日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『ネムルバカ』をレビュー!

日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『ネムルバカ』をレビュー!

3月29日(土) 8:00

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日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』。青春漫画の傑作が映画化! 「あの頃」がフラッシュバック!***『ネムルバカ』 評点:★3.5点(5点満点) ©石黒正数·徳間書店/映画「ネムルバカ」製作委員会

©石黒正数·徳間書店/映画「ネムルバカ」製作委員会


20代前半の「ダラダラした焦燥」をリアルに描く寮の同じ部屋に暮らす2人の女子大学生の日常を描く青春ドラマで、「先が見えず、自分が何者か、あるいは何者かになれるかどうか、そもそもそうしたいのかどうかもよく分からない」という普遍的な悩みをさまざまな角度から見せる。

原作は石黒正数の漫画で、かなりといえば忠実な映像化だが、終盤には映画的な仕掛けがしっかりあり、異なるメディアに移し替えることに意義を持たせている。

20代前半の「ダラダラした焦燥」といったものはよく伝わってくるし、その裏返しとしての「しょうもなく見える周囲の大人たち」へのイライラ感にもリアリティがある。

それはジャッジメンタルな態度かもしれないが、本作で描かれるような「しょうもない人間」は無数に実在するし、それに対して苛立ちや怒りを持つのは自然だし必要でもある。

シーンごとに必ずオチをつけて飽きさせない工夫も徹底されているが、オチがあるがゆえにコントの集合体に見えてしまうところもあって、そこは悩ましい。が、それが開き直った退屈さより好ましいのは言うまでもない。

意図的なファンタジー演出かもしれないが、とある場面でエレキギターのシールドがどこにも繋がっていないのは気になる。

STORY:インディーズバンドのギター&ボーカルとして夢を追うルカと、夢や目標のないまま古本屋でバイトする入巣。大学の女子寮で同居するふたりは緩く心地よい生活を送っていたが、ある日ルカに大手レコード会社から声がかかる......



原作:石黒正数

監督:阪元裕吾

出演:久保史緒里(乃木坂46)、平祐奈ほか

上映時間:106分

全国公開中

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