オディロン・ルドン《神秘的な対話》1896年頃岐阜県美術館
3月28日(金) 2:30
パナソニック汐留美術館では、2025年4月12日(土)より、『PARALLEL MODE : オディロン・ルドン―光の夢、影の輝き』を開催する。
オディロン・ルドン(1840-1916)は19世紀後半から20世紀前半に活躍したフランスの画家だ。印象派のモネと同じ年だが、印象派の画家たちがパリや近郊の人々の近代的な生活を明るい色彩と素早いタッチで活写したのに対して、ルドンは夢のように幻想的なヴィジョンを版画や油彩画で表現した。
同展では、ルドンの世界屈指のコレクションを有する岐阜県美術館の所蔵品を中心に、国内外の選りすぐりの作品を加えた約110点により、初期から晩年までのルドンの画業と芸術を紹介する。
オディロン・ルドン《光の横顔》1885-90年頃オルセー美術館(ルーヴル美術館版画素描部)© GrandPalaisRmn (musée d'Orsay) / Gérard Blot / distributed by AMF
ルドンといえば、笑う蜘蛛やひとつ目の化け物、首の乗った容器など、奇怪な形態のモチーフを描いた木炭画や石版画などが有名だが、今回はこのモノクロの作品に加えて、1890年代以降の色彩の時代に描かれたパステル画や油彩画がまとまって出品されるのも見どころだ。50代に入り、闇の世界ではなく神秘的な光そのものを表現するようになったルドンは、テーマも神話や宗教、人物などのわかりやすい主題も手がけるようになり、1900年以降は、独特な光や色彩の輝きを放つ「花瓶の花」を数多く描いた。
同展では、この「花瓶の花」と共にルドン晩年の主要な画題である「ステンドグラス」を描いた《窓》(1906年頃、岐阜県美術館)という作品を東京で初めて公開する。またルドンの進化論と言われる石版画集『起源』が9点そろって展示されるのも注目だ。
オディロン・ルドン《窓》1906年頃岐阜県美術館
監修はルドンに関する著作や論考を数多く発表し、前職・三菱一号館美術館館長在職中には、ルドンの大作《グラン・ブーケ(大きな花束)》(1901年)の購入に尽力した、美術史家で東京都美術館館長の高橋明也氏。会期中、高橋氏の記念講演会や学芸員によるスライドトークなど関連催事も開催される。
<開催概要>
『PARALLEL MODE : オディロン・ルドン―光の夢、影の輝き』
会期:2025年4月12日(土)~6月22日(日)
会場:パナソニック汐留美術館
休館日:水曜(6月18日は開館)
時間:10:00~18:00、5月2日(金)、6月6日(金)、6月20日(金)、6月21日(土)は20:00まで(入館は閉館30分前まで)
料金:一般1,300円、65歳以上1,200円、大高800円
※土日祝は日時指定制
公式サイト:
https://panasonic.co.jp/ew/museum/