小学校の教員なら「部活動の顧問」はやらなくていい? 業務内容を解説

小学校の教員なら「部活動の顧問」はやらなくていい? 業務内容を解説

3月27日(木) 15:40

文部科学省は、小学校を始め中学・高校の教員に対して、健康上の配慮を踏まえて労働負担を軽減する取り組みを推進しています。今回は、小学校教員の業務内容や部活動・クラブ活動に関わる業務負担、地域クラブ活動に従事した際の報酬などを紹介します。

小学校教員の業務内容

小学校の教員の仕事は、学級担任として配属され、「国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭、体育、道徳、英語、特別活動、総合的な学習」において、児童の成長に応じた学習計画を立てて指導することです。
 
また、学校行事の運営やPTAとの連携、学校運営に関する事務なども含まれます。さらに、クラブ活動、給食や清掃の指導、いじめや不登校に関する問題への対応など、学習指導以外に学校生活全般に関わる業務を行います。
 

小学校教員の勤務時間

文部科学省「教員勤務実態調査(令和4年度)速報値について」によると、全ての職種において長時間勤務をしている教員が多いことが分かっています。小学校教員の1日あたりの平均在校時間は、校長「10時間23分」、副校長・教頭「11時間45分」、教諭「10時間45分」です。
 
さらに、土日は、約30分〜1時間の在校時間を要しています。夏季休業期間における勤務状況は、長期休業8月の平日(20日間)のうち、勤務した日数は「5. 6日」、在校時間は約「8〜9時間」です。
 
また、部活動に関わる時間については、一般的な小学校教員は「部活動の顧問」を担当する必要がないため、中学校や高校のように部活顧問としての業務負担はありません。
 
もっとも、小学校の教員の職務には勤務時間内に組み込まれた授業の一環として「クラブ活動」の指導があります。文部科学省の小学校学習指導要領には、小学校4年生以上の児童を対象にした、学年や学級を超えた集団によるクラブ活動が規定されています。
 

運動部活動の地域移行

文部科学省は、2022年「運動部活動の地域移行」の方針を公表し、学校内の運動部活動を地域のスポーツクラブでの活動に移行することを推進しています。
 
運動部活動を地域に移行する目的としては、休日出勤など多忙な勤務体制、長時間労働の改善、指導経験のない教師への負担軽減が挙げられています。
 

地域クラブ活動の報酬

公立学校の教員が地域のクラブ活動に関わる場合は、教育委員会による兼職・兼業の許可が必要です。クラブ活動には、健康への配慮と労働時間の基準の遵守、公立学校の教員の給与や勤務条件を定めた給特法が適用されることから、教育委員会の役割が重要とされています。
 
具体的な労働時間の合計(学校の労働時間+地域団体の業務時間)は、単月100時間未満、複数月平均80時間以内です。地域クラブ活動での報酬は、運営団体・実施主体との契約内容に基づいて支給され、最低賃金を遵守するなどの一般的な労働法規に則ったものとなっています。
 
例えば、神奈川県大磯町では、休日の部活動指導を希望する公立の教員に対して、時給2000円、最長3時間で6000円の報酬を支給する取り組みを行っています。なお、具体的な報酬や条件については、各自治体や運営団体によって異なるため、詳細については、教育委員会や地域クラブの運営団体への問い合わせが必要です。
 

部活動の顧問は小学校教員の職務ではない

小学校教員は、授業準備や学習支援、個別指導など、さまざまな業務をこなす必要がありますが、一般的には部活動顧問を担当する必要はありません。
 
現在は、小学校教員に限らず、部活動顧問を兼務することが教育上負担になる場合もあることから、教員がスポーツ活動などを指導する際は、地域クラブ活動など外部運営の団体と連携して行うケースが増えているようです。
 

出典

厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag 小学校教員
文部科学省 教員勤務実態調査(令和4年度)【速報値】について
文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 特別活動編
文部科学省 スポーツ庁 運動部活動の地域移行について
文部科学省 学校の働き方改革を踏まえた部活動改革について
文部科学省 「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革について」を受けた公立学校の教師等の兼職兼業の取扱い等について
文部科学省 スポーツ庁 部活動改革ポータルサイト FAQ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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