの注意点もあるため、納税方法を選ぶ際は、それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を検討することが大切です。
国税庁 キャッシュレス納付情報
国税庁 G-2-5 スマホアプリ納付の手続
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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